『しゃばけ』
ままちりさんのところで、紹介されていて、すごく面白そうなので読みました。面白かったよ。ようするに、「あやかし」という妖怪がうじゃうじゃ出てくるお話。こういうお話は面白いですよね。江戸時代の商人の家が話の舞台なのも珍しい気がします。 この作品、日本ファンタジーノベル大賞の受賞作なのでした。日本ファンタジーノベル大賞というと、すでに17回も、行われている新人発掘のファンタジー分野。なんと第一回の受賞者は酒見賢一で、受賞作の「後宮小説」も面白かったです。非常に個性的に作品を書く人ですね。これは、当時アニメ化されて、テレビで放送されたのを見ました。ただ、原作はちょっと子供には読ませられない。そして、第二回の受賞者がいまでも、話題を振りまくりまくりの鈴木光司さん。そう、あの「リング」「らせん」を書いた人。受賞作「楽園」も、やはりアニメ化されて、見ましたよ。そのあと、ファンタジーというより、こわーい話になってきて、どんどん売れちゃってすごいですね。でも、第三回以降はあんまり目にしてなくて、すっかり忘れていたのでした。でも、ちゃんと続いていたのですね。で、今回の「しゃばけ」なんかアニメにしても、実写にしてもおもしろそう。映像化しないんでしょうかね。だって、この後もシリーズ化してて、5巻まででてるのです。 私この手の話好きです。 こんな風な、妖怪系のストーリーでは、 『百鬼夜行抄』 特に限定なく、いろんな怖い話が出てくるのよ。でも、私も不思議となんとか読めます。いろんな妖怪とか、出てくるのよ。でも、木についてる二匹の文長の妖怪とか、かわいいのです。『ワンゼロ』(佐藤史生作)とか近未来、コンピューターとあやかしという両極がお話の中で絡み合っているのがお見事です。『雨柳堂夢噺』 骨董屋さんの息子が主人公だったかな。お店の骨董についてるあやかしがかわいい。とかあります。みんなおもしろいよ。 しかし、この「しゃばけ」は、感想が面白い、しかない。面白いんだけど、そんなに訴えてるものがないんで、やっぱり、感想としては、面白いしかでてこない。 つまり、気楽にたのしく読めるお話ですね。でも、まあひいて言えばものを大切にしようとか、あと、江戸時代の暮らしの描写が多くて、そのあたりがよくわかる。大工が大切にしていたものを隣の人がちょっとした理由で割っちゃった。それが物語の発端です。ファンタジー