花・葉・枝・根・果実すべての部分と周辺の土壌にも毒性があるキョウチクトウ。【自然観察の振返り[20]キョウチクトウ科の植物・第4回】
☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年10カ月、連載は連続2,500回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[20]】はキョウチクトウ科の植物です。第4回は、キョウチクトウです。(2016年6月28日撮影)。☆キョウチクトウは、インド原産のキョウチクトウ科キョウチクトウ属の常緑小高木で、観賞用として庭などに植えられています。明代に中国に入り、日本には江戸時代中期に伝来したといわれています。花・葉・枝・根・果実すべての部分と周辺の土壌にも毒性があり、生木を燃した煙も毒性があるということなので、要注意です。(2014年6月23日撮影)。☆キョウチクトウの葉は、厚い革質で細長い長楕円形です。キョウチクトウの葉は3枚が輪生するそうですが、3枚が輪生するものと2枚が対生するものがあるようです。調べてみると、キョウチクトウの葉は普通3枚が輪生しますが、4枚が輪生するものや2枚が対生するものがあるそうです。(2016年6月28日撮影)。☆このキョウチクトウの木では、一番上と2段目は3輪生、3段目と4段目は2枚が対生しています。キョウチクトウは、乾燥や大気汚染に強いので、高速道路や一般道路など街路樹に利用されています。これは、葉の裏側にあるくぼみの開口部が狭く内部に毛が密生しており、自動車の排気ガス中の有害物質を取り除くフィルターの役割をしているからだそうです。気孔は、くぼみの奥のほうに隠れているので水分の蒸散量が抑えられるので、乾燥に対する耐性が強くなっているそうです。(2016年6月28日撮影)。☆キョウチクトウの花期は6~8月で、枝先に集散花序をつけます。(2016年6月28日撮影)。☆キョウチクトウの花の萼片は、5枚で披針形。萼片の外面には、花柄とともに短毛があるそうです。(2016年6月28日撮影)。☆キョウチクトウの花は、一重咲きのものは花冠が5つに分かれており、左巻に回転しているような形になっています。花の中央には、先が細く尖っている副花冠があります。(2016年6月28日撮影)。☆副花冠は、花冠や雄蕊の一部が変形してできたものだそうですが、ナデシコなどでも見ることができます。花の中央でふんわりとした棍棒状やねじった毛糸の束のように見えるものは、雄蕊の葯の付属体だそうです。5本の雄蕊や雌蕊はこの下にあり、見えないそうです。(2016年6月28日撮影)。☆キョウチクトウ(夾竹桃)の名は、中国名の「夾竹桃」の音読みで、葉が細長く「竹」の葉に似ており、花が「桃」の花に似ていることに由来するそうです。「夾」の字には「はさむ」や「入り混じる」の意味があり、「竹」と「桃」の特徴を持っていることを意味するようです。(2016年6月28日撮影)。☆キョウチクトウの花言葉は、「危険な愛」「注意」「危険」「「用心」「油断大敵」「心の平和」などだそうです。これは、花・葉・枝・根・果実すべての部分に毒性があることに由来するのでしょうか。花の色は、ピンク・黄色・白など、さまざまな園芸種があります。花の形は、一重咲きや八重咲きもあります。(2012年6月22日撮影)。