高校生時代、ベトナム反戦運動に参加していく僕を見て、父は、一度だけ、猛烈に反対したことがある。
高校生時代、ベトナム反戦運動に参加していく僕を見て、父は、一度だけ、猛烈に反対したことがある。 思想的なものではなく、自身のそれまでの人生経験からだったと今では思う。(残念なことに?思想的なものは、まったく無かった。) 高校生の僕から、反戦運動の意義とか、人道主義的な観点からの反論を猛烈に受けて・・・その後は、何も言わなくなった。勝ち目はないとわかって諦めたのか? その後は、僕のすることを黙ってみているだけだった。やがて、一番下の弟も、大学で学生運動を始める。 70安保闘争当時は、学生たちは、ベトナム戦争や安保、など、日本の将来を左右する大きな課題があって、しっかり考えていこうという雰囲気が、学園を取り巻いていたと思う。 父も、そういう時代の流れを、彼なりに認めざるを得なかったのだと思う。反戦運動=共産党といった、古い偏見や誤解は、戦後民主主義運動の抬頭の中で、かなり打ち壊されつつあったと思う。 そういう父だが、あの第2次大戦では、赤紙召集だったが、大学卒ということで、下士官(軍曹)に。終戦を、南洋のラバウルで迎えた。米軍の飛び石作戦のおかげで、ラバウルは上陸占領を免れ、九死に一生を得たというわけだ。 死の数週間前、父は、僕一人の時に枕元で、こう言った。「(戦争中、下士官として従軍の時)、ただ一度だけ部下を殴ったことがある。南方に輸送船で移動中に、パラオで停泊中、部下の一人が逃走した。捕まえられた部下を(上官の手前)手を出した・・・」と。父は「一度だけ」を強調した。 軍隊では、階級差は絶対だ。軍律の厳しい陸軍にあって、部下を殴らない下士官など、通常は、あり得ない。しかし、お坊ちゃん育ちの、心根の優しい父には、軍隊は、向いていなかったのだと思う。父は、あの時僕に、何を言いたかったのか、今でも時々、考える。 父は、家族に看取られながら、64歳で、胃がんで逝った。父の病院の主治医は、不思議な縁?で、僕が、学生運動時代、一緒に70年安保を闘った、同じ大学の1年上の医学部出身の医師だった。 ジェンキンスさんは、1965年当時、階級は、軍曹。38度線の警備・防衛に派遣されていたが、ベトナム戦線への移動=派遣が決まり、かなり荒れていたそうだ。1965年、脱走して38度線を越えた。 米軍で、最も大量に脱走兵を出すことになったのが、このベトナム戦争だったという。僕の友人が、ベ平連(ベトナムに平和を!市民連合)の活動家で、「良心的兵役拒否」の脱走支援活動を行っていた。国内潜伏支援や海外逃亡(ソ連経由でスウェーデン)の支援などだ。 彼は、僕と同じ自治体の職員だったが、30年ほど前に、別の理由で自殺して、今はもういない。 (はんぺん) --------------------------------------------------------------------- 脱走兵・敵前逃亡についての資料 (ウィキペディアから) アメリカの事例[編集] 最も脱走兵が出たのはベトナム戦争の頃で1971年に33,094人の脱走兵が出た。 これは当時の総兵力の3.4%にもなる。 アメリカ国防総省によるとイラク戦争で2003年と2004年の2年間だけで5,500人以上の脱走兵が出ている。 2005年には3,456人が脱走兵になった。これは全体の0.24%になる。 アメリカ軍では毎年、全体の0.2~0.3%の 脱走兵が出ている、このうち58%は脱走途中で戻ってきている。 脱走兵は戦地だけでなくアメリカ国内の基地や在日米軍基地でも頻繁に発生している。 ----------------------------------- ソビエト軍の事例[編集] 第二次世界大戦中には「木に吊るす」という慣用句が出来たほどに頻繁に現地での絞首刑が行われた。1942年7月27日のスターリンによる命令「ソ連国防人民委員令第227号(原文)」によると、命令なしで自らの位置を離れたものは銃撃され、また戦車で轢き殺す命令を出しており、前線では兵士を後退させないため後ろに督戦隊の機関銃が設置された。 スターリングラードの戦いでは、この命令により1万4千人余りの兵士が自軍に銃殺された。実に一個師団分の兵士が友軍によって殺害されたことを意味する。 このような事をしたのはスターリンは裏切り者に対しては絶対に許さない性格であるためである。 --------------------------------------------------- イギリスの事例[編集] 政府の統計によると毎年2,600~3,000人の脱走兵が出ている。 特にイラク戦争以降は増加傾向にある。 2001年 2,670人 2002年 2,970人 2003年 2,825人 2004年 3,050人 2005年 2,725人 ------------------------------------------------------------