裏磐梯(8.20~23)での自然観察【その1】磐梯山と五色沼、そしてツキノワグマ。
☆東日本大震災の復興支援をかねて、8月20日から23日まで3泊4日で、裏磐梯に行きました。☆東京が猛暑日・真夏日・熱帯夜続きで夏バテ気味だったこと、被災地で体力勝負のボランティアは無理ですが何らかの支援をしたいこと、そこで避暑と間接的な復興支援をかねて福島県の裏磐梯(福島県耶麻郡北塩原村)を訪ねました。ここは、磐梯山の北側なので、裏磐梯(南側の麓は表磐梯)と言われます。☆磐梯山は、会津富士とも言われ日本百名山の一つです。標高1816メートルですが、これは2010年に計測・変更されたもので、それ以前に作成された出版物などでは1818.6(1819) メートルと表示されています。☆写真の右側が磐梯山、左側は櫛ヶ峰(1636メートル)です。写真撮影した地点は、標高823メートルです。☆1888年(明治21年)7月に、水蒸気爆発による噴火で小磐梯が崩壊し、現在の山の形になりました。この写真の中央部分が、磐梯山ゴールドラインから見た磐梯山爆裂火口の絶壁です。☆噴火による土石流によって川がせき止められ、桧原湖や五色沼などおよそ300の湖沼群が作られたそうです。今日の裏磐梯の景観の基礎は、わずか124年前の火山活動によって作られたものです。☆前回訪ねたのは2007年5月でしたので、五色沼は5年ぶりでした。裏磐梯ビジターセンターの駐車場に車を止め、五色沼に向かうと、最初に青緑色に光る五色沼最大の毘沙門沼が迎えてくれます。☆毘沙門沼から望む磐梯山は裏磐梯を代表する景観の一つだそうで、撮影してみました。確かに、裏磐梯を代表する景観の一つと言われるだけのことはあります。☆自然探勝路に沿って、しばらくは毘沙門沼の青緑色が続きます。五色沼の水の色は、水中の微粒子の大きさによってさまざまな青色を見せてくれるそうです。☆赤沼です。周囲の草木に酸化鉄の沈殿物が付いて、赤い鉄錆色になっているので赤沼と言われるそうですが、中央部は青緑色です。☆赤沼から弁天沼に向かう途中の自然探勝路です。周りの木々が日差しを遮ってくれています。福島県の最高気温は36度でしたが、林の中では、それほど暑くありませんでした。☆五色沼で2番目に大きい弁天沼です。☆赤沼からは、沼が自然探勝路の右側に見え続けたため、自然探勝路の左側に見える瑠璃沼、見る場所によって水の色が変わるという五色沼の中で最も神秘的と言われる瑠璃沼を見逃して通り過ぎてしまいました。☆青沼です。小さい沼ですが、五色沼の中で最も青白色に光っているそうです。実際、肉眼で見ても、美しい色でしたが、写真でその美しさが伝わるでしょうか。☆柳沼です。紅葉の季節には、カエデやウルシで美しく染まるそうです。今の季節でも、青空、木々の緑、それを映し出す沼が、とても美しく感動的でした。☆五色沼の素晴らしい景観、多様な山野草、写真撮影をしながら1時間半ほどの自然観察でした。五色沼の歴史を調べてみると、この素晴らしい景観が自然現象だけで出来上がったのではなく、先人たちの大きな努力があったことを知り、驚きました。☆磐梯高原緑化の父と呼ばれる遠藤現夢が、今から100年ほど前に、噴火による岩や土石で荒れ地のままだった土地に私財を投じて植林したことがきっかけで、この豊かな緑がつくられてきたそうです。☆なお、最近、ツキノワグマがあちこちで目撃されており、「熊注意」の看板がたくさんありました。☆自然探勝路でクマよけの鈴を持った人がいたので、声をかけてみました。すると、その日の朝、別の林でクマに出会い、その鈴を鳴らしたら立ち去ったとのことでした。☆山野草を探しに林の中に行きたかったのですが、人けのないところへは行けませんでした。それでも、初めての山野草を含め豊かな植生に出合うことができました。整理でき次第、順次紹介していきます。