沈みゆく韓国経済、そして日本への「手のひら返し」外交が始まる 2016.09.22 まぐまぐニュース
沈みゆく韓国経済、そして日本への「手のひら返し」外交が始まる 2016.09.22 まぐまぐニュース 国内最大の海運会社の経営破綻が伝えられた韓国。頼みの綱のサムスンもスマホ回収騒ぎに揺れるなど、韓国経済の行方が心配されています。メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』では、「もはや韓国経済の沈没は確実」とした上で、日本に対しては朴槿恵政権の「抱きつき心中」に警戒しつつ韓国にどう対処すべきかを考えるべきと注意を促しています。 【韓国】同時多発沈没が始まった韓国経済の悲惨な状況 世界7位、韓国最大の海運最大手、韓進海運の経営破綻で、世界各地の物流が大混乱しています。韓進海運は現在、用船料などの支払いが滞っており、寄港や荷降ろしの不払いを怖れて多くの港から入港を拒否されています。 加えて、外国の港に入港すれば海外の船主など債権者に船舶を差し押さえられる可能性があるため、韓国政府は米国・日本・ドイツなど、差し押さえ禁止命令が適用される「安全な港」に指定した8か所の港へ韓進海運の船舶を誘導し、荷役作業を進める予定だといいます。 ロイターによると、各地の海をさまよう貨物船に積まれたコンテナの数は約40万個、積み荷の価値は約140億ドル(約1兆4,000億円)、荷主は約8,300社だといいます。 韓進海運は「ナッツリターン」事件で批判を浴びた大韓航空の兄弟企業で同じ財閥です。 現在、韓国経済の不信は相当深刻で、とくに造船、海運は壊滅的な状況となっています。韓国の造船大手3社の受注は、年間目標の10.6%にしか届いておらず、過去最悪レベルだということです。 しかもこの韓進海運の破綻によって、船舶が中古市場に出回れば、さらに韓国の造船業が苦境に陥るともいわれています。とくに輸出依存度の高い韓国では、世界的な経済の減速で輸出が減れば、同時に海運・造船も大きなダメージを受けます。外需頼みの弱さがもろに出始めています。 企業30年寿命説というものがあります。台湾も年10%以上のGDP成長を30年近く続け、経済史史上未曾有の奇跡と言われながら、90年代に入って中国への投資によって資本・技術の移転から産業空洞化が起こり、経済低迷期へと移行しました。 ちなみに、台湾で韓進海運と類似する運輸企業はエバーグリーンです。エバーグリーンははじめ海運からスタートして、高雄と神戸港とを結び我が世の春を謳歌しました。以後は、航空業界に進出、現在では中華航空(CI)の最大のライバルとなっています。 韓進海運の船舶が世界中で立ち往生していることで、韓国企業にも大きな影響が出始めています。韓国のGDPの2割を占めるサムスン電子でも、2隻の韓進海運の船舶に積まれた3,800万ドル相当の貨物へアクセスしようと裁判に訴えています。少なくとも16機のチャーター機が必要で、費用は最低でも880万ドルかかるといいます。 そのサムスンは、世界中でギャラクシーノート7の充電池が爆発する事件が相次いでいることで、世界10カ国で250万台を回収する事態となり、同社の株価が急落するなど、踏んだり蹴ったりです。 韓国経済の混乱に輪をかけているのは、言うまでもなく中国経済への傾斜です。 その中国では鉄道運送も海運も閑古鳥が鳴いており、今年2月には中国遠洋運輸集団と中国海運集団が合併し、世界第4位の中国遠洋海運集団が誕生しました。余剰運輸能力を海外に振り向けようとしていますが、これで韓国のニーズがますます減少してしまいました。 韓国の観光業界も苦境が続いています。韓国の刊行収支は昨年12月から20カ月連続の赤字。つまり韓国に来てカネを使う外国人よりも、海外へ出てカネを使う韓国人のほうが多かったということになります。とくに日本への旅行者が283万人と前年比30%増だということです。 2015年は、日本では訪日外国人観光客が47%の伸びを見せましたが、韓国は6.8%減。それだけに、数が見込める中国人観光客の誘致に躍起となっています。しかし、問題が多発しているようです。 とくに済州島では中国人の犯罪が急増しており、中国人観光客のビザなし入国を廃止する声が高まっています。済州地方警察庁によると、今年に入ってから7月末までで済州島管内で検挙された犯罪外国人347人のうち、その約7割が中国人だったそうです。とくに殺人や婦女暴行などの凶悪犯罪のほとんどが中国人によるものだったとのこと。 中国観光客のマナーの悪さや凶悪犯罪問題については、世界共通の頭痛の種となっていますが、これは5,000年の歴史風土であり、中国政府もお手上げで、独裁専制の強化、徹底以外に手がない状況です。私が中国に工場を持つ友人から聞いた話では、中国人を統率するには自由や人権を認めず、徹底的に力で押さえつけるしかないといいます。 今年上半期に韓国を訪れた中国人観光客は381万人。外国人観光客全体の47%を占めており、韓国の観光産業の中国人観光客への依存度は世界で最高レベルとなっています。タイでも26%、インドネシアやシンガポールは10%程度しかないということです。 これが免税店となるとさらに深刻で、ロッテ免税店ではソウル市内の3店舗の中国人による売上が今年上半期で78%に達しているそうです。こうなると中国人なしでは韓国の観光産業は成り立ちません。 その一方で、韓国では中国人観光客がよくぼったくられており、そうした不親切な対応や衛生状態の悪さが不評を買っています。ツアーでは常に買い物に連れて行かれ、高い物を買わせる。中国では旅行先でひどくぼられる40代以上の女性たちを「ママタン」と呼ばれているようですが、彼女たちを食い物にしているのが韓国の観光業なのです。 だから韓国では中国人観光客のリピート率はわずか2割しかありません。その一方で日本は8割です。 もっとも、台湾の中国人観光客はすべて中国人業者によって仕切られ、通常より20%以上も高いモノを買わされていますが、韓国では中国人業者が韓国人業者と結託してボッタクリをしているという話があります。加えて、中国人業者は中国政府の圧力によって韓国への旅行を差配できるため、インバウンドは期待できないのです。 実際、北朝鮮問題に絡んでTHAADの導入を決定したことで、中国との外交関係も冷え込み、それと同時に、中国人観光客による韓国ツアーが次々とキャンセルされました。 現在のところ、中秋節の連休においては、中国人観光客減少の影響はなかったとしていますが、台湾が中国から「92共識」(中国共産党と国民党が1992年に確認したとされる「一つの中国論」)を認めなければ観光客を停止すると圧力を受けているように、いずれ韓国にも中国から露骨な圧力が欠けられるのは間違いないでしょう。 以上のような数字や実態を見るにつけ、韓国経済がますます奈落へと落ち続けていることは明らかです。数年前から韓国経済の低迷は言われてきましたが、朴槿恵大統領は国民の支持率を維持するために告げ口外交や反日姿勢を続け、日韓通貨スワップ協定の延長も行われず、韓国経済の弱体化を招いてしましました。 ようやく韓国財界も過度の反日行動ばかりしていてはまずいと気づいたのでしょう。日韓通貨スワップ協定の再開を要請してきています。しかし日本では通貨スワップ再開に反対する動きも強く、どうなるかは流動的です。 韓国政府が韓進海運の破綻救済をするためには多額の外貨が必要になるでしょう。韓国海運や輸出業が連鎖破綻するようなことになれば、韓国経済は崩壊が免れません。そのためにも韓国は日本との通貨スワップが喉が手が出るほど欲しいでしょう。 もはや韓国経済の沈没は確実な状況であり、韓進海運同様、韓国企業が「下船したい」と思ってもできない状況です。日本はかつてのような韓国の「掌返し」と「抱きつき心中」を警戒しつつ、同情心ではなくあくまで国益の観点から冷静に韓国にどう対処すべきかを考えるべきでしょう。