味噌汁と絶望
味噌汁を、ちゃんとだしをとって作ってみた。いつも使っているだし入り味噌がきれたので、米麹と大豆と塩だけで作った味噌を買ったのだ。さすが香りが良い。帰ってきた旦那にその話をしたら「でも娘ちやんは食べなかったんだろう?」と言われた。その通りだけど。てきめん意気消沈した私を見て、旦那は娘に何が気に入らなかったのかどんな味噌汁なら飲むのかどんな具材が好きなのかを問う。そうじゃないんだけどな。私はあなたに「そうなんだ」「香りが良いね」「美味しいね」と言ってもらいたかっただけなのだ。一時が万事この調子だ。俵万智の歌に「寒いね」と話しかけたら「寒いね」と答える人のいるあたたかさ というのがある。旦那に「寒いね」と言ったらたぶん「冬だからね」「北海道だからね」「11月だからね」と答えるだろう。そうじゃないのだ。ただ「そうだね、寒いね」と言ってもらいたいだけなんだけど、きっと伝わらない。何がいけないのか、どう違うのか、言っても伝わらないのだろうと思う。そう考えると、絶望で手が震えてくる。悲しい。