「永遠の仔」天童荒太を読みました。
ようやく、読みました。内容の重さから、手が出さなかったのですが、ようやく、手にとって、気合で読みました。「霧の霊峰で一人の少女・久坂優希と二人の少年が起こした聖なる事件。その秘密を抱えたまま別れた三人が、17年後再会した。そして過去を探ろうとする弟の動きと殺人事件の捜査によって優希の平穏な日々は終わりを告げた-。」過去(1979年~80年)と現在(1997年~99年)を交代で進みながら、その時を次第に迎えていく。ただ、この物語は、ミステリー仕立てであり、殺人事件もおこっているが、それが決してメインではないので、むしろ余計なもののように感じられる。主人公たちは、多くのことをが失なうが、それは、救いへの道でもある。絶望的な物語ではない。読み終わっても、余韻は冷めない傑作であろう。