悪性リンパ腫
母が入院してから一ヶ月が過ぎた。 私の気持ちも落ち着いてきたので、同じく悪性リンパ腫の人たち、または同じような症状の人の参考になればと、その経緯を書いてみようと思う。 母の病名は「悪性リンパ腫」タイプは、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫。 母の体調が悪くなったのは、2007年の秋ごろ。背中の痛みで、いつもお世話になっている赤十字病院に診察に行った。 診断結果は「骨粗しょう症」。 それ以来、2ヶ月に一度は定期的に整形外科に通った。服用していた薬は、骨粗しょう症の薬、ビタミン剤、痛み止め。 痛みの症状が強くなってきたのは、4月頃。腰、足の痛みが強くなってきたが、その頃も異常はないと言われた。 5月になると、足がむくむようになってくる。腰や股関節の痛みも引かない。 内科で血液、尿、胸部レントゲンの検査を受けるが異常なしとのこと。 6月になると、ますます足のむくみはひどくなる。太ももから足先まで、靴が履けなくなるほどだ。両足がまるで像の足のように腫れている。足の腫れと股関節の痛みで歩くのも困難で、引きづるような歩き方になってくる。重い荷物も背中が痛くて持てなくなる。体重も減り、微熱が続いたそうだ。食欲もない。 6月は頻繁に病院に通っている。 それでも、整形外科・内科の医師は、母の病状の後ろに潜む病気に気付くことはなかった。 この時点で、母の状態を心配した母の妹弟(私の叔父叔母)が病院を変えるよう強く助言する。6月25日、公立の総合病院に精密検査に行くことになった。 当初その公立病院も、既に他院にかかっており紹介状も持たずに来た母に「そこの病院で異常がないと言われているなら、どこで調べても同じですよ」という態度だった。それが、母の腹部が硬く膨らんでいるのを見たある医師が、消化器科で診察を受けるようにと言い、急遽診察を受けることになる。(この医師の対応にはとても感謝している。そこで気づいてもらえなければまた異常なしで終わっていたかもしれない。というのは母は腸の異常は何も感じていなかったからだ。) 消化器科でCT検査の結果、十二指腸に4.5センチほどの腫瘍があると言われ、胃の内視鏡検査をすることになる。また血液検査の結果、血小板の値が異常に低いと言われる。 数日後、7月4日胃の内視鏡検査の結果、即日入院となる。翌日、医師より母の病状について疑われる病名を知らされる。 この時点の可能性は、小腸癌、悪性リンパ腫、GIST。 詳しい診断を下すため、様々な検査が連日行われる。その期間およそ一ヶ月。CT、エコー、PET、MRI、血液検査、骨髄検査、レントゲン、心電図・・ 母の病名は「悪性リンパ腫」と診断される。十二指腸の腫瘍は悪性リンパ腫によるものだった。骨にも転移が見られ、特に骨盤の部分はひどい状態だと言われる。 この病気は症状が出にくいため、早期発見は難しいそうだ。また病気の進行度が早いと言われる。週単位、月単位の進行。 小腸にも腫瘍の疑いがあるので、7月22日大学病院で検査入院をする。 大学病院で小腸の内視鏡検査。腸の状態が悪いため30センチほどしか見られない。(当初は2メートルほど見る予定だった) 23日大学病院退院後、その日のうちに別の公立病院に転院。(現在の病院では、血液の専門科がないため) 7月23日より、今の公立病院へ。 治療のため完全絶食になるので、25日、中心静脈を通す処置が行われるが、呼吸困難になり処置は中止。 28日再度、中心静脈の処置が行われる。今度はそけい部にて成功。 29日より完全絶食となる。(飲食の一切禁止)化学療法を行うので、腸の絶対安静が必要となる。 30日より抗がん剤投与が始まる。腸の穿孔を防ぐため、弱い抗がん剤での治療開始。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー母の入院までに至る自覚症状は主なものは、背中腰の痛み、両足のむくみ。他は体重減少(2キロほど)、微熱(時には38度台)、食欲不振。実際の腫瘍箇所は、十二指腸と骨。十二指腸に関しては、腹部の膨れ以外は自覚症状はなし。 それまで母は30年ほど、寝込むような病気はしたことがありませんでした。健康にも注意し、どこか具合が悪くなるとすぐ病院に行くような母でした。一年前には人間ドックも受けており、異常なしでした。食べ物にも気を使い、高価なサプリメントを毎日欠かさず飲んでいました。 骨粗しょう症だから、背中の痛み、腰の痛みは当たり前。むくみはよくある症状だから、既に病院に通っているから安心。そんな思い込みが、母の病気の発見の遅れになったと思っています。