「月のしずく」2024年新春号発送
けがの功名というべきか、ちょっとした病を得たお陰で「月のしずく」2024年度新春号が例年になく早く上がって来た。待ち焦がれている人が少ないのが玉にきずだが、中には待ってくれている人も数人はいるだろうから本日発送するので確実に年内にはお手許に届く。 今号の目玉はトリエンナーレの箕面の森アートウォーク取材記事と山本優美の素晴らしい陶(?!)作品の数々。箕面の森アートウォークの松山淳といい、山本優美といい私は稀に見る現代日本の真の芸術家と思っている。 アートには百流あって百流あることこそがアートの本質であると思っているし、世人の期待に応える作品の数々を産み出してきていることは素晴らしい。が、世人の期待をはるかに超えてしまう作家は極めて少ない。かれらはそんな数少ない芸術家の一人であろう。 また今年の秋は、NEO博物学と芸術の結婚を切望する私にとって極めてうれしい事件が発生した。それが脈動芸術祭であった。赤城美奈、たねいえりえこ、片岡祥三と粘菌生物学者らのコラボという理想的な形で呱々の声を挙げた。きのこをテーマとするNEO博物学の新風の予感はうれしいかぎりだ。 それともうひとつ特別な出来事としては、伏見の"同時代の茶室 " ラ・ネージュが一般社団法人化されたこと。この秋はささやかではあるが、痛快きわまりないアートの動きが共時的に3つも動き出したことは私にとってはまさに事件であった。来春からの数年間は、これらの動きがどんな大波・小波をもたらすかに注目していきたい。その意味でも心躍る歳晩を賜ったことを嬉しく思っている。 今号では、長年<夜の顔不思議な俳句会>で考えてきた"きのこポエム"の構想もほぼ出来上がったので、作品賛の形で披露している。高悟帰俗と人をを制する寸鉄をなにがなんでも希求してやまない俳句の本質を追求する"きのこポエム"は、画賛やアート鑑賞の形が最もふさわしい気がしている。「月のしずく」49号は、そんな夢をぎゅうぎゅうに詰めて本日発送。お楽しみに。