「韓国民主化から北朝鮮民主化へ―ある韓国人革命家の告白」(金 永煥,石丸 次郎) 読書メーター
かなり前から、「社会主義」に疑問符が付けられていて、物事を真剣に考えることのできる人々にとっては、「さもありなん」「やはり、そうか!」となるが・・・・ 戦後日本の平和は「平和憲法のおかげ」「第9条のおかげ」と、今でも盲信している「リベラル?」がいる。 あまりにも、ピント外れの時代錯誤には、恐れ入るばかりだ。 何度も言うが、戦後、日本が戦争に巻き込まれなくて済んだのは、第1に、在日米軍の存在だ。第2に安保条約の存在。第3に、自衛隊の存在だ・・・・これは、間違いない真実だ。 学生運動以来、長い間、反戦平和運動の一翼を担ってきたつもりの自分としては、心地良い結論ではないが・・・・事実を認めることに躊躇してはならない・・・(過ちては改むるに憚ること勿れ)だ。 この、当たり前の真理が、予断と偏見の曇ったメガネのため、見えなかったということだ・・・・悲しいことではあるが・・・これが、自分の「人生総括」の中で、見えてきたということだ。 この本の筆者は、「社会主義の妄想」の呪縛から解放されて、自らの過ちに気が付き、その「清算活動」として、北朝鮮の民主化運動に、精出している・・・何という誠実な人物であることか! 今の僕には、とても、彼のような「活動」に参加することは、不可能だ。 体力的にも、気力的にも・・・だ。 しかし、彼のような人士が、多くあらわれるならば・・・人類の未来に、まだ「救い」はあるだろう。 悲しいかな、見て見ぬふりをする日本のリベラルたちには、期待するべくも無いが・・・・ 皆さんは、どう思われるか? (はんぺん) ―――――――――――――――――――――――――――― 「韓国民主化から北朝鮮民主化へ―ある韓国人革命家の告白」(金 永煥,石丸 次郎) 読書メーター 本の感想・レビュー・・・・・・ satsuki 筆者がそもそもなぜ親北活動家となり、そしてなぜ北朝鮮民主化運動に転向したのか、不思議に思って読んだ。前者については、その時代、維新政権、新軍部、そして特に光州事件が大学生の思想に与えた影響は大きく、「運動圏」に入るのはそれほど珍しくもなかったようだ。後者については、東欧社会主義政権の崩壊を見て「私の思想は、根幹から重度の動揺が始まった」こと、そして91年に北朝鮮を訪れ金日成に会って理想と異なる現実の姿を知ったこと、さらに90年代後半には脱北者が増えて北朝鮮の状況を知るようになったこと、が要因のようだ。 BLACK無糖好き 著者は元々80年代韓国の左派運動家で、地下の革命活動に従事した中心的存在。本書は韓国の各主要サークルの民主化地下活動の一端が記録されているが、それにも増して本書の肝は、著者が主体思想を極めながらも、北朝鮮の民主化活動に命をかけるに至る凄まじい転向過程が赤裸々に語られる部分であろう。90年代以降脱北者の支援を通じ、北朝鮮の人権問題にコミットする為、中朝国境付近の危険地帯に身を投じる。理論よりも実践に転じる。著者は北の人々の苦境を感じ続ける為に夏も冬も部屋の空調機は使わないそうだ。これはキツイ。 古本虫がさまよう 著者は北朝鮮の「スパイ」ともいうべき思想的立場の人間。だが、ベルリンの壁崩壊以降の東欧諸国の崩壊に直面し、思想的葛藤を味わい、北朝鮮礼賛の立場から離れ、完全に訣別。そして、逆に北朝鮮の民主化のために活動を展開。中国にて、脱北者支援など、さまざまな活動を行なっていたところ、中国官憲に不当逮捕され、時には、韓国官憲以上の「拷問」を受ける。その生々しい体験も綴っている。「北朝鮮政権は、いい加減に見て見ないふりができるレベルの政権ではなかった」と判断して、こういう運動を展開し、こういう本を書いたのだ。立派。 金永煥(キム・ヨンファン) 1963年生まれ。「北朝鮮民主化ネットワーク」研究委員、論壇誌『時代精神』編集委員。 1980年代にソウル大学で学生運動(民主化闘争)の指導者として活躍。 「鋼鉄」のペンネームで知られ、韓国の左翼運動に主体思想を普及する役割を果たした。 潜水艇で北朝鮮に密入国し、金日成と会う。 朝鮮労働党に通じた地下政党を組織し、韓国の社会主義革命をめざす。 しかし1990年代に、強制収容所体験者の証言などを通じて北朝鮮人民の置かれた実態について深刻な反省をした結果、金正日政権打倒の地下運動へと転向。 中朝国境を拠点に北朝鮮民主化運動を展開した。 (2012年に中国で拘束・拘禁され、現在は入国禁止。)