訪日外国人数、前年比110万人増で2月の過去最高に 今年もインバウンド需要は堅調か 2016-4-2 MONEYzine
訪日外国人数、前年比110万人増で2月の過去最高に 今年もインバウンド需要は堅調か 2016-4-2 MONEYzine 2月に日本を訪れた外国人の数が、過去最高を記録した2015年7月に次いで多かった。今年も外国人旅行者による消費拡大に期待が高まりそうだ。 日本を訪れる外国人の数が増え続けている。日本政府観光局(JNTO)が3月16日に発表した「訪日外客数 2016年2月推計値」によると、2月に日本を訪れた外国人の数は前年同月比36.4%増の189万1,000人で、2月としての過去最高を記録。月別でも過去最高を記録した2015年7月の191万8,000人に次いで過去2番目に多かった。 2月はアジア地域の旧正月にあたり、休暇中に日本を訪れる旅行者が増加。旧正月の休暇中だけで374万3,000人が日本を訪れ、前年を110万人以上も上回った。これは、継続的に行われた訪日旅行プロモーションが功を奏したほか、航空路線の拡大や燃油サーチャージの値下がり、円安で割安感が定着したことなどが影響したようだ。3月以降はイースター休暇や桜シーズンがあり、外国人旅行者の増加が期待できる。訪日外国人を相手にビジネスを展開する業界では、今年も業績が堅調に推移しそうだ。 こうした状況から、国内の時計市場もインバウンド需要の恩恵を受けている。矢野経済研究所が1月14日に発表した「国内時計市場に関する調査結果2015」によると、2014年の国内時計市場は前年比17.5%増の8,174億円で、5年連続して拡大。 なかでも好調なのは腕時計などのウォッチ市場で、2014年の市場規模は前年比19.4%増の7,649億円となった。国産ウォッチやスイス製の高級時計などのインポートウォッチは日本を訪れた外国人から人気が高く、今後も好調に推移すると予想。同市場は2019年に8,900億円まで拡大すると矢野経済研究所は予想している。 また、矢野経済研究所が3月18日に発表した「宝飾品(ジュエリー)市場に関する調査結果2016」によると、2015年の国内宝飾品小売市場規模は前年比0.4%減の9,691億円だった。年の後半からの株安や円高などで中間層を中心に購買意欲が後退したほか、少子化や婚姻組数の減少でブライダルジュエリー市場が縮小したのが影響した。しかし、2020年の東京オリンピックまでは訪日外国人による需要の拡大が期待されており、2016年の同市場規模は前年比2.1%増の9,894億円と予測されている。 市場では中国経済の後退で、中国人を中心にした外国人の消費減少が心配されている。しかし、訪日外国人の消費拡大に期待する業界は多いようだ。 サイトウ イサム[著]、加藤 秀行[著]