最近読んだ本 退屈のすすめ 老人力
最近 歳を取るとどうなるのか気になって、高齢の方が書いた本などを集中的に集めて読んでいます。その走りとしてまどみちおさんが書いた「百歳日記」を読んで、感心したことがありました。まどみちおさんは「ぞうさん」や「ありさん」などの詩を書いた方です。その方が100歳を迎え、どんな心境でどのように過ごされているのか、関心があったからです。 それに引き継いで20冊以上購入して次々に読んでいます。古い本を探して買うのにネットで注文できるブックオフは便利で、しょっちゅう利用しています。実は今年だけで、漫画も含め130冊以上と買い過ぎているのですが・・・。 高齢になってどのように過ごすか。それに関する本かなと思って読んだ本で、良かった本と、まったく参考にならなかった本がありましたので書いてみたいと思います。 最初は赤瀬川原平氏の「老人力」という本です。読み終わった方たちの評判が良かったので購入したのですが、私的にはまったく無駄でした。老人になって物忘れや、繰り言を繰り返すなどボケや体力が衰えることを、老人力として言い直しているだけで、それに対応する話ではありませんでした。ボケてくるのを素直に認め、それを老人力と言い直せばいいという内容。開き直りでしょう。それはそれでいいのかもしれませんが。 面白いなと思ったのは五木寛之氏が書いた「退屈のすすめ」という本でした。まだ高齢ということではありませんが、日常の忙しい1週間の中で、週末をどのように楽しんで気分を維持していくかという内容でした。 ただ寝て過ごすということでは、緊張と弛緩の差があり過ぎて、脳が対応しきれない。別の楽しみで適度に気分転換するのがいいということでした。車を愉しむというのもありましたが、中には自分の体を全裸で鏡に映して観察し、変化を思考するというのまでありました。 私が感心したのは、美術館の楽しみ方です。すべての作品を批評家のように鑑賞するというのではなく、もし自分が大金持ちで自由に買えるとしたらどの作品を買うか、または泥棒になって1点だけを盗むとしたらどれを盗むか、その美術館のオーナーが知り合いでどれでも好きな作品を1点くれると言ったらどの作品を希望するか。そういう観点で作品を見ると、見方が見方が変わるというのです。 同じようなものの見方がオペラ鑑賞やバレエ鑑賞などでも披露されていました。 世の中のものを、どのような観点で見て想像して楽しむか。空想して楽しむ。それを進めると寝ているときに夢まで自分の思い通りになるというのです。 私がこれまで生きてきた中で、自分の架空の姿を自由に空想するということはしたことがありませんでした。それが五木氏は子供のころから空想を楽しんでいたらしいです。それだから小説家になれるのですね。人にはいろいろ才能があるのですね。だから興味の対象も千差万別・・。