宝酒造杯から 第5回戦・決勝
1回戦、2回戦と黒番、3回戦、4回戦は白番ときて、決勝はニギリを当てて黒番だった。これで最後なので、いつもの、2連星から相手の隅に掛かった後に3連星を布く型で臨む。序盤からの打ち方は、まずまずかなと思っていた。しかし、いつも打っている型ということから、逆に注意力が散漫になってしまったかもしれない。さて、白1と模様を消す手を打たれた時、実戦は黒2と受けたのだが、ちょっと消極的だったかもしれない。ネット対局なら気安く、Aと打つ手か、Aの右上の肩に打つ手を選んでいたかもしれない。実戦は、白1とトビ、黒2と左上に掛かった。本来攻めるべき中央の白を容易に上辺に連絡させてしまい、さっぱりいけないと思った。そこで無理やり黒30から白の2子をもぎ取りにいったが、我慢が足りなかった気がする。そして白1から3のノゾキに対して黒4とつないだのが第1のミス。白5と打たれて、たった今つないだ石がそっくり取られることに気付かないとは。仕方がないから黒10、12と地を作りに行く。白が自重したこともあって細かくなったものの、どうにもコミがでそうにないと思っていた。そして半ば諦め気分でいた時に、最後の最後でミスがでた。取っていたハズの白△の2子が、コウ絡みで黒△の2子を取られて復活してしまったのだ。対局中形勢が悪いと思っていたので、白がコウを仕掛けてきた時、そこまでやるかと思った。またコウを譲ったつもりで打った手では、黒△を助ける手を打たなければならなかったのに、全然気付かなかった。終局後は、このミスがなくてもコミは出ないと思っていたが、こうしてあらためて眺めてみると出入り13目ほど損しているではないか。実はものすごく細かかったのかもしれない。きちんと目算できない上に、消極的で諦め気分を持っていては、勝てないとしたものだろう。