098 信託の活用法(3):特許権の信託のシンタクス
こんちくは。休眠特許に信託を用いることができないかという提案について、その補強(その3)です。「知的財産ファイナンス 特許・著作権等を活用した資金調達手法 著者:小林 卓泰」には、「大企業は知的財産権を基にした信託による資金調達は行いにくいだろう」という意見があります。理由は、主に3つ。(1)潤沢なキャッシュ・フローを生んでいる知的財産権を手放さないはずである。(2)利用価値の高い知的財産権は、クロスライセンス等の関係で、法的・実務的に信託譲渡が困難である。(3)知的財産権からのキャッシュ・フローで潤っていることは、事業自体が順調であるのであるから、わざわざ信託譲渡までは必要ないだろう。確かに、その通りだと思います。ただし、これは企業の事業に密接に関連している特許についてのことです。大企業の中には、事業に密接に関連している特許以外に、いわゆる休眠特許というものが多いです。自社では使うことはない特許であって、他社は使うかもしれない、あるいは侵害を発見しているのであるが、どのように権利行使するか思案しているものなどがあります。これらは、キャッシュ・フローを生んでいませんし、クロスライセンスの対象にもなっていません。一方、権利行使はなかなかできないのではあるが、キャッシュ・フローを生んでくれるかもしれないという可能性があるということで、権利放棄は勿体ないと考えられている特許です。これらは信託の対象になるのではないかと考えています。キーワード 特許の信託、特許信託感想・質問・意見交換は下のコメント欄か私書箱をどうぞ。「今宵はここまでにいたしとうござりまする」(流行語大賞 1988年 流行語部門・金賞)。【運気アップ クリック2つ】 人気blogランキング ブログポポタル 【感謝】信託のシンタクス 本ページの先頭に戻る