白石加代子の源氏物語
昨夜は念願だった白石加代子さんの源氏物語を観にいった。今回は『宇治十帖』パンフレットがよく語っているので、そのまま引用。***朗読を超えた、朗読劇!瀬戸内寂聴のチャーミングで活気あふれる現代語訳に、心地よく素晴らしい日本語の原文、わかりやすい解説を織り交ぜて、光源氏亡き後の「宇治」を舞台に紡がれる様々なエピソードを一夜のエンターテインメントとしてお届けいたします。***源氏物語読破挫折組の私には、複雑だった宇治十帖の概略がわかって、糸口が見つかったように仕合せな気分を味わえた。舞台装置に扇と橋と川と舟、そして黒子の後見が大活躍する。複雑な登場人物を扇が役をつとめ、宇治と都を川と橋と舟が関係を位置ずける。舞台効果万点だった。浮舟と匂宮と薫の濡場は扇の使い方ひとつでドキドキさせる、さすが白石さんの演技力でした。浮舟入水の場面では、おもわず拍手も出ていたけれど、まだ続きがあったのです。笑時々コミカルに表現されたのも、息抜きになってよっかた。会場は盛況で私と同年輩から年上の女性がほとんど、その中に男性と若い女性がちらほら。ちょっと異様?でも、車椅子や杖をついていらしている方々も何人かお見かけして、源氏の魅力とともに人間ってすごいな、とふいに胸が熱くなったりした。帰宅してから積読だった吉本隆明の「源氏物語論」を紐解きながら、厭離論に新たな感銘を受けたのだった。