中国の札束外交、漢民族帝国主義の覇権主義に、包囲網を・・・
今でも、不思議で仕方が無いことがある。あの文化大革命で、数千万人の中国民衆が、(造反有理)を掲げて、2派にわかれて、殺し合ったことだ。(双方とも、自派が造反有理派で、相手方が修正主義だと決めつけた!)。 政治家、大学人、教育家、芸術家などの各界のトップたちが、自己批判を厳しく迫られ、三角帽子を被せられて、市中を引き回されたりした写真が、日本の新聞紙面に載せられて、当時の僕たちは、びっくりしたモノだ。 日本のマスコミ(新聞)の報道は、大きな限界があって・・・現実は、そんな可愛い対立ではなく、残酷な殺し合いだったことが、しばらくしてわかった。報道規制のため、中国に入って取材できる新聞社も限られていて、取材源も大きく規制されていたので、仕方が無かったのだろうが・・・ そんな(大甘な)情報に惑わされて、僕の周りには、そんな文化大革命が、(既成サヨクにお灸をすえるような)(マルクスレーニン主義の新たな展開と実験)と好意的に解釈する、リベラルが多かった。 当時の進歩的知識人が、何度も新聞紙面に登場して・・・(当惑しながらも、この実験に期待する・・・)というような解説をしていたように、記憶している。 そもそも、限られた情報では、正確な判断ができなかった・・・というのは、わかる。 仏像や歴史遺産を破壊し、既成の文化芸術を否定し・・・紅衛兵たちは、(自分たちが造反派=正義だという思い込みだけで)目標の無い無意味な殺戮に、なだれ込んでいった。 ちょうど、70年安保闘争の2~3年前辺りから、リベラルたちがよく読んだ「朝日ジャーナル」などが、何度も(文革)を取り上げたが・・・事態の真相は、闇の中だったし、そんな(闇)を、毛沢東独裁政権が公開するハズも無い・・・疑問を持ちながらも、僕たちは、安保闘争の中では、(棚上げ)するしかなかった。 その頃のリベラルの思考は、世界は(社会主義世界体制=平和勢力と、帝国主義世界体制=戦争勢力)との対立が主軸であり、社会主義勢力が、(平和と平和共存戦略の下)、先進国内の民主勢力や植民地解放勢力と一緒になって、戦争政策を抑え込み 世界平和を実現する・・・というモノだった。 その時、すでに,この時点で、我々は、大きな過ちを犯しつつあった・・ことが、次第に明らかになっていく。 社会主義に対する、恐ろしいまでの(楽観)と(期待)と(幻想)のことだ。 当時までに、すでに、社会主義体制内で、大規模かつ執拗な(スターリンによる大量粛清)が実行されていて、文化大革命(最終的には、4,000~5,000万人以上が犠牲に)は、その破綻の、より確かな証明であったことを、批判できなかった・・・という、(今となっては)信じられない愚かな経過が、あった。 共産主義による、全体主義の悪業の流れを、習近平の漢民族帝国主義が、引き継いだ・・・これが、正確な国際認識だろう。 旧ソ連では、(人民)の名による特権階級(ノーメンクラツーラ=共産貴族)による特権階級政治が行われたが、人民中国?では、そのまま(中国共産党)という名前を冠した中国式特権階級政治(漢民族帝国主義)に引き継がれたのだ・・・ 「世界は、民主主義勢力と専制主義勢力との戦いだ」(バイデン)は、正しいが、間に合うだろうか???? 恐ろしいまでの(楽観)と(期待)と(幻想)・・・これは、人間の弱さ=限界性を示していると考える。人類の未来は、限りなく暗いと予想するしかないのは・・・残念だ。 皆さんは、どう思われるか? (はんぺん)――――――――――――――――――――――――――――――――――台湾・ソロモン諸島断交で見え隠れする中国の札束外交 2019-9-27 岡崎研究所 「WEDGE Infinity」https://wedge.ismedia.jp/articles/-/17380 9月16日、太平洋の島嶼国ソロモン諸島は台湾との断交を決定、外交関係を台湾から中国に切り替えた。ソロモン諸島では、今年4月にソガバレ首相が就任して以来、外交関係を切り替えるとの観測が強まっていた。 9月8~12日にソロモン諸島の外相が訪台し、呉外交部長、蔡英文総統と会談、「両国の関係は有意義」などと述べていた。しかし、9月13日には、ソロモン諸島の議会の特別委員会が中国との国交樹立を勧告する答申書を提出した、と報じられるなど、断交は時間の問題と見られていた。 これで、台湾と外交関係を持つ国は16か国に減少した。本件について、台湾の蔡英文総統は、総統府でカメラの前に立ち、下記の概要の声明を発表した。 ――――――――――――――――――――――――――――――― たった今、私は中華民国(台湾)とソロモン諸島との外交関係を終了させた。同国政府の中国との外交関係樹立決定は心から遺憾であり、強く非難する。 過去数年間、中国は台湾を外交空間において圧迫すべく、経済的、政治的圧力を用い続けている。我々は、こうした行為に対し、台湾への脅威のみならず、国際秩序への強烈な挑戦と不利益になるとして、最も厳しい非難で対応してきた。 台湾が理不尽な要求を満たすために中国との札束外交合戦に参加することはないと強調したい。これは台湾の外交のやり方ではない。中国の経済支援の約束がしばしば空手形に終わっていることは言うまでもない。台湾のソロモン諸島への貢献は、お金では測り得ないものである。 外交関係は終了したが、ソロモン諸島の人々には台湾を支援してくれたことに感謝を表明したい。 世界中の人々は、過去数年、中国が、我々と外交関係のある国々を餌で釣り、我々への圧力を強化し、台湾人の道徳性を傷つけ、台湾に「一国二制度」の受け入れを強制しようとしてきたことを知っている。 私は、2300万の台湾人はそれを強く拒否すると確信する。中国は、我々と外交関係のある国を引き抜くことで一時的に民意を攪乱できるかもしれないが、こうした行為は結局のところ、両岸関係への不利益にしかならない。 中国の目的が、我々のF-16戦闘機調達(注:8月に米が売却を決定)への報復であれ、香港での抗議行動から目を逸らせることであれ、台湾人の自信と団結に影響を与えることはない。 台湾は世界に対し、防衛力強化を諦めないこと、民主主義へのコミットメントや香港への支持をやめないことを、行動で示し続けるだろう。 我々は、積極的に世界に関与し続ける。中華民国(台湾)は、外交関係の有無にかかわらず、他の主権国家同様、世界中に友好国を作り続ける。 中国のいじめに直面し、台湾は勇気と団結を維持しなければならない。 我々は世界に関与し続けなければならない。 我々は、団結して世界に直面し、自らの道を歩まなければならない。 ―――――――――――――――――――――――― 今回の断交も、中国が札束外交により、対象国の外交関係を台湾から中国に切り替えさせるという、お決まりのパターンである。産経新聞の報道によれば、中国が外交関係切り替えの見返りに5億ドルの資金援助を申し出たとの情報もある。ただし、ソロモン諸島の国民の多くは台湾との関係を支持している由であり、政府の方針と必ずしも一致していない可能性がある。 蔡英文政権は、最近、断交の際の談話を、中国の札束外交を非難し、対照的に台湾は国際秩序を重視する民主国家であるとアピールする場として、有効活用している。台湾外交は、外交関係といった形式よりも、実質的なパートナーシップを格段に重視する方向に転換している。米国や日本との関係を重視し、東南アジア・南アジア・オセアニアを見据えた「新南向政策」をとり、台湾を民主主義の砦、インド太平洋戦略の要として精力的に売り込んでいる。 今回の談話の終わりの方の「中華民国(台湾)は、外交関係の有無にかかわらず、他の主権国家同様、世界中に友好国を作り続ける」という部分は、こうした台湾の外交方針をこれまでになくストレートに表現し、台湾が事実上の主権国家であると宣言しているに等しい。 今回の件は、地政学的にも大きな波紋を投げかけた。ソロモン諸島はパプア・ニューギニアの東側に位置するが、パプア・ニューギニアも既に中国の影響力が強まっており、豪州包囲網が伸びることになる。いわゆる第2列島線の近傍に位置するということで、米国のインド太平洋戦略にも関わってくる。 豪州を中心に、ソロモン諸島に中国の軍港が建設されることへの警戒が高まっている。駐パプア・ニューギニア米大使は9月10日、ソロモン諸島のソガバレ首相に、外交関係の切り替えに慎重に対応するよう求めた。 さらに、ペンス副大統領は9月17日に開幕する国連総会の機会を捉え、ソガバレ首相に対し、台湾との関係維持の支持を表明すると見られていた。中国は、期せずして、米国のこの地域への関心と懸念を高めたことになると言えよう。