ナタリー・コールの『Unforgettable』
「ジャズらしい音楽はごまんとありますが、ジャズそのものというのは本当に少ない」と、リッキー・リー・ジョーンズの『Pop pop』を取り上げたときに語りましたが、このブラ・コン畑のナタリーさんがレコード会社移籍のデビュー・アルバムに父へのオマージュとしてリリースした『アンフォーゲッタブル』は、All about my fatherと言った感があり、また、誰の心にもスッと入り込むことができる庶民性を堅持していますので、僕のジャズ愛聴盤の1枚となっています。 女性ヴォーカルで僕が高校時代に聴き込んだものにクリス・コナーがいますが、僕のシニア。ハイスクール時代は、アヴァンギャルド・ジャズ全盛期でしたので、彼女のガーシュイン・ソング・ブックなどは悪酔いしたときの水道水のようなさわやかさがたまらなかったのです。 また、英語の歌詞が何とも粋で、ON YOU とWITH YOUとかの前置詞On,In,Withなどのニュアンスの違いなどは、ジャズのリフで暗記しましたので、文法の時間などとても重宝したものです。 10年ほど前には、ダイアナ・クラールをたまたま見つけてぞっこんになり聴き込んだものですが、彼女の声もさることながら、弾き語りのピアノのあいの入れ方は絶妙で、そのジャズのツボをピタリ押さえた演奏には、舌を巻き、よだれを垂らしそうになったものです。 ジャズ・ボーカルについては、もっともっと語るべきこともあるのですが、この間比叡山の帰りに出町柳でふらりと立ち寄ったジャズ喫茶 LUSH LIFEのことを同行の美女たちからたずねられて、ジョニー・ハートマンの曲をすぐに思い出したのですが、たしかナタリーちゃんも・・・と、思ってひっぱりだしてきたらやっぱりありました。それがこの『Unforgettable』だったのです。 同行した美女たちには、このCDをなんとかコピーして、年賀にかえて贈りたいなと考えています。今週は滅茶忙しいのでブログはやめにしようと思っていましたが、思ったが吉日とりあえず。では、おしまい。