2月27日(土) 捨てられない財布
薄いグレー地で、茶のまだら模様があるニナリッチの財布。母の形見。 今も持っている理由は二つ。まだ使えるから母との思い出が詰まってるから 最近、この財布を使おうと、中に小銭を入れておいた。しばらくして小銭を出すと、ベタベタとべとついでいる。使わなくなって、12年、どうやらレザー部分が劣化してべとついてるようだ。ところどころ、地も剥げている。使ってなくても劣化するんだ・・・・ この財布を持っている理由の一つが消えた。あとは、思い出・・ 使えないんだから、もう捨てよう財布をティッシュに包み、その上から新聞紙をくるみゴミ箱に入れる。 終活で、モノは減らそうと思ってる。一つ、一つ、執着を手放し、身軽になっていきたい(生きたい、逝きたい)。母の思い出が詰まったものは、わたしが生きてる間は残しておきたいそんな気持ちもあるけれど、わたしには子供がいないから、それを託せる人がいない、自分でケリをつけないと。 母のモノで捨てられないものは、他にもある。理由は、そのものである他は、思い出だ。使えなくても、思い出が詰まっていると捨てられない。 逝くとき持っていける形あるモノは、なにもなく、持っていけるのは、形のない思い出だけなのに、 生きているわたしは、まだ形あるモノを捨てられない。いつかは、捨てて、身軽になりたいと思いつつ、まだできない。 翌日、ゴミ箱から財布を取り出し、新聞紙を剥がし、ティッシュを取り、財布を見つめる。もう使えないのに・・ 母の形見が入った箱にそれを入れる。にほんブログ村