伊射奈岐神社2座 その2
大阪府吹田市佐井寺■御祭神 伊射奈岐大神 相殿 八幡大神 素盞嗚大神 御由緒は山田の伊射奈岐神社のものとほぼ同じ。違っているのは以下の部分です。 「伊勢斎宮皇女倭姫のお教によりこの佐井が原に伊射奈岐、伊射奈美両大神をお祭りしたのが、当社の始まりとされている。(中略)伊射奈美大神を東北の地にご遷座。これを姫宮と称し、本社を奥宮と称した」 こちらの神社も小高い丘の上にありますが、土地勘のある人でなければ少々苦労する場所です。神社裏手の北側からなら何とか車でも行けますが、南側は迷路のような道で、道幅の狭い箇所や行き止まりも多くあります。 正面は、ほとんどよじ登るような感じでお年寄りとミニスカートの女性には向かない石段です。初めて参拝した時には、少し戸惑った覚えがあります。鉄筋コンクリートの社殿に慣れていなかったですし、ベージュの社殿も初めて見たからでした。今こうして見ると、なかなか風格もあって悪くありません。 ところで伊射奈岐命を祀る神社と言えば、思い浮かぶのは2社。淡路島にある伊弉諾神宮と、滋賀県にある多賀大社です。(どちらの神社も未訪問ですが・・・)イザナギが隠退する際、日本書紀では「幽宮を淡路に造って、静かにお隠れになった」とあり、古事記では「淡海(近江)の多賀神社にお祭りされている」と書かれています。それらが淡路島の伊弉諾神宮と琵琶湖の東にある多賀大社と言われています。実はこの淡路島と琵琶湖、形も似ていれば大きさも近いと言われます。琵琶湖は古くは「淡海(あふみ=近江)」と呼ばれ、同じ「淡」という字も共通です。非現実的なおもしろ話ではなく、偶然にしても興味深いです。 地質学的には、淡路島と琵琶湖は地質も出来た時代も大きく違うそうです。しかしお遊びですが、淡路島を180度ぐるりと回して琵琶湖に重ねてみたとしたら伊弉諾神宮と多賀大社が何となく重なります。 ある地点とある地点を線で結ぶと、とかある神社とある遺跡などが正三角形を形作っている、とかそういうのはあまり好みませんが、イザナギを祀る神社のこの偶然はおもしろいと思っています。 イメージしにくい方、地理が苦手な方は時計を思い浮かべてみてください。同じ長さの2本の針の先に、それぞれ淡路島と琵琶湖を付けてぐるっと針を回して淡路島と琵琶湖を重ねてみるイメージです。 もちろん伊弉諾神宮は海の中にあるわけではないので、ぴったり重なるわけではありません。ところでその2本の針の中心、軸となる場所はどの辺りか。それが吹田市の伊射奈岐神社あたりになるという説があります。 さきほど軽い気持ちで、Google Earth でザクッと試してみると私が「中心点」かなと思った地点は、ナント伊射奈岐神社2社の間でした。ま、ほんのお遊びですが。 ところで、よく似た淡路島と琵琶湖。私は淡路島がイザナギで、琵琶湖がイザナミかなぁと思います。 ~ 古事記の国生み神話より ~オノコロ島に降臨したイザナギとイザナミ。天の御柱を立てて御殿を造り、相談された。イザナギ:「おまえの身体はどうなってんのん???」イザナミ:「私の身体はよく出来てんねんけど、 一箇所だけ足れへん所があるねん」イザナギ:「俺さまの身体もよく出来てんねんけど、 余った所がひとつあるんや」イザナミ:「 」イザナギ:「でわ、俺の余った部分を おまえの足らない所に差し入れて 国を生みたいと思うが、どや?」イザナミ:「そうしましょ~」 淡路島がイザナギ・・・。琵琶湖がイザナミ・・・。さすが神様はスケールがデカイ。 .