ダイドードリンコの「うまみ」その2
店頭販売の缶の色は、昨日のものよりこの写真の方が現物に近いものです。 昨日のコーヒー飲料の記事に早速反応があり、きのこと発酵文化リサーチスタッフより以下の新情報が届けられました。 コーヒーの皮殻を煎じて飲む文化はイエメン、エチオピアに古くからあるらしく、当地ではギジル(Qishr)、またの名をイエメン・コーヒーと呼ばれているそうだ。現在ではギジルコーヒーを飲む人たちはイエメン、エチオピアの一部、それも主としてイスラム教地区のみだそうだ。 僕たちがごく普通に飲んでいる豆を挽いて飲むコーヒーは現地ではブン、またの名をトルコを意味するターキッシュ・コーヒーと言い、こちらは高値がつく輸出に供され、ギジルを飲むのは捨てるに忍びないその廃棄物利用という経済的理由によるのかもしれない。 しかし、ギジル・コーヒーは、焙煎した皮殻(ギジル)を煮沸し、ジンジャー、カルダモン、グローブ、シナモンなどの香料を加え、砂糖やハチミツをたっぷり入れて飲むかなり甘いものだとか。 したがって、ギジル本来の風味を楽しむ飲み物とはいえない。本来洗い流したり手で剥き取ったりして捨てていた余剰物。おそらく、コーヒーチェリーそのものはどうしようもない代物なのだろう。 そのギジルは、阪神間では阪急西宮北口から山手幹線道路をやや東に行った甲子園学院前の廣屋珈琲TEL0798-65-6602で提供していますとのこと。(コンスタントに入荷するものではなさそうなので、電話で確認してから行くべし) コーヒーの<義を知る>に通じるギジルだが、僕が注目したのは、ダイドーのコーヒー飲料「うまみ」はそんなギジルとブンを結婚させた妙なる飲み物のように思えたからだが、こちらもまだギジル本来の風味はミルクのまろやかさの陰に隠れてしまっている。 わがきのこと発酵文化のリサーチスタッフの口吻からは「ギジルそのものをさまざまに発酵させたうえで独特の風味を添えたものに生まれ変わらせ、ギジルそのものの味覚風味を生かしてこそエコにつながる究極のコーヒー飲料。そこまで育ててこそ発酵先進国・日本の新しいコーヒー文化なのにね」と言いたげであった。