『東京』ついに最終話!
『TOKYO決闘記』私、一ノ瀬博成(いちのせひろなり)は東京連続失踪事件の頃から保持者の戦いを見て記録している高校生だ。宇宙ステーションでの最終決戦。全ての戦いの首謀者だった四万石一衛門(よんまんごくいちえもん)が繰り出すデーモン・コマンドデッキの猛攻に苦戦をする赤城勇騎(あかぎゆうき)だったが、富士山で入手したものの、誰もが使いこなせなかった伝説のドラゴン『エイプリルフール・将軍・ドラゴン』を使いこなし、逆転する。今、勇騎の最後の戦いが始まる。20XX年 4月1日 一ノ瀬博成第四百一話 大嘘「バルガゲイザーの効果でエイプリルフール・将軍・ドラゴンを召喚だ!」「な、なんだとー!?」勇騎が場に出したドラゴンの存在に驚いたのは、ウエディングドレスにちょんまげという奇抜な格好の男、四万石一衛門。多くのデュエリスト、いや、多くの地球人を苦しめてきた世界の敵だ。「エイプリルフール・将軍・ドラゴンは、場にいる全てのドラゴンにボルメテウス・ホワイト・ドラゴンのようなシールド焼却能力を与えるクリーチャー。41という絶対に出せないはずのコストが設定されているが故に誰にも使いこなせないカードだと思われていたけれど、こんな使い方を思いつくとはね」エイプリルフール・将軍・ドラゴンの能力を解説したのは金城豪人。ライバルである三ッ沢二古に肩を借りながらこの戦いを見ている。彼も多くの戦いを負え、ダメージを受けているのだ。「ククク、ケーケッケッケ!さすがゼロ号オォォッ!俺のライバルだァッ!!」「ナイスよ、勇騎ちゃん!」「これで勝てる…!」墨川一夜、青海ゆかり、ヴェルデもこの戦いを見守っている。「ふふっ、僕と戦った時とは比べ物にならないほど強くなっているじゃないか。楽しみだなぁ!この保持者はどこまで強くなるんだろう?」横に巫女服の少女、七夕初七日を連れてかつての敵だった九重九十九が呟く。彼も、地球のピンチを救うため、保持者に力を貸したのだ。「バルガゲイザーでシールドをブレイク!エイプリルフール・将軍・ドラゴンの効果でシールドを消し去る!」「ぐおおっ!」「まだだ!紅神龍メルガルスでシールドブレイク!そして、焼却!!」勇騎が並べたドラゴンの猛攻で、一衛門のシールドは全て消え去った。「これで、終わりだ!ブレイズ・クローでとどめ!」「なん…だと?ぐはぁっ!!」ブレイズ・クローによって一衛門のちょんまげが真っ二つに切り裂かれる。あのちょんまげの中に地球の人々の魂が閉じ込められていたのだ。「終わったな…」勇騎が『プロミネンス』をしまい、青い地球を見る。「帰ろう、勇騎君!僕達の地球へ!」「そうだな」勇騎が微笑みながら博成に返す。だが、その瞬間不敵な笑い声が辺りに響いた。「くっくっく、この四万石一衛門を倒して全てが終わったと思うなよ。私が生み出されたデュエル界では私よりも強いデュエリストが存在するのだ」「デュエル界だって!?」「金城…知っているのか」「ああ、デュエル界とは、僕達の住む世界とは異なる異世界。全てがデュエルで決まる世界だと言われている」「今、デュエル界を支配しているのは、赤城四十一乃輔(よんじゅういちのすけ)様だ」「何…!」その名を聞いた勇騎の顔が強張る。そして、一衛門の遺体を睨んだ。「俺の親父が…!」「その通りだ、赤城勇騎。お前の名を見た時は驚いたよ。四十一乃輔様の息子ならば俺を倒せてもおかしくはない。だが、デュエル界では……お前のような奴は…生き残れ…な……かゆうま」「勇騎君…」博成が不安そうな顔で勇騎を見た。だが、勇騎は微笑みながら博成に言う。「心配するな、一ノ瀬。全ての戦いを終わらせて俺達は平和な地球に帰ろう。俺はデュエル界に行って決着をつける」「僕も行こう」勇騎の言葉に賛同したのは豪人だった。「僕と美和の愛を邪魔する奴は誰であろうと許さない。そして、この戦いが終わったら、僕は美和と結婚するんだ」「金城…」「ゼロ号!デュエル界には俺も行くぞぉぉぉっ!!」「もちろん、アタシも着いていくわよ」「俺も行く」一夜、ゆかり、ヴェルデも戦う準備ができていた。「ふっ、保持者だけに地球の未来は任せられないね。僕も行こう」「九十九様…!アタシも…」「初七日は地球に返るんだ。これからの戦いは危険すぎるよ」「いえ、一生、九十九様についていきます」「初七日…」「お前達は赤城四十一乃輔を倒すのに伝説のカードが必要だと思っているようだが…別になくても倒せる」「な、なんだってー!!」さりげなく、三ツ沢が重要な事を言った。四十一乃輔を倒すのに伝説のカードは必要ないというのだ。「そして、この戦いについて来られない奴は邪魔だからさっき地球に送っておいた。後は、四十一乃輔を倒すだけだな。クックック…」「上等だ。俺も言っておく事がある」手際のいい三ツ沢を見て勇騎が口を開く。「第四部日本統一編とか第五部世界編とかやりすぎだと思ったが、別にそんな事はなかったぜ」「そうか」ここにいる全てのデュエリストの答えは決まった。デュエル界に行くしかない。「行くぞ、俺達の戦いは始まったばかりだ!!」勇騎達の勇気が地球を救うと信じて…!『TOKYO決闘記』 完