ハイイロチョッキリの仕業(しわざ)と子孫を残す知恵。【秋の静岡県富士宮市での自然観察・その21】
☆9月25日から28日まで、静岡県富士宮市へ行きました。田貫湖周辺などで自然観察をしました。静岡県富士宮市での自然観察を紹介しています。ハイイロチョッキリの仕業(しわざ)と子孫を残す知恵です。(2017年9月26日撮影)。☆田貫湖周辺を歩いていると、台風などの強風が吹いた後でもないのに、コナラの木の下に枝がたくさん落ちています。しかも、不思議に思ったのは、今日落ちたばかりのように葉がしおれていないこと、そして、どの小枝にも実がついていることでした。昨年調べて、ゾウムシの仲間の昆虫ハイイロチョッキリの仕業であることを知りました。☆インターネットで、とてもわかりやすい記事を見つけました。ハイイロチョッキリの仕業、ご覧ください。◎どんぐりとハイイロチョッキリ(NHK for School)。http://www2.nhk.or.jp/school/movie/clip.cgi?das_id=D0005401434_00000「夏の雑木林、突然ドングリが枝ごと落ちてきました。実はこれ、ある生きもののしわざです。ドングリの実に並んでいるのはゾウムシの仲間、ハイイロチョッキリ。枝をちょっきり切り落とすことからこの名前がつきました。ハイイロチョッキリは、長い口の先に丈夫なあごを持ち、このあごでドングリに穴を開けて、そこに卵を産みつけます。産卵が終わると、今度は枝を切り落としにかかります。ドングリに穴を開けてから枝を切り落とすまで、3時間以上もかかる大仕事です。」☆とにかく鋭い切り口です。☆よく見ると、コナラのドングリの殻斗の縁付近に、卵を産み付けたと思われる小さな黒い傷が見えます。ハイイロチョッキリは、クヌギやコナラの実に卵を産み付けて、その後に実を枝ごと切り落とすのです。☆植物は、虫に食べられたり傷つけられたりすると生体防衛反応として、卵や幼虫の成長を阻害する物質を分泌するそうです。そこで、ハイイロチョッキリは、卵を産み付けた実を枝ごと切り落として、クヌギやコナラが卵や幼虫の成長を阻害する物質を分泌しないようにしているそうです。☆ハイイロチョッキリは、卵を産み付ける時に、殻斗の縁付近の薄い部分に穿孔しているのが特徴だそうです。☆この穴の奥に、ハイイロチョッキリの卵が入っているようです。幼虫はドングリを使用の中心から食べて成長します。☆ハイイロチョッキリの成虫は、ドングリが緑色の時期の8月20日ごろから10月下旬ごろまで、ドングリの実の成長にあわせて生きているそうです。クヌギやコナラの実が柔らかく、穿孔して卵を産み付けやすいからでしょう。ハイイロチョッキリの成虫は、10月には全部死んでしまい、幼虫が冬越しするそうです。☆昆虫が進化の過程で身につけた知恵、素晴らしいですね。