『乳豚ロック』の著者森田一哉さんのロンドン漂流記
黒ビールほろりと魚眼漂流記 たのしみにしていた森田さんのお話を聴く機会を得て良き友人がまた一人増えたことをよろこんだ。生き様そのものがきのこ。こういう人はなかなかいそうで居ないものであるが、前回の「不思議なお茶の会」でお会いしたときから久々の真菌類だと期待していたのだが、まさに私の勘の通りの人物であった。一度きりしかない人生をどう生きるかは別段計らいが要るわけではないが、降りかかる火の粉を払いながら小走りに生き抜くためには、人は本能に近い咄嗟の判断力で行動し、なんとかかろうじて生きながらえた暁には、その本能の部分がそれぞれの個性として備わってくるのではないかと常々考えてきた。この森田さんには、そうした本能に近い部分での生き様の共感を感じたのである。ギャラリーきのこにふさわしいゲストであった。 昨日に引き続きギャラリーではロシアブックフェアーが開催され、7年目にしてようやくギャラリー本来の役割が無理なく自然に備わってきた感がありうれしいかぎりだ。これもひとえに多くの会員たちのそれこそ無私の努力のたまものにほかならない。 今回のブックフェア-では、株式会社日ソ図書さんのロシアの活字文化の継承に心血をそそぐプロがセレクトしたロシア語書籍に加えて、群像社さんのすばらしい訳書の数々も加わり、グローバル化したとはいえロシアンテイストはしっかりと織り込まれたロシアンポップス,ロシア詩文学の新改訂版の朗読CD、ロシア名画のDVDなども満載し京阪神のロシア趣味人たちのオアシスがひょっこりと出現、関西にこんなにロシア文化愛好家がいたのかと思うほどの活況を呈していた。 特に今回のフェアでは我孫子のロシアンバー・ポチョムキンさんのご好意で、わがギャラリーのホープKさんがサーシャちゃんと一緒によく冷えたバルチカ・ビール3種を提供するとあってそれも楽しみにしてきた会員たちも多かったようである。 夏色一色にそまったギャラリーきのこのそうした活況をよそ目に、軒下ではツバメの子らが今年も育ち、親鳥たちはひっきりなしに餌を運んでいた。 写真は大西洋の島国グレート・ブリテンのロンドンをとても斬新な目で切り取り、ほっこり感一杯に語る森田さん。