感動旬彩Discoverとかちブログ Discover!真っ直ぐな畦!
【感動旬彩DiscoverとかちブログNO.18】 Discover! 真っ直ぐな畦(うね) こんにちは、感動旬彩とかち楽しみ隊の「じゃがいも王子」です 十勝の農業・農村地域には、農作業を効率的に行うために大区画化された畑と、開拓史時代から農作物への風害を防ぐために配置された防風林などが創る雄大な景観が存在し、それらの景観は特に北海道らしい景観と言われています。 畑作地帯を車で走れば、誰しも一度は、下の写真のような平坦な畑と、真っ直ぐな畦(うね)をご覧になったことがあると思います。十勝の畑の「真っ直ぐな畦」は当たり前のよう見られる光景。と思われるかもしれませんが、実はこの「真っ直ぐな畦」を作るには、畦を作る農家の長年の経験と熟練の技術が必要です 今日は、朝5:00から小豆の種をまきました。専門用語で種まきを「播種(はしゅ)」といいます。小豆というのは、「餡」(あんこ)になる豆のことです。 今回、種まきをするのに使用した機械は「イセキTR63v」という小回りが効くトラクター(イタリア製)と「タバタの4畦プランター(総合播種機)」を使って畦を切りました。(種をまく作業のことを「畦を切る」といいます。) このトラクターの重さは約3トン。トラクターの後ろに装着しているタバタの4畦プランターは、肥料と種を機械に投入すれば1.5トンを越え合計約5トンの重さのトラクターが畑を走っているということになります。 さて、一見、平坦に見える一枚の畑には、実は大小の傾斜が存在し、まったくの平坦というわけではありません。例えば下の畑の写真のちょうど中央あたりが小高くなっているのがわかりますか? この傾斜が「真っ直ぐな畦」を作る邪魔をしますこの小高い傾斜は長年、畑に降る雨水により畑に水道を作り畑の土に流れを作ります。種まきをする際、トラクターを運転する人の経験が浅いと、真っ直ぐに走っているハズなのに、傾斜と土の流れ、そしてトラクターと後ろに付いているプランターの重みで、重力の力で傾斜の低い方へ気付かないうちにトラクターが流され、曲がった畦ができてしまいます。 熟練の運転手(主に農家のお父さん)は、この傾斜で、どれだけトラクターが流されるのかを頭の中で考え、ちゃんと傾斜を読み切り、あらかじめ、トラクターを傾斜の高い方へ走らせ、真っ直ぐな畦を作っているのです。(傾斜のところでトラクターを走らせている時には、まるで、自動車レースのドリフト走行のように走っている感覚です。) まだ、10数回しか畦を作る経験のない、感動旬彩とかち楽しみ隊「じゃがいも王子」こと私が、畑の傾斜を運転する時の頭の中をご紹介すると…。 「遠くを見てトラクタの進行具合を確認! → おっと右から左にかけての傾斜だ! → 右にハンドルを切る! これぐらでいいのか!? → 思い描いたドリフトができているか → 傾斜を越えた!!よし!! → なぁに~前後にも傾斜がっ。やばい!ハンドル戻さねば! → おっと!またまた傾斜が襲ってきたぁ…!」…などと、種をまくトラクターの運転手の頭の中では、多くの葛藤を伴う傾斜との「戦い」が繰り広げられています。 畑作物を作る機会は年に1回しかありません。当然のことですが、農場主もこの「播種」作業は年に1度しかすることのできない作業です。多くの経験と、熟練の技を持つ農家のお父さんですら、自分が経営主となってから現役を引退するまでには、きっと、40回程度しか畦を切ることができない。そう考えれば、1年に1回のこの畦を作る播種作業にはこだわり、今年の畦を大切にしたいと考える、感動旬彩とかち楽しみ隊「じゃがいも王子」でした この日の小豆の種まきの成果をご覧下さい。傾斜との戦いをまずまずに制し、まずまずに真っ直ぐの畦を作ることができました感動です 今度は是非、十勝の農村の畑をご覧になられる機会がありましたら、真っ直ぐな畦か?傾斜との戦いを制した畦なのか?などと、少し視点を変えて畑を見てみると、ちょっと楽しめるのではないででしょうか? 一つとして同じ畦など無く、農場主のこだわり、と性格が畦に出ているはずですから。(笑)