研究書を伏字本に・・・言論弾圧に躍起の韓国検察の暴走・・・ 2015.11.28 週刊文春
研究書を伏字本に・・・言論弾圧に躍起の韓国検察の暴走・・・ 2015.11.28 週刊文春 慰安婦問題で「強制連行20万人」説など韓国の“通説”に果敢に挑戦してきた朴裕河・世宗大教授が、18日、韓国検察当局によって元慰安婦に対する名誉毀損で起訴(在宅)された。 朴教授は日本文学専攻で「日韓の歴史和解」に関する著作などがあるリベラル系の研究者。慰安婦問題では綿密な資料研究を通じて多様な事実を掘り起こし、韓国が官民挙げて主張している「日本軍による強制連行」一辺倒の通説を否定。さらに慰安婦と軍人は戦地では同志的関係にあったという例を紹介し、日本との敵対関係しか認めない公式史観を批判した。 韓国の慰安婦団体や検察当局が問題視している核心は、日本統治時代の日韓には協力関係もあったという彼女の事実認識にある。これを許すと韓国の公式歴史観が根底から揺さぶられ、日本との“歴史戦争”に負けるからだ。 起訴は慰安婦サイドの告訴を受けたものだが、彼女の話題の著書『帝国の慰安婦』も「秩序維持に反する」と発禁の仮処分になり、削除命令の部分を伏字にして再出版された。「伏字本」など、今時、韓国だけではないか。 著書のタイトルからも分かるように、彼女は、罪は当時の帝国主義体制にあるとして日本の責任を追及する立場で、いわゆる進歩派に属する。にもかかわらず、内外から「日本の右翼の手先」「裏切り者」と非難が殺到している。 彼女は「事実がゆがめられ誤った見方が後世にまで伝えられるのを防ぐことが自分の役目」とヤル気満々だが、今回の起訴のほか民事でも名誉毀損による損害賠償で1人当たり3000万ウォン(約300万円)で9人分を要求されている。さらに起訴で教授職を失う恐れもあるとか。 慰安婦の名誉毀損をめぐっては先年、日本大使館前の慰安婦像に「竹島は日本固有の領土」と書いた棒を立てかけ写真を撮って帰った日本の右翼活動家が起訴され、裁判への出頭を求められている。 こうした昨今の韓国検察当局の強権ぶりには、国内では「反体制派が虐げられた朴槿恵大統領の父、朴正熙の時代のよう」という声もあがっている。司法の本義もそこそこに、“歴史戦”に躍起になる韓国の検察。実に忙しいことだ。