★BOY A(2007)★
BOY A少しづつ彼を知り始めた時、訪れる衝撃の結末。上映時間 107分 製作国 イギリス 公開情報 劇場公開(シネカノン) 初公開年月 2008/11/15 ジャンル ドラマ チェック:重く暗い過去を背負う青年が、新たな人生を歩み始めるヒューマン・ストーリー。イギリスの若手作家ジョナサン・トリゲルの同名小説を、『ダブリン上等!』で高い評価を受けたジョン・クローリーが映画化。『大いなる陰謀』の新星アンドリュー・ガーフィールドが、秘密を抱えたナイーブな青年を好演している。共演は『マイ・ネーム・イズ・ジョー』のピーター・ミュラン。人間の過去と罪、さらには先入観を問う深遠なテーマを感じ取りたい。ストーリー:生まれてきてから24年、そのほとんどを社会から離されて過ごした青年ジャック(アンドリュー・ガーフィールド)。ケースワーカーの中年男性テリー(ピーター・ミュラン)の指導のもとで新しい人生を歩み始めた彼は、運送会社で働くことに。やがてジャックは職場で知り合った女性ミシェル(ケイティ・リオンズ)と親密になるが……。<チェックとストーリーはシネマトゥデイから>(c)THE WEINSTEIN COMPANY ,FILMFOUR CUBA PICTURES【感想】<>ハリウッド系のエンタメ作品が大好きな私、シネトレさんのご招待(試写会応募で当選)でなければ、観る事はなかったであろうこの作品を観に行ってきましたPC不調だったり、映画の感想溜まっていたりと鑑賞してから1週間も経ってしまいました冒頭、中年の男性(テリー)と20代くらいの青年(ジャック)の二人が対話している場面から始ります。おどおどするジャックに父親のようにやさしく接するテリー、会話の内容から、青年は過去に何かあったらしいそして、その何かには、犯罪の臭いが・・・と感じられるシーンです。そして、物語は、名前をエリックからジャックに変えて新しく始まる彼の現在の生活と過去の出来事が交錯して描かれて行きます。とても地味な映画で、睡魔が来るかと思ったのですが若者の過去に何があったのか、彼はいったいどんな罪を犯したのかということが気になり、現在に過去にと上手く進むミステリーを観ているような構成に、飽きることなく観る事ができます。<タイトルの「BOY A」=「少年 A」からだいたいのことは予測できるのですが>ジャックはなぜこれほどまで人目を気にするのか「僕は、ここにいてもいいの?」となぜ考えているのか・・・そんなふうな不安を抱えてのジャックの新生活でしたが、仕事にも慣れ、友人(親友)もでき、さらには、愛する人もできます。自分はこんなに幸せになっていいのか・・・と、また、自分の過去を恋人や親友に言えない(ウソをついている)ことにも悩みますそんな毎日の中、ある事故に遭遇します。そこで少女を助けることによって彼の生活が少しづつ変わって行きます。。。一方、ジャックには、父親のように接することができるテリーですが、離婚して疎遠になっていた実の息子と突然暮らすことになり、息子とはいい関係が上手く築けません。そして、そんな二人の関係からか、ジャックに嫉妬する息子が、ジャックを谷底に突き落とすようなことをしでかします・・・そして・・・・ここからは映画をご覧下さい(笑)彼は本当に罪を犯したのだろうか?ただ、巻き添えになっただけではないのだろうか?そんなことも考えながら、最後まで観て行きました。。犯した罪は、やはり消せないものだと私は思います。罪を犯した人間は、その罪を背負って生きていかなければならないものだとも思います。でも、本人が、その罪を本当に悔いて更生しようとしているなら、手助けはしないまでも(できないまでも)そっとしておいてあげるべきなのではないかとも感じました。ただ、この考えは、私は映画を観ているだけの第3者の立場であり、事件の当事者でも関係者でもないから言えるのだとも思います。自分が被害者の親だったら、私は絶対にジャックを許せない、いや許さないと思う。もし、彼の過去を知らず恋人になっていて、彼の過去を知ったら、過去のことだからと割り切って、彼を愛し続けていけるのだろうかわからない・・・・とても難しいテーマで、考えても考えても答えは出ません。。。 「僕は、ここにいてもいいの?」との彼の問いにも答えられそうもありません・・・そして、ちょっと話はそれるかもですが父親がアル中で母親は癌に犯され、親に愛されず、学校ではいじめられていたジャックと、兄に性的虐待を受けていたフィリップも加害者ではあった彼らも、ある意味被害者だったわけで、家庭環境って、親の愛情って子供にものすごい影響を与えるなあと今更ながらに感じました内容は違いますが、この映画を観ていて手紙やつぐないやリトル・チルドレンなどを思い出しました。。。。主演のアンドリュー・ガーフィールドは、その演技を絶賛されていて、最新作はテリー・ギリアム監督の『パルナッサス博士の想像力』で、故ヒース・レジャーや、ジョニー・デップ、ジュード・ロウ、コリン・ファレルらと共演しています。トム・クルーズ、メリル・ストリープ主演、ロバート・レッドフォード監督の『大いなる陰謀』が本格的な映画デビューです。(私は残念ながら未見ですσ(^◇^;))他に、後見人のテリー役を演じる名優ピーター・ミュランもジャックの恋人、白くてポッチャリしているから白鯨と呼ばれるミシェル役のケイティ・リオンズも、親友となるクリス役のショーン・エヴァンスと子役時代の二人の少年も含めて、キャストも良かったと思います万人向けの作品ではないと思いますが、観終った後重い気持ちになりますが、答えも出せませんがそれでも、いろいろなことを考えさせられて観る事ができて良かったと思う作品でした。11月、渋谷シネ・アミューズほか全国順次ロードショー<パンフレットクリックで公式サイトへ><いつもパンフレットを購入する私にとってパンフをシネトレさんから頂けてありがたかったです>やさしい子がちょっとした偶然のかさなりで不幸な人生を歩んでしまう。ぼくたちが生きるこの社会、どっからやってきてどこへゆくのかさえ知らない人たちが大騒ぎしている。この映画を見て思うこと。本当の「悪」が存在している場所、それを僕たちはちゃんと知らなくてはだめだということ本物の悪魔がどこからやってくるのか。簡単なことではないと思うけど、その場所を見つけること。1人でも多くの人がそれを知ることによってこの世界は今よりは少しは笑顔がふえてくると思います。<チラシにあった浅井健一《ミュージシャン》さんの言葉です>