我々は、どこに行こうとしているのか? (はんぺん)
我々は、どこに行こうとしているのか?どんな社会を目指すべきなのか? 2017-12-8 (はんぺん) 日本社会は、成熟している? 人々は幸福に暮らせている? 将来に不安はない? 答えはNOだろう。問題山積みの現実を前にして、不安と絶望が多くの人々の頭の中を去来しているようだ。 解決策を誰も用意できていない・・・これが、問題のすべてだ。 かなり前から、デフレの続く中、企業は、リスク回避のため 莫大な利益を投資や賃上げに回さず、ひたすら内部留保として貯めこんできた。共産党などがずーっと正しく指摘してきたが、アベノミクスで景気回復したと言いながら、潤ってきたのは、経営者ばかりで、賃上げ効果の無かった労働者は、とても景気が良くなったとは実感できなかったのだ。 賃上げの恩恵の無い庶民にとっては、消費意欲に結びつくことも無く、低迷した消費では、景気の好循環を果たすことはできずに、焦った安倍首相は、企業に賃上げをお願いする・・・ということになる。 仮に、そのおかげで、わずかな賃上げがあっても、すぐにそれが消費に結びつくことはない・・・庶民にとっては、将来の生活防衛のために、とりあえずは、貯蓄に回すのではないだろうか?? 相当多くの賃上げが無ければ、消費には回らない・・・ということは、明らかだろう。その結果、買い控えが続き、結果としての景気低迷で、今のデフレは、今後も続くとみるのが正しい認識だろう。 企業は、リスク回避のため 莫大な利益を投資や賃上げに回さず、ひたすら内部留保として貯めこんできた・・・ それでは、彼らは、その非難の的になりつつある内部留保をどうしているか? 11/12付けの朝日新聞の朝刊4面が参考になる。「企業の利益 給与に回らず」という見出しの内容を紹介したい。 「企業が稼いだお金をどこに回しているのか? 株主への配当だ」とある。 1961~1989年度にかけて、その純利益は、21倍に増えた。その間、人件費と設備投資は、それぞれ37倍、17倍となった。企業業績と生活向上が右肩上がりの好循環を示している。」 しかし、企業業績と消費の、この好循環は、平成に入って崩れた。 90年代の金融危機とリーマンショックがきっかけだ。2回の危機が、経営者の心理を冷やした・・・ようやく世界市場が回復し、過去最高益を稼げるようになっても、世界中の金融市場が凍り付いた「体験」を忘れない彼らは、リスクのある新工場建設などには、まだまだ慎重だという。 2016年度の国内企業全体の株主配当額は、10年前から、24%増の20兆円だ。「株主重視」の流れは、どんどん強まっているという。 「株主重視」とは、どいいうことだろうか? 大株主の資産家は、たいてい経営者自身でもあるだろう。ということは、結局、企業でのもうけを、自分たちがきっちり自分のモノにするということだ。こうして資産家(経営者)たちは、ますます肥え太る。経済格差は縮まるはずが無いではないか? 社員(労働者)に分ける気は、サラサラ無いということだ。 「賃金をどんどん上げた後に赤字になってしまえば、かえって社員を不幸にする」というスバル自動車の社長。そのウラで、スバル自動車は、株主配当額を17倍(1,700 %)に増やした。正社員の給与総額は35%増にとどまるという。 企業が、2016年度に稼ぎ出した純利益は、過去最高の50兆円にのぼり、金融危機が本格化する前の1996年度から、5.6倍に増えた。だが人件費は、2%増、設備投資は、6%減ったという。 リーマンショック前の2006年と比べても、純利益は、8割増えたが、人件費は横ばいで、設備投資は、2%減っている。 朝日新聞のこの記事、後半部で、「株主重視 流れ強まる」の詳細は興味深い。 内部留保を増やした企業の参考一覧がある。2017年3月期と10年前を比較した増加率である。 これを見れば、いかに企業が、内部留保(現預金)と株主配当を増やしたか、人件費(給与総額)を抑え込んだかが、一目瞭然だ。 スバル自動車 現預金(内部留保)・・・18.3倍増 株主配当・・・・・ 17:1倍増 人件費(給与総額)・・・・35%増 日産自動車 現預金(内部留保)・・・8.9倍増 株主配当・・・・・ 26%増 人件費(給与総額)・・・・23%減 旭硝子 現預金(内部留保)・・・7.2倍増 株主配当・・・・・ 11%増 人件費(給与総額)・・・・5%増 トヨタ自動車 現預金(内部留保)・・ ・6.1倍増 株主配当・・・・・ 64%増 人件費(給与総額)・・・・16%増 花王 現預金(内部留保)・・・5.5倍増 株主配当・・・・・ 65%増 人件費(給与総額)・・・・32%増 デンソー 現預金(内部留保)・・・3倍増 株主配当・・・・・ 2.6倍増 人件費(給与総額)・・・・12%増 三菱電機 現預金(内部留保)・・・2.5倍増 株主配当・・・・・ 2.7倍増 人件費(給与総額)・・・・27%増 (給与総額には、非正規社員が含まれない場合が多いとのこと) この現状と、前に書いた(・・・三井住友、三菱UFJ,みずほFGなどのメガバンクの現在の普通預金金利は、0.001%程度しかない。定期預金にしてもたったの0.01%だ。仮に、100万円を1年間預けたとしても、普通預金では10円、定期預金でも100円の利息でしかならない。)という事実を突き合わせると、日本が(資本家本位、庶民無視)のいびつな発展を続けている社会であることが明白になる。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 日本は、世界は、どこに行こうとしているのか?よく考える。もとろん我々の消え去った後の世界のことだ。 僕たちは、幸か不幸か、歴史の大きな事件を何度か見ることになった。そして、「反省する勇気」を持てず、また「同じ過ち」を犯そうとする多くの人たちが周囲にうごめいている事実だ。 それで、「地球の未来は暗い」といつも思うのだ。 (誤解の無いように言っておきたいが、「同じ過ち」とは、サヨクが良く言う「いつか歩んだ戦争への道」の事ではない。 「戦争への道」は、確実な抑止力の確保により、防止することができる。事実、戦後の日本は、在日米軍や自衛隊、安保法制といった「抑止力」のおかげで、「平和」を実現することができたのである。決して「平和が、憲法第9条のおかげでは 決して無い」と断言できる。 僕の言う「同じ過ち」とは、1億人の犠牲者を出してしまった「社会主義犯罪」も含めた全体主義に「またまた、のめりこむ愚かな道の事」である。) これは、「今、そこにある危機」なのだから。 皆さんは、どう思われるか? (はんぺん)