絶景!矢越海岸アドベンチャーズ
渡島総合振興局 地域政策課@アッキーです。 道南は知内町の最南端にある小谷石地区。人口約150人が暮らし高齢者がその半数を超える、いわゆる「限界集落」です。そんな小さな集落にまちおこしの新しい風が吹き始めています。今回ご紹介するのは、今年の春に開業した「矢越海岸アドベンチャーズ」。小谷石の先にある矢越岬周辺の美しい景観を海上から観賞する観光遊覧船事業です。集合場所は小谷石漁港です。ここから出発します。11人乗りの小型船「義経」。この新造船で全行程90分のクルージングに出発します。操船するのは、町内でお菓子屋さんを営む村田さん。本州からのUターン組だそうで、子どもの頃に見た矢越海岸の美しさに惹かれ、遊覧船を始められたそうです。矢越岬です。「矢越」の由来は義経伝説から来ているとか。矢越岬の裏側です。上には矢越八幡宮があり、年に1回、お祭りのときに船で乗り付けて参拝するそうです。矢越灯台の姿も垣間見えました。自然の造形である断崖絶壁や奇岩の偉容を目の当たりにし、その迫力にただただ圧倒されるばかりでした。また、断崖の合間にはいくつかの入江もありました。間近に迫って観賞できるのは、小型船ならではのことでしょう。ここは「船隠し」と呼ばれる場所で、奥は福島町千軒に通じているとのこと。かつて砂金掘りの隠れキリシタンたちがここから上陸したとの言い伝えがあるそうです。確かにここの両側は船が隠せそうな地形になっていました。ここは「タタラ沢」と呼ばれており、かつて小谷石地区の住民が船で薪を取りに来たところで、往時は笹小屋が何軒か建っていたそうです。船で入れそうな洞窟がありました。波の浸食によってつくられたもので、「海食洞」と言うそうです。村田さんは、今後ここも遊覧船のルートに加えたいと話していました。中に入るとカプリ島の青の洞窟を想わせるほど素晴らしいそうです。矢越海岸は景観の素晴らしさばかりでなく、いろいろな動物たちも生息する自然の宝庫です。ミサゴやアオサギ、ウミウといった鳥たちの営巣地にもなっていて、海上ではイルカの群れに遭遇することもあるそうです。また、船上で村田さんが春先に撮影した海岸を疾走する子グマの写真も見せていただきました。頂上にシタンの木が生えている「シタン島」。岩肌が他の断崖や岩礁と明らかに異なります。アオサギの営巣地だそうで、海上にアオサギが生息するのは国内でも珍しいそうです。海上から見た小谷石地区村田さんは、矢越海岸の魅力ばかりでなく、小谷石集落のことについても丁寧に説明してくれました。昭和48年9月の集中豪雨による被災をきっかけとして、人口減少に拍車がかかったそうで、かつてはこの集落には約1,700人もの住民がいたそうです。迫力ある矢越海岸の断崖絶壁や奇岩怪石、所々に点在する入江や洞窟、滝などの美しい景観を間近で観賞することができ、見応え十分の90分でした。料金は、大人3,000円、子ども1,500円。出航日と出航時間は事前に予約が必要です。10月いっぱいまで運航しているそうですので、ぜひ皆さんも心地よい津軽海峡の海風に吹かれながら矢越海岸の魅力を体感してみてはいかがでしょうか?また、小谷石漁港の目と鼻の先に民宿が数軒あったので、次回は民宿に前泊して海の幸を味わうとともに、矢越山荘(旧矢越小学校)前に登山口があるので、知内丸山にも登ってみたいと思いました。山小屋として活用されている旧矢越小学校(矢越山荘)