DM小説について:まとめ
本編四項目、補講三項目を含めた合計七項目を書き終わりました。今回は全て、厳しく書いたと思いますし、その全てが自分にも帰ってくる事を承知で書きました。現時点でDM小説を書く上の参考資料としては、決定版になっていると自信を持って言えますし、今後、誰かがDM小説に関するコラムを書いたとしても、そのコラムに引けを取らないものになっているでしょう。このシリーズで取り扱った全てのコラムは、DM小説を書く事に興味を持っている全ての方々に向けて書いたものであり、「人気が出ないのでやめます」と言って終わらせてしまった書き手であったりいつの間にかいなくなってしまった書き手への「こうすれば、おもしろくなりそうじゃない?」というメッセージでもあります。DM小説の歴史は浅いです。消えるか、残るかは書き手のこれからの活躍にかかっているでしょう。同時に、歴史が浅いという事はまだ開拓されていないアイディアが大量に残っているという事です。手付かずの発掘されていないおもしろさが転がっているのです。これはまさに、宝の山ではありませんか。DM小説の未来はとてつもなく自由です。全く予想ができない。だから、この自由を書き手自体が制限するような事はあってはならないのです。思考を広げれば、きっとさらなるおもしろさが見えてくるはずなのです。DM小説を書く事に最低限のルールがあるとすれば、『デュエル・マスターズを主題の一つとして取り扱う事』と『おもしろい事』の二点です。この制限の中ならば何をしてもいいというのは、もう制限がないと言っているのと同じです。推理小説を書くよりも制限がない素晴らしい世界です。今回の件について、読み応えがあるコラムを書いて下さったgarakuhaさん、真紅銀さん、本当にありがとうございました。お二方のコラムがなければ、後半三つの補講は完成しなかったでしょうし、書く事もなかったかもしれません。これからのDM小説や旧小説板に期待する事があるとすれば、ものすごくレベルが高い書き手の出現かもしれません。どれくらいのレベルかと言うと、私が書くものよりも数段上のクオリティの作品を、私より間違いなく早く、しかも定期的に書いてくれるような書き手です。それくらいすごい方が現れたら、もう書かなくてもいいかな、とか思うかもしれませんが、逆に負けたくないと感じてこちらもクオリティを上げる努力をするでしょう。『小説の書き方』みたいな事を真剣に考えて理論化したり、システム化したりするような人間はクリエイターとして格好悪いなと個人的に感じていますし、このコラムを書くのは書き手としてあまりいい事ではないとも思っています。しかし、誰かが提示しなければならない問題でもあったかもしれません。DM小説家はいても、DM小説編集者やDM小説批評家はいないのですから。DM小説家が書くしかありません。最後の最後に重要な事を。DM小説を書くという事は、暗黙知のような部分があります。どれだけ理論化して説明しても伝わらない部分が多いのです。今回のコラムは決定版ですが、それでも私の言いたい事が5パーセント伝わればいい方だと思っています。コラムの内容を本当の意味で知っていただくためには、考えるよりも先にDM小説を書いてもらうのが一番手っ取り早いでしょう。理論なんて、人の通った足跡です。どんどんDM小説を書いて、足跡を増やしていきましょう。きっとあなただけのDM小説理論が生まれてくるでしょうから。