特許の思想体系

[02 知財活動　どのレベルですか？] カテゴリの記事

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• 1B9　知財活動　どのレベルですか？

  こんちくは。このブログを始めて、ほぼ１年たちます。総集編です。■ ■ ■　■　■　 ■　 ■　　■　　■　 ■　 ■　■　■ ■ ■知財活動　どのレベルですか？■ ■ ■　■　■　 ■　 ■　　■　　■　 ■　 ■　■　■ ■ ■１特許の重要性がわからない。経営層が理解していない。　　知らないではすまされません。　↓　啓発活動が必要です。２発明することは難しい。そもそも発明がない。　　もったいない。隠れていますよ。　↓　気付きが必要です。３発明はあるが、特許出願のスキルがない。　　原油を掘り当てたらパイプラインが必要です。　↓　フォーム（型）と特許事務所（パートナー）の活用が必要です。４特許出願はしたが、特許を取得することが難しい。　　差異化を図りながら、共感させることです。　↓　身につけるべき習慣とコツ・視点があります。５特許はあるが、価格に変化する特許がない。　　これからはあなた次第です。　↓　特許戦略の見直しが必要です。キーワード　知財活動感想・質問・意見交換は下のコメント欄、いいことをそっと耳打ちしたい方は私書箱をどうぞ。【人生は勝負】　人気blogランキング　【ようござんすね　ようござんすね】特許を楽しみたい方には、「知られざる特殊特許の世界」

  2005.12.29

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• 163 一太郎訴訟の争点２（その１）

  争点２　特許法１０１条２号及び４号所定の間接侵害の成否そもそもの問題の所在●松下の特許発明は、「情報処理装置」、「情報処理方法」です。　したがって、一太郎又は花子がインストールされているパソコンを販売、一太郎を使用している場合が侵害になり得ます。　しかしながら、ジャストシステムの販売しているのは、一太郎、花子というソフトウェアです。　ということで、ジャストシステムは、一太郎を販売しても松下の特許を「直接」侵害することにはなりません。　なんで、松下がソフトウェアも直接侵害として押さえられるプログラム特許を取らなかったかというと、プログラム等が保護対象となり得ることが明示的に規定された特許法の改正の施行は、平成１４年９月１日であり、審査基準等により、記録媒体が認められたのは、平成９年４月１日からの出願であり、プログラムが認められたのは、平成１３年１月１０日からの出願です。松下特許は、平成元年１０月３１日出願です。これらの改正よりも前ですので、プログラム特許を取らなかったかというよりも、取れなかったのです。●そこで、間接侵害が問題となります。間接侵害の規定は以下の通り。-----　　　-----　　　-----特許法第１０１条（侵害とみなす行為）次に掲げる行為は、当該特許権又は専用実施権を侵害するものとみなす。　一　特許が物の発明についてされている場合において、業として、その物の生産にのみ用いる物の生産、譲渡等若しくは輸入又は譲渡等の申出をする行為　二　特許が物の発明についてされている場合において、その物の生産に用いる物(日本国内において広く一般に流通しているものを除く。)であつてその発明による課題の解決に不可欠なものにつき、その発明が特許発明であること及びその物がその発明の実施に用いられることを知りながら、業として、その生産、譲渡等若しくは輸入又は譲渡等の申出をする行為　三　特許が方法の発明についてされている場合において、業として、その方法の使用にのみ用いる物の生産、譲渡等若しくは輸入又は譲渡等の申出をする行為　四　特許が方法の発明についてされている場合において、その方法の使用に用いる物(日本国内において広く一般に流通しているものを除く。)であつてその発明による課題の解決に不可欠なものにつき、その発明が特許発明であること及びその物がその発明の実施に用いられることを知りながら、業として、その生産、譲渡等若しくは輸入又は譲渡等の申出をする行為-----　　　-----　　　-----この間接侵害の規定も改正されています。特許法第１０１条１号の「のみ」の証明が非常に困難であることから、２号が追加されました。この間接侵害の改正によって、過去「装置特許」でしか特許を取れなかったソフトウェアに関する特許を活用する道が広がりました。今回の事件では、特許法第１０１条２号（４号も）に該当するという松下の主張です。●「争点１　一太郎をインストールしたパソコン及びその使用の構成要件充足性」の判断で、一太郎をインストールしたパソコンは松下特許の技術的範囲に属すると認められました。次は、間接侵害に該当するか否かの判断が争点２になります。つまり、特許法第１０１条第２号の要件を満たしているか否かの判断になります。特許法第１０１条２号の適用要件は以下の通りです。（１）特許が物の発明についてされている場合であること。　方法の発明についてされている場合は、１０１条４号に規定されている。（２）「対象物（客観的要件）その１」：その物の生産に用いる物であること。　「用いる物」にはプログラム等が含まれる。（３）「適用除外」：日本国内において広く一般に流通しているものを除く。　ねじ、釘、トランジスタ等、世の中に広く普及している一般的な製品をいう。取引の安定性を確保する観点から、一律に間接侵害の対象から外すこととする。（４）「対象物（客観的要件）その２」：その発明による課題の解決に不可欠なものであること。　それを用いることで初めて「発明の解決しようとする課題」が解決されるような、発明のポイントに関連する重要な部品・材料等をいう。間接侵害の成立する対象部品を、こうしたものに限定する趣旨である。（５）「主観的要件」：その発明が特許発明であること及びその物がその発明の実施に用いられることを知りながらであること。　２つのこと「その発明が特許発明であること」、「その物がその発明の実施に用いられること」を認識していることである（いわゆる悪意）。権利者から警告状を受け取った後は、一般的には悪意と考えられる。（６）「行為態様」：業として、その生産、譲渡等若しくは輸入又は譲渡等の申出をする行為であること。　これらの要件についての争いになります。

  2005.10.04

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• 161 一太郎訴訟の争点

  こんちくは。争点は次の４つ。控訴人はジャストシステム。被控訴人は松下電器産業。(1)　控訴人製品をインストールしたパソコン及びその使用の構成要件充足性（争点１）(2)　特許法１０１条２号及び４号所定の間接侵害の成否（争点２）(3)　本件特許は特許無効審判により無効にされるべきものと認められ，本件特許権の行使は許されないか（争点３）(4)　控訴人の当審における追加的な主張・立証が時機に後れた攻撃防御方法として却下されるべきか（争点４）それぞれのジャストシステム、松下の主張と裁判所の判断を次回以降で。キーワード　一太郎、侵害感想・質問・意見交換は下のコメント欄、いいことをそっと耳打ちしたい方は私書箱をどうぞ。【ご利用は計画的に】　人気blogランキング　ブログポポタル

  2005.10.02

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• 15F 一太郎訴訟の知財高裁の判断

  一太郎訴訟、松下逆転敗訴（朝日新聞）です。「松下の特許は進歩性欠く」ということらしいです。追記判決の速報も知財高裁のＨＰに掲載されています。H17. 9.30 知財高裁 平成17(ネ)10040 特許権 民事訴訟事件

  2005.09.30

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• 15B ＩＰＣ検索ではなくて

  こんちくは。前回の記事は、「全文テキスト検索からＦＩ検索へ」についてでした。さて、特許検索を勉強した方にとっては、まずはＩＰＣ検索を行いましょう、と習ったのではないでしょうか。ＩＰＣではなくて、ＦＩ、Ｆタームなのか？と疑問を持つと思います。実は、ＦＩ（Ｆｉｌｅ　Ｉｎｄｅｘ）は、ＩＰＣを細かく展開したものです＊１。つまり、ＦＩは階層構造を持っていますが、その上位の階層はＩＰＣそのものであるということです。ですので、ＦＩ検索を行えば、ＩＰＣを検索したことになるのです。「それで、特許庁から登録調査機関への要求である「検索作業手順」には、ＩＰＣ検索が含まれていないんだぁ」ＩＰＣは５年ごとに改版されています。つまり、技術の進歩に合わせて体系がかわってしまいます。現在のＩＰＣは、第７版です。第８版は、２００６年１月発効予定です。もうすぐです。公報には、最新のＩＰＣが付与されます。そして、公報には、【国際特許分類第７版】のように版の番号も記載されています。改版されても、過去の公報に新しいＩＰＣを付与し直すということは行っていません。したがって、ＩＰＣで検索するときには、この改版を意識しなければなりません。改版する度に検索キーを変えなければならないという分野もありえます。ですので、このＩＰＣを用いて検索するということは改版で何が変わったかということを確かめながら検索しなければならず、たいへんやっかいです。その点、ＦＩは、ＩＰＣが改版されたならば、過去の公報に対しても新しいＦＩを付与し直します。これで、改版を意識するというやっかいさがなくなります。ただし、これは原則であって（実務上はこの原則でこと足りる場合が多いですが）、どうしてもＩＰＣを使わなければ検索の対象にならないということもあります。＊１実は、９月２２日の記事のコメントで「端くれ」さんより既に指摘してもらっています。ありがとうございます。キーワード　審査、Ｆターム、ＦＩ、ＩＰＣ感想・質問・意見交換は下のコメント欄、いいことをそっと耳打ちしたい方は私書箱をどうぞ。【ご利用は計画的に】　人気blogランキング　ブログポポタル

  2005.09.27

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• 147 特許公報で製品の中身がわかるのか（２）

  こんちくは。「知財活動　どのレベルですか？」の「特許はあるが、価格に変化する特許がない。（レベル５　その２７）」についてです。特許戦略の参考にしてください。　　　前回　　次回（あなた）「前回は「特許公報で製品の中身がわかるのか」についてだったけれども、逆にできるだけ、製品の中身を書かないで出願したほうがいいということになるのかな？」（私）「特許取得する側だけからすれば、非常に身勝手なことですけれども、そうなりますね。でも、特許出願明細書の発明の詳細な説明の記載は、＜その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものであること＞でなければなりません。そうしなければ特許査定されません。つまり、特許の取得が難しくなるということですね。実施できる程度に記載しなければならないということが特許を取得するための条件ですからね。それと、非常に重要なことですが、マネされるような製品である場合は、自社製品の内容をそのまま特許出願した際の特許というのは非常に強いものとなります。自社の製品で実施されている発明が特許されており、その製品が他社によってそっくりマネされるということであれば、確実に特許権侵害ということになりますからね。」（あなた）「なるほど、割りと特許制度というのはよくできているね。それと、先願であって、マネされるような製品であれば、自社製品の内容をそのまま記載した出願であっても痛くはないということだね。」（私）「次回へ。」キーワード　特許権、権利行使感想・質問・意見交換は下のコメント欄、いいことをそっと耳打ちしたい方は私書箱をどうぞ。【知らなければ、一瞬で負ける】　人気blogランキング　ブログポポタル知財活動　どのレベルですか？　　　本ページの先頭に戻る

  2005.09.09

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• 146 特許公報で製品の中身がわかるのか

  こんちくは。「知財活動　どのレベルですか？」の「特許はあるが、価格に変化する特許がない。（レベル５　その２６）」についてです。特許戦略の参考にしてください。　　　前回　　次回（あなた）「前回はダミーについてだったけれども、技術的に価値のある特許を発見した場合に、その後願を使えないの？」（私）「後願だからといって、それが直ちに証拠になるわけではありません。発明を考え出したというだけで、それを実施しているということを表明しているものではないからです。」（あんた）「では、他社の特許公報は、製品を特定するのにまったくの参考にはならない？」（私）「そうとも限らないです。ものごとは一本道では進みません。まず、どのような出願をするかといえば、自社製品の開発・研究から生まれた発明です。自社では製品化しないが、他社で製品化するものだけと特許出願するというのは普通は考えられません。とすると、特許出願した発明は、いずれ製品化されます。もちろん開発途中で中止するようなプロジェクトも多くありますが、製品になるような発明は全て特許出願されているというのが普通です。むしろ、製品化される前に特許出願されているかがチェックポイントになるぐらいですから。そして、その特許によって市場を独占できる可能性があるわけですから、その特許出願の発明は実施されている可能性があるわけです。あるいは、防衛出願と称して、自社がやっていることを特許出願してしまい、他社には特許を取らせないということも多く行われています。」（あなた）「とすると、逆にできるだけ、製品の中身を書かないで出願したほうがいいということになるのかな。」（私）「次回へ。」キーワード　特許権、権利行使感想・質問・意見交換は下のコメント欄、いいことをそっと耳打ちしたい方は私書箱をどうぞ。【知らなければ、一瞬で負ける】　人気blogランキング　ブログポポタル知財活動　どのレベルですか？　　　本ページの先頭に戻る

  2005.09.08

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• 145 ダミーならばわからないか

  こんちくは。「知財活動　どのレベルですか？」の「特許はあるが、価格に変化する特許がない。（レベル５　その２５）」についてです。特許戦略の参考にしてください。　　　前回　　次回（あなた）「前回は有効な特許の発見についてのまとめについてだったけれども、その特許が使える製品、具体的には相手はだれかということだね？」（私）「有効な特許を発見する際に、その特許にアクセスしてきた人がダミーを使わないで行ったのであれば、それは非常に簡単ですね。その請求人等を確認するだけですから。そして、その請求人等（たぶん企業）の製品を調べるということになります。」（あんた）「でも、ダミーの場合は請求人等のホントの正体は原則わからない、ということだよね？」（私）「原則わかりませんね。原則なので、例外ということもありますね。ミスともいえるようなことをしている場合があります。例えば、引用文献に図書館の印が押されていて、そこから足がつくとか、ですね。基本的なことです。でも、文献調査について協力を依頼した会社のものだったりするので、断定することはしないようにしたほうがいいです。このような相手を推定できるようなことがいくつかあるのです。」キーワード　特許権、権利行使、ダミー感想・質問・意見交換は下のコメント欄、いいことをそっと耳打ちしたい方は私書箱をどうぞ。【知らなければ、一瞬で負ける】　人気blogランキング　ブログポポタル知財活動　どのレベルですか？　　　本ページの先頭に戻る

  2005.09.07

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• 144 特許×製品

  こんちくは。「知財活動　どのレベルですか？」の「特許はあるが、価格に変化する特許がない。（レベル５　その２４）」についてです。特許戦略の参考にしてください。　　　前回　　次回（あなた）「前回はサイテーション（明細書内の背景技術に記載されている文献）についてだったけれども、それらの方法によって、技術的に重要な特許を発見できたとしても、侵害を発見するには？」（私）「そうですよね。技術的に重要な特許を発見できたとしても、第三者による侵害を発見できなければ、権利行使することはできませんからね。以前に、侵害を発見するということは、特許と製品のマッチングの問題になると話しました。今までの手法は、どちらかというと権利行使できる特許を探しましょうということでした。ちょっと、おさらいすると、以下の通りです。」Ａ．権利として興味をもたれた特許を発見する（１）他人が関心を持っている特許（２）製品発表前の特許調査（３）審査請求（４）権利付与前の情報提供制度（５）権利付与後の情報提供制度（６）特許異議申立（７）無効審判（８）閲覧請求（９）その他Ｂ．技術的に重要な特許を発見する（１）技術的に価値が高い特許（２）技術者の知見（３）拒絶理由の引例（４）特許公報の「参考文献」欄（５）出願明細書内の背景技術欄に記載されている文献ということで、次回からはマッチングするもう片方である製品についてです。キーワード　特許権、権利行使、技術的価値感想・質問・意見交換は下のコメント欄、いいことをそっと耳打ちしたい方は私書箱をどうぞ。【知らなければ、一瞬で負ける】　人気blogランキング　ブログポポタル知財活動　どのレベルですか？　　　本ページの先頭に戻る

  2005.09.06

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• 143 権利活用できる特許の発見（その１４）

  こんちくは。「知財活動　どのレベルですか？」の「特許はあるが、価格に変化する特許がない。（レベル５　その２３）」についてです。特許戦略の参考にしてください。　　　前回　　次回（あなた）「前回はサイテーション（特許公報の「参考文献」欄）についてだったけれども、今回は？」（私）「サイテーションを、引用された回数ということにすると、拒絶理由で引用された回数、特許公報に記載されている「参考文献」欄、そして、出願明細書内の背景技術欄に記載されている文献です。」（あなた）「なるほど、発明者、出願人（担当知財部員）、担当弁理士等が知っている先行文献のことだね。」（私）「特に、これらの文献は、タグとして【特許文献】【非特許文献】が付いているから、電子的な加工はしやすいですね。このようなタグ付きにしたのは、明細書を新様式に改正した際に行われました。わざわざタグ付きにしているので、この特許文献欄、非特許文献欄を用いて、サイテーション、特許マップを作成しようとしているのだと思っているのですが、なかなか公開されませんね。」（あなた）「そうだね。いかにも、そのような仕掛けがしてあるのだから有効活用してもらいたいね。ただ、被引用の特許ならいいけど、それを引用している特許は他社には知られたくないかもね。」キーワード　特許権、技術的価値感想・質問・意見交換は下のコメント欄、いいことをそっと耳打ちしたい方は私書箱をどうぞ。【知らなければ、一瞬で負ける】　人気blogランキング　ブログポポタル知財活動　どのレベルですか？　　　本ページの先頭に戻る

  2005.09.05

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• 140 権利活用できる特許の発見（その１３）

  こんちくは。「知財活動　どのレベルですか？」の「特許はあるが、価格に変化する特許がない。（レベル５　その２２）」についてです。特許戦略の参考にしてください。　　　前回　　次回（あなた）「前回はサイテーション（拒絶理由）についてだったけれども、今回は？」（私）「サイテーションとは、引用された回数ということにすると、なにも拒絶理由で引用された回数に限りません。」（あなた）「他の人も何かしら検索しているだろうからね。」（私）「そうなんですよ。その検索の情報をつかむことができれば、技術的あるいは権利的な価値の高い特許を有効に探すことができると思うのですが、公開されている検索というのは限られていますからね。そんな中から、公開されている情報として使えるものは、・・・」（あなた）「何？声をひそめるような内容のこと？」（私）「いえ、ちょっと変化をつけないとおもしろくないかと思いまして。特許公報に記載されている「参考文献」欄ですね。参考文献欄には、審査にあたって検索した結果である文献等が掲載されます。」（あなた）「そういうことであれば、昨日の記事で拒絶理由での引例を用いたサイテーションは難しいといったけれども、この特許公報の参考文献欄を用いれば簡単にできるのではないの？」（私）「参考文献欄に掲載されている文献が拒絶理由で引例として用いられたものだけであればいいのですが、そうとは限りません。つまり、拒絶理由通知に用いられた引例だけではなくて、それ以外の文献も含まれています。ですので、より多くの情報が得られるというか、余分な情報で、判断を惑わすようなものというか。正確な意味での拒絶理由を用いたサイテーションではありません。しかし、これは電子情報として公開されていますので、サイテーションを電子的に作りやすいですね。」次回は何？キーワード　特許権、技術的価値感想・質問・意見交換は下のコメント欄、いいことをそっと耳打ちしたい方は私書箱をどうぞ。【知らなければ、一瞬で負ける】　人気blogランキング　ブログポポタル知財活動　どのレベルですか？　　　本ページの先頭に戻る

  2005.09.02

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• 13F 権利活用できる特許の発見（その１２）

  こんちくは。「知財活動　どのレベルですか？」の「特許はあるが、価格に変化する特許がない。（レベル５　その２１）」についてです。特許戦略の参考にしてください。　　　前回　　次回（あなた）「前回は技術的価値の高い特許は技術者の知見を使う、についてだったけれども、今回は？」（私）「サイテーションについてです。特許分析の手法のひとつとして、サイテーションという手法があります。これは、引用された回数で技術的に重要な特許を抽出しようとするものです。昨日の記事で取り上げた技術者の知見は、引例に現れているはずだという考えですね。つまり、重要な基本的な技術は引例として取り上げられる回数が多い。枝葉末節な技術は、引用されることが少ない。基本的な発明であれば、あるほど引例となることが多いということです。注目されている技術であり、それを元にした研究をして、新たな発明をしようとするからですね。」（あなた）「ここで言っている引例というのは？」（私）「いろいろあっていいと思うのですが、最もよく取り上げられているのが、特許庁における審査にあたって拒絶するに取り上げられた引例のことが普通です。なにしろ、特許検索のプロが探しただしたものですから信頼性が高いです。」（あなた）「どうしたら作れる？」（私）「特許電子図書館で「経過情報」を検索すると、拒絶理由の引例の特許公開番号等が記載されています。しかし、引例として取り上げられているものを検索するわけですから、全件検索する必要がありますし、全ての情報が漏れなく格納されていないものもあります。したがいまして、現在の電子図書館を利用してサイテーションを作るというのは不可能です。」（あなた）「そのようなデータベース化は簡単にできそうだけれどもね。情報を持っているところがその気になれば、それほど手間をかけずにできることだとは思えるね。」次回は何？キーワード　特許権、技術的価値感想・質問・意見交換は下のコメント欄、いいことをそっと耳打ちしたい方は私書箱をどうぞ。【知らなければ、一瞬で負ける】　人気blogランキング　ブログポポタル知財活動　どのレベルですか？　　　本ページの先頭に戻る

  2005.09.01

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• 13E 権利活用できる特許の発見（その１１）

  こんちくは。「知財活動　どのレベルですか？」の「特許はあるが、価格に変化する特許がない。（レベル５　その２０）」についてです。特許戦略の参考にしてください。　　　前回　　次回（あなた）「前回は技術的価値の高い特許は特許価値が高いのか、についてだったけれども、今回は？」（私）「技術的価値の高い特許の発見についてです。」（あなた）「わりと簡単かもね。」（私）「それはどういうことでですか？」（あなた）「技術については、やはり専門家である技術者に尋ねるのか一番だね。技術者、特にスペシャリストという者は、その技術を歴史的な経緯を含めて知り尽くしているからね。そして、そのような優れた技術者は、同じようなトップレベルの技術者とも交流があり、そのような情報を収集しやすいし、その上、優れた人材を惹きつける。」（私）「そうなんですよね。技術者は既に技術の階層的な体系を持っています。個々の事例を単に知っているということ、その数が多いということ、だけではないですね。それらから、何かパターンを抽出できていますよね。技術と技術との関係、これを押さえている人というのは、発明を把握するのも早く的確ですよね。そのような技術の体系と特許出願とのリンクさえできれば、意外と簡単に技術的に重要な特許の発見はできます。」（あなた）「それができあがると、次に開発・研究されるべき事項がみえてきそうだね。」（私）「そうですよね。それによって出願すべき発明もみえてきますね。出願と権利活用も裏表の関係にありますね。」次回は何？キーワード　特許権、技術的価値感想・質問・意見交換は下のコメント欄、いいことをそっと耳打ちしたい方は私書箱をどうぞ。【知らなければ、一瞬で負ける】　人気blogランキング　ブログポポタル知財活動　どのレベルですか？　　　本ページの先頭に戻る

  2005.08.31

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• 13D 権利活用できる特許の発見（その１０）

  こんちくは。「知財活動　どのレベルですか？」の「特許はあるが、価格に変化する特許がない。（レベル５　その１９）」についてです。特許戦略の参考にしてください。　　　前回　　次回（あなた）「前回は、他社が接触してくる手段のまとめだったけれども、今回は？」（私）「価値が高いだろうと思われる特許の発見についてです。」（あなた）「それはどういうこと？」（私）「技術的に価値が高いということですね。技術には流れがありますが、源流、本流にあたるところの技術は特許の価値も高いと言えます。ツリーを書けば、根っこにあたるような技術です。」（あなた）「それがなんで特許価値が高いと言えるの？特許の価値は、他社が実施していることによって生じるというのが持論だから、技術的価値というのはそれほど関係ないのでは？」（私）「そうなのですが、そのような基本的な技術というのは、使わざると得ないということですね。それと、そのような技術を研究・開発した方は、技術者として尊敬されます。他社の技術者からライセンスを受けたいという提案をしてきます。とすれば、多少、まずい特許の取り方をしても他社はその特許権のライセンスを受けたいといってきます。」（あなた）「なるほどね。それで、お金を稼いでいる特許イコール特許の明細書が優れている、とは限らないわけだ。」（私）「必ずしも、素晴らしい特許権が技術的にも優れているわけではないですが、素晴らしい技術は、価値ある特許になる場合が多いですね。」次回は何？キーワード　特許権、権利活用感想・質問・意見交換は下のコメント欄、いいことをそっと耳打ちしたい方は私書箱をどうぞ。【知らなければ、一瞬で負ける】　人気blogランキング　ブログポポタル知財活動　どのレベルですか？　　　本ページの先頭に戻る

  2005.08.30

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• 13C 権利活用できる特許の発見（その９）

  こんちくは。「知財活動　どのレベルですか？」の「特許はあるが、価格に変化する特許がない。（レベル５　その１８）」についてです。特許戦略の参考にしてください。　　　前回　　次回（あなた）「前回は、閲覧請求についてだったけれども、今回は？」（私）「いままでは、他社が接触してくる情報を使いましょう、という考え方でした。接触してくる手段としては、どのようなものがあるかを見てきました。」（あなた）「そうだね、え～と、挙げたのは、（１）審査請求（２）権利付与前の情報提供制度（３）権利付与後の情報提供制度（４）特許異議申立（５）無効審判（６）閲覧請求だね。他には？」（私）「判定という制度もありますが、判定を行うということであれば、「権利活用できる特許の発見」というよりも、実務的には、既に活用が始まっていると考えるべきでしょう。対象とする技術が特定されていますからね。２００４年の特許の判定請求が５５件です。特許権数のわりには、それほど利用もされていない制度です。」（あなた）「他には？」（私）「他にもありますが、さすがに・・・ここでは。」（あなた）「で、次回からは？」（私）「すぐに活用できるというわけではないですが、価値が高いだろうと思われるものの発見についてです。」次回は何？キーワード　特許権、権利活用感想・質問・意見交換は下のコメント欄、いいことをそっと耳打ちしたい方は私書箱をどうぞ。【知らなければ、一瞬で負ける】　人気blogランキング　ブログポポタル知財活動　どのレベルですか？　　　本ページの先頭に戻る

  2005.08.29

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• 134 権利活用

  こんちくは。特許庁ＨＰに「平成１６年知的財産活動調査結果」が掲載されています。この中で興味があったことについて。　－－－－－　－－－－－　－－－－－業種毎の実施状況の詳細については、国内特許の他社実施件数が多いのが、電気機械工業と精密機械工業である。電気機械工業が他社に実施許諾している件数は自社実施の４割に達し、精密機械工業においては他社実施のほうが自社実施件数より１．４倍も多い。　－－－－－　－－－－－　－－－－－　特許発明の実施には、自社で行うのと、他社が実施する場合があります。自社で実施するのが、いわゆる「防衛的特許」としての使われ方で、他社に実施させるのがライセンス等によって特許権を活用するということです。　他社実施が多いというのは、特許権を積極的に活用しているということになります。　ということで、そのような積極的な戦略がとられている分野が「電気機械工業」と「精密機械工業」です。　具体的な数字は、以下の通り。　　　　　　所有件数　　自社実施　他社実施電気機械工業　678.1件　　237.5件　　95.0件精密機械工業　179.4件　　 50.5件　　70.7件　電気機械工業分野では、所有している特許のうち３５％が自社実施しており、１４％が他社実施しているということで、積極的に権利活用されています。　また、精密機械工業分野にいたっては、所有している特許のうち２８％が自社実施しており、３９％が他社実施しているということです。　自社実施の件数よりも他社実施の方が多い！　ということは、自社が実施するものよりも他社が実施しそうなものを特許出願しているといえるのか、というと必ずしもそうとは言えないのが実態でしょう。理由はお分かりですよね。キーワード　特許権、権利活用感想・質問・意見交換は下のコメント欄、いいことをそっと耳打ちしたい方は私書箱をどうぞ。【絵にかくとも及びがたし】　人気blogランキング　ブログポポタル【花でさえも色をうしなう】知財活動　どのレベルですか？　　　本ページの先頭に戻る

  2005.08.22

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• 131 審査請求率は？（その４）

  こんちくは。・審査請求率（その１）は、２００５年７月２９日ブログで。・審査請求率（その２）は、２００５年８月１２日ブログで。・審査請求率（その３）は、２００５年８月１５日ブログで。前回のブログでは、「審査請求後に「取下げ・放棄を行うか否か」ということの判断が増えるかも」ということを書きました。あからさまに、審査着手前に出願の取下げ・放棄を行いなさいというのは言いにくいでしょう。「審査請求した案件は、特許として必要なのだから」という反論が考えられますから。では、その時の根拠になるのが、特許査定率。つまり、「特許査定率を向上させなさい」ということを言われると予想されます。そこで、その特許差定率は、どのような計算式かというと、以下の式です。　特許査定率＝特許査定件数/最終処分件数一見、まともな式です。ですが、最終処分件数とは、以下の式で求められます。　最終処分件数＝特許査定件数＋拒絶査定件数＋ＦＡ後取下げ・放棄等そして、ＦＡ後取下げ・放棄等とは、「一次審査着手後に出願の取下げ・放棄等が行われたもの」です。実務家の方でしたら、ここでお分かりですよね。私の言いたいこと。それでは、今日はこれまで。つまり、この式、「審査を開始したものの中で」特許になったものの割合です。出願人側の感覚として言えば、「審査請求したものの中で」特許になったものの割合が特許査定率のように思いますが。この式、審査の効率化を目的とするための数字を出すためのものですから、上のような式になったのでしょう。さて、この特許査定率を向上させるためには、（１）特許査定件数を向上させる（２）審査請求件数を減少させる（３）ＦＡ前取下げ・放棄等を増やす審査請求後のもので「特許査定率を向上させよ」となれば、（２）の対策は無理。（１）は本来出願時に対策をとるべきものであり、審査請求後は困難。とすると、この中で対策を打ち易いのが（３）。ということで、審査請求後に「取下げ・放棄を行うか否か」ということの判断が増えるかも。キーワード　審査請求、特許査定率感想・質問・意見交換は下のコメント欄、いいことをそっと耳打ちしたい方は私書箱をどうぞ。【絵にかくとも及びがたし】　人気blogランキング　ブログポポタル【花でさえも色をうしなう】知財活動　どのレベルですか？　　　本ページの先頭に戻る

  2005.08.19

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• 130 権利活用できる特許の発見（その８）

  こんちくは。「知財活動　どのレベルですか？」の「特許はあるが、価格に変化する特許がない。（レベル５　その１７）」についてです。特許戦略の参考にしてください。　　　前回　　次回（あなた）「前回は、無効審判についてだったけれども、今回は？」（私）「閲覧請求です。」（あなた）「なんで閲覧請求が権利行使できる特許の発見になるの？」（私）「その可能性があると言える場合が多いと思われます。他人がなぜ閲覧請求をするかというと、審査過程を見たいがためなんです。それは、審査過程において、特許された発明を限定解釈できるような記載があるかどうかを血眼になって探すためなんです。つまり、その特許の技術的範囲に入る可能性がある製品があるので、入るか否かの確認をするためですね。それと、審査において、どのような先行技術調査が行われたかも興味があるところです。その特許を無効化しようとすれば、審査においてどのような先行技術調査が行われているかを知ることができれば、効率がいい先行技術調査を設計することができるからです。」（あなた）「とすれば、かなり関心がある者が閲覧しているということになるね。」（私）「ということで、自社の特許について、閲覧請求されているもの検索すれば権利活用できるかもしれない特許を見つけることができるわけですね。そのなかには、製品が問題になるわけではなくて、純粋に審査経過を閲覧して勉強するという場合も中にはありますけれどもね。でも、複数の閲覧請求があったならば、活用できる特許である可能性はかなり高いと思われます。」次回は何？キーワード　特許権、特許異議申立感想・質問・意見交換は下のコメント欄、いいことをそっと耳打ちしたい方は私書箱をどうぞ。【知らなければ、一瞬で負ける】　人気blogランキング　ブログポポタル知財活動　どのレベルですか？　　　本ページの先頭に戻る

  2005.08.18

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• 12F 権利活用できる特許の発見（その７）

  こんちくは。「知財活動　どのレベルですか？」の「特許はあるが、価格に変化する特許がない。（レベル５　その１６）」についてです。特許戦略の参考にしてください。　　　前回　　次回（あなた）「前回は、特許異議申立についてだったけれども、今回は？」（私）「無効審判です。ただし、侵害行為に対する損害賠償等の請求がされた場合、その請求をされた者が、対抗上、請求することが多いです。ですので、権利活用できる特許の発見のためというよりも、活用しようとしたら相手方から請求される可能性がある、と思ったほうがよさそうです。」（あなた）「でも、２００４年１月１日に異議申立制度が廃止されて、無効審判も「何人」もできることになったんだよね。」（私）「ええ、原則「何人」も請求することができます。ただし、無効理由は限られています。」（あなた）「とすれば、特許異議申立の代わりに特許無効審判を利用しようとする者が多くなる？」（私）「そのような期待、予想もありましたが、統計上は、無効審判請求件数は、２００３年が２５４件、２００４年が３５８件。つまり、１００件程度が増えています。この１００件が特許権者から警告を受けていないでも請求されたものであるか否かはわかりません。ですが、もしそうだとすれば、それらの特許はかなり有効な特許であると考えられます。そのために、単に特許を無効にしないように訂正するのではなくて、ぜひとも、相手の製品を探し出して、その製品が入る範囲で訂正すべきですね。」（あなた）「ところで、訂正審判というのはどれくらいあるの？」（私）「２００３年が２６６件、２００４年が２８６件です。むしろ、特許権者が警告等をしていないのに訂正審判を請求しているような場合は、特許権者が権利行使をしようとしていると考えたほうがよさそうですね。相手方から無効審判を請求されないように予め内容を整えておこうと考えているはずです。」次回は何？キーワード　特許権、特許異議申立感想・質問・意見交換は下のコメント欄、いいことをそっと耳打ちしたい方は私書箱をどうぞ。【知らなければ、一瞬で負ける】　人気blogランキング　ブログポポタル知財活動　どのレベルですか？　　　本ページの先頭に戻る

  2005.08.17

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• 12E 権利活用できる特許の発見（その６）

  こんちくは。「知財活動　どのレベルですか？」の「特許はあるが、価格に変化する特許がない。（レベル５　その１５）」についてです。特許戦略の参考にしてください。　　　前回　　次回（あなた）「前回は、権利付与後の情報提供制度についてだったけれども、今回は？」（私）「特許異議申立です。」（あなた）「２００４年１月１日に廃止されているね。」（私）「ええ、ですので、これからはこの情報を参考にして権利活用できる特許を発見するということはありません。ですが、かつての特許異議申立は、活用できる特許を発見するには非常に有効なものでした。なにしろ、特許になったものについて、ボランティア的に権利を消滅させたいと考える人はいませんから、なんらかの関心があるということを表明しているようなものです。つまり、既に製品化しているか、将来製品化したいと考えているような発明である場合が多いです。」（あなた）「それだけ重要さということは、特許異議申立も「何人も」できるので、いわゆるダミーが多かったということ？」（私）「そうですね。ほとんどがダミーでしたね。２００３年の異議申立請求件数は、３８９６件でした。これだけのものがなくなったわけです。でも、各企業内では、特許公報が発行されたものの検討という制度はそのまま存続させているでしょう。多少は、無効審判や権利付与後の情報提供等されたとは思われますが、特許異議申立、その異議申立を受ける工数が減ったことから、権利活用のための調査等が増えたというところも多いのではないでしょうか。」次回は何？キーワード　特許権、特許異議申立感想・質問・意見交換は下のコメント欄、いいことをそっと耳打ちしたい方は私書箱をどうぞ。【知らなければ、一瞬で負ける】　人気blogランキング　ブログポポタル知財活動　どのレベルですか？　　　本ページの先頭に戻る

  2005.08.16

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• 127 権利活用できる特許の発見（その５）

  こんちくは。「知財活動　どのレベルですか？」の「特許はあるが、価格に変化する特許がない。（レベル５　その１４）」についてです。特許戦略の参考にしてください。　　　前回　　次回（あなた）「前回は、権利付与前の情報提供制度についてだったけれども、今回は権利付与後の情報提供制度？」（私）「権利付与後の情報提供制度（特許施行規則１３条の３）は、つい最近できました（平成１６年１月１日開始）。というのも、特許異議申立制度が廃止されて、特許無効審判制度に統合する改正が行われました。これによって、本来なら特許を受けることができない発明に対して特許になっている事態を是正しようというものです。」（あなた）「確かに、権利付与前というのも片手落ちのような感じだからね。」（私）「特許異議申立制度があった２００３年の異議申立請求件数は、３８９６件でした。２００４年以降は、もちろんのことながら０件です。つまり、消えた異議申立の年間約４０００件は、どこに消えたかというと、まずは無効審判へ、でも、増えたのはわずか１００件（２００５０７２８ブログ参照）。そして、一部は、この特許付与後の情報提供へ、ということになったと思われます。」（あなた）「しかし、統計が見つからない。」（私）「はい。なので、どれだけあるのかはわかりません。特許付与後の情報提供制度の具体的メリットは次のようなものだと言っています。　　　－－－－－　－－－－－　－－－－－　－－－－－（１）特許権者が、特許の活用に際して提供情報を事前に検討することができるとともに、必要に応じて特許の瑕疵を訂正審判により治癒することができるため、不要な紛争を事前に防止することができる。（２）無効審判を請求しようとする者が、それまでに提供された情報を参考にして無効審判請求をすることができるため、より充実した無効理由･証拠を提示することができ、特許付与の見直し機能を補完することができる。（３）無効審判又は訂正審判が請求された際には、審判官が職権審理の裁量権を有するところ、審判官が適切と認めた場合には、提供情報を職権審理の対象とすることもできるため、より迅速･的確な審理が期待できる。（４）侵害訴訟と並行して訂正審判が請求された場合に、侵害被疑者（通常は、訴訟被告）が、当該制度を利用して権利濫用の抗弁に使用した証拠を審判官に提示することができるため、相手方の存在しない査定系の訂正審判の審理においても独立特許要件等の訂正要件についての審理を的確に行うことができる。　　　－－－－－　－－－－－　－－－－－　－－－－－つまり、特許権者に訂正審判請求を促す、他人の特許無効審判に対する手助け、将来の訂正・無効審判の審判官による職権審理の参考にする、無効審判を起こさずに訂正審判内で決着をつける、というメリットがあるということです。」（あなた）「とはいえ、どれだけ使われるのかなぁ。ちょっと特許権者側が有利な気がするけれども。」（私）「そうでしょうね。（１）の訂正審判にしても特許権者側はいつ訂正審判を請求してもいいわけですから、無効審判で出されて限られた期限で検討するよりも、十分余裕を持って検討できます。（２）（３）（４）の他人の無効審判等の手助けというのもね。気合が入らないかな。」（あなた）「とはいえ、そのようなことを検討した上で行われる情報提供だから、十分価値ある特許ということになりそうだね。」（私）「権利付与前の情報提供制度と同じく、提出者の欄を空白にすることができます（匿名にできるということ）。また、情報提供があった旨の通知が行われますので、それをきっかけにして特許権の活用の検討を行えばいいですね。」権利付与後の情報提供の件数等の統計、その他の情報がありましたら、教えてください。次回は何？キーワード　特許権、情報提供感想・質問・意見交換は下のコメント欄、いいことをそっと耳打ちしたい方は私書箱をどうぞ。【知らなければ、一瞬で負ける】　人気blogランキング　ブログポポタル知財活動　どのレベルですか？　　　本ページの先頭に戻る

  2005.08.12

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• 126 権利活用できる特許の発見（その４）

  こんちくは。「知財活動　どのレベルですか？」の「特許はあるが、価格に変化する特許がない。（レベル５　その１３）」についてです。特許戦略の参考にしてください。　　　前回　　次回（あなた）「前回は、審査請求についてだったけれども、今回の具体的な方法は？」（私）「権利付与前の情報提供制度（特許施行規則１３条の２）についてです。」（あなた）「権利付与前と断っているのは、権利付与後もあるということ？」（私）「その通りです。実は、特許異議申立制度が廃止されてから、権利付与後の情報提供制度というものができました。それについては、次回に。」（あなた）「権利付与前だから、特許査定を阻止しようということだね。」（私）「ええ。この権利付与前の情報提供制度というのは、出願公開制度が開始された昭和４５年から始まっています。公開されなければ、情報提供しようがないですからね。」（あなた）「これも審査請求と同じで、「何人」もできるの？」（私）「その通りです。そして、この情報提供制度の魅力的なところは、提出者の欄を空白にすることができるのですね。審査請求の際は、「何人」もできるのですが、実在の人でなければいけないので、ダミーといわれる審査請求人をたてます。そして、このダミー、不用意な人に依頼すると、ホントの請求人がわかってしまう場合があります。　　これ、いろいろとテクニックがあります。それと、高額な審査請求料を支払う必要があるということから、前回で説明したように第三者による審査請求というのは、ほとんど使われていません。しかし、この権利付与前の情報提供制度は、提出者を無理やり作る必要がないということで割と利用されているようです。それと、拒絶されなくても、補正がされればいいやという考えで情報提供される場合もあります。つまり、自社の作りたい、作った製品が権利範囲に入らないようにできればいいのであって、そうであれば、特許になってもかまわないわけです。それと、特許出願人が不用意に縮小してくれればラッキーということにもなりますからね。とはいえ、必ず利用するかというと、そんなことはありません。公開公報を調べて、特許化を阻止しようという活動までは、なかなか手が回らないのが実情でしょう。なにしろ件数が多く、明らかに特許にならないものも多いですから。そして、情報提供があったということは出願人に知らされますが、これを知ったことにより活用の可能性が高い特許になり得ることがわかるのですから、ここでも寝た子を起こしたくないという意識が働くのだと思われます。また、この情報提供によって提出された資料は、拒絶理由通知の引例に採用される確率が高いようです。質のよい資料が提出されているということでもあるのでしょう。私が経験したものでは、２回の拒絶理由、異議申立の資料としてなっている情報提供がありましたね。」（あなた）「過去に自社の特許出願で情報提供があったものを調べてみる必要がありそうだね。」権利付与前の情報提供の件数等の統計、その他の情報がありましたら、教えてください。次回は他人からの具体的なアクセス発見方法、についてです。キーワード　特許権、情報提供感想・質問・意見交換は下のコメント欄、いいことをそっと耳打ちしたい方は私書箱をどうぞ。【知らなければ、一瞬で負ける】　人気blogランキング　ブログポポタル知財活動　どのレベルですか？　　　本ページの先頭に戻る

  2005.08.11

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• 125 権利活用できる特許の発見（その３）

  こんちくは。「知財活動　どのレベルですか？」の「特許はあるが、価格に変化する特許がない。（レベル５　その１２）」についてです。特許戦略の参考にしてください。　　　前回　　次回（あなた）「前回は、他人の興味はアクセスにつながるということだったけれども、今回は具体的な方法だよね？」（私）「他人の興味がある特許というのはどうしたらわかるかというと、まずその人はその特許にアクセスしてきます。アクセスの仕方もさまざまです。」（あなた）「まず、なんといっても一番なのは無効審判だろうね。興味というよりも潰したいということだから、自分の事業に邪魔ということで、潰せなかったら、逆にライセンスしてもらうか、撤退かということになるだろうからね。」（私）「そのほかにもありますよね。１０個以上見つけたのですが、このなかには見つけただけで、効果があるだろうなと思われるのですが、まだ実践していないのもあります。まずは、審査請求ですね。これは、その発明に興味ある第三者が早くその出願の決着をつけたいと考える場合があるのでその要求にこたえるものである、と言う事で「何人」も審査請求できるとなっています。しかし、実務において、このような場合は、まずあり得ない。少なくとも私は今まで１回も他人から審査請求されたこと、他人の出願に審査請求したことはありません。出願人がその出願の重要性に気づかずに審査請求しないということもあるわけですから、寝てる子を起こすようなことはしないでしょう。まして、審査請求期間が３年になったわけですから、以前の７年と比べたら、待てない期間ではないと思います。」（あなた）「ということは、法律上の趣旨からすれば、他人の興味がある特許出願を見つける手段としては使えるはずだけれども、ほとんどそのような場合は起こらないということだね。」（私）「そうですね。むしろ、特許出願人の名義変更等があり、その手続きが審査請求期間に間に合わないというような場合に使えるということぐらいではないでしょうか。」他人の特許出願に審査請求している件数等の統計、この業界は他人の出願に審査請求をするよ、というような情報がありましたら、教えてください。俺もそんな経験はないね、という方も、技術分野とともに書き込み等ください。次回は他人からの具体的なアクセス発見方法、についてです。キーワード　特許権、審査請求感想・質問・意見交換は下のコメント欄、いいことをそっと耳打ちしたい方は私書箱をどうぞ。【知らなければ、一瞬で負ける】　人気blogランキング　ブログポポタル知財活動　どのレベルですか？　　　本ページの先頭に戻る

  2005.08.10

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• 124 権利活用できる特許の発見（その２）

  こんちくは。「知財活動　どのレベルですか？」の「特許はあるが、価格に変化する特許がない。（レベル５　その１１）」についてです。特許戦略の参考にしてください。　　　前回　　次回（あなた）「前回は、権利活用できる特許の発見は特許権者の努力だけでなく、他人の興味を利用しようということだったけれども、今回は？」（私）「前々々回で説明したように、活用できる特許というのは、その特許発明が実施されていることで、特許発明という思想と製品等の現実とのマッチングと考えることができるわけです。」（あなた）「マッチングの問題か、コンピュータで解けそうな問題のように見えるけど、思想が相手だから、いまのところ無理かな。とすると、効率的な調査が必要ということになるね。」（私）「そうですね。対象としては、特許発明と製品等の２つになるわけです。すると、どちらを軸にして調査をするかということが問題になるわけです。特許権者からすれば、自社の特許権を軸として、他の製品等を調査するということになりますし、一方、製品等を出す方にすれば、自社の製品を軸として、他の特許を調査するということになります。」（あなた）「なるほど、企業が製品を出す際には、特許調査を行うからね。でも、その特許調査の結果は秘密にされるから、外部に出ることはなくて活用のしようがないということではないのかな。」（私）「もちろん、その調査結果そのものが外部にでるなんてことはまず考えられません。でも、調査の際、あるいは調査の結果として、その特許に何らかのアクセスをせざるを得ないということになるはずです。」（あなた）「そりゃそうだ。アクセスと考えれば、単なる公報を見るということも含まれるからね。」キーワード　特許権感想・質問・意見交換は下のコメント欄、いいことをそっと耳打ちしたい方は私書箱をどうぞ。【知らなければ、一瞬で負ける】　人気blogランキング　ブログポポタル知財活動　どのレベルですか？　　　本ページの先頭に戻る

  2005.08.09

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• 123 権利活用できる特許の発見（その１）

  こんちくは。「知財活動　どのレベルですか？」の「特許はあるが、価格に変化する特許がない。（レベル５　その１０）」についてです。特許戦略の参考にしてください。　　　前回　　次回（あなた）「前回は、判断で難しいことだったけれども、今回は、権利活用できる特許の発見ということだよね？」（私）「活用できる特許を発見するのは、だれかというと、だれになるでしょう？」（あなた）「それはもちろん特許権者だろ。」（私）「もちろん、特許権者は活用できる特許を探すことをします。それと、忘れてならないのは、活用できる特許は他人も興味を持っているということです。」（あなた）「そうだろうね。その特許発明を実施したいと思っている人は、その特許に興味を持っているし、製品販売開始前には特許調査をしているからね。でも、その人から特許を使わせて欲しいという交渉というのは、あまりないことだと思うけど。」（私）「それはそうですね。ただし、関心があるので、何かその特許にアクセスしてきます。そのアクセスを捉えることができれば、他人が関心を持っている特許を特定できますね。」次回は他人からの具体的なアクセス発見方法、についてです。キーワード　特許権感想・質問・意見交換は下のコメント欄、いいことをそっと耳打ちしたい方は私書箱をどうぞ。【知らなければ、一瞬で負ける】　人気blogランキング　ブログポポタル知財活動　どのレベルですか？　　　本ページの先頭に戻る

  2005.08.08

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• 11E 特許取ればいいってものもある

  こんちくは。「知財活動　どのレベルですか？」の「特許はあるが、価格に変化する特許がない。（レベル５　その９）」についてです。特許戦略の参考にしてください。　　　前回　　次回（あなた）「前回は、「発明と物」というフーコーの「言葉と物」もどきのタイトルだったけれども、今回は実務に戻って、判断で難しいことだったよね？」（私）「特許を活用しようとした場合に、始めに必要なことは、権利範囲に入るか否かという判断です。この判断は、特許請求の範囲を読んで、１秒でわかるときもあれば、何ヶ月、何年とかかることもあります。」（あなた）「う～ん、確かに大変だよ。特許明細書を読み込んで、場合によったら包袋を取り寄せて、さらに先行技術を調べて、対象物件をつぶさに検証して、・・・。昨日の理論でいえば、交差しているか否かを見極めることだね。」（私）「なので、よく言われるのが、特許は数ではない、その質だです。」（あなた）「よく聞くね。確かに、１件でも基本的な特許であれば、何億とするのは当たり前だからね。そして、何件あろうが侵害していないのであれば、痛くも痒くもない。」（私）「でも、ところによっては、特許さえとっていれば活用できているというのがあるのですよ。」（あなた）「おいしいところだね。」（私）「昨日の記事のなかで、現実が発明に近づいてくるような場合のことになります。この場合は、厳密には判断が必要なのですが、そこまで当事者同士は気にしません。単に数だけで勝負ということになります。ですので、この状況はできるだけ数をとることがキーになります。このようになる状況としては２つはありますね。」次回は権利活用できる特許の発見、についてです。キーワード　特許権感想・質問・意見交換は下のコメント欄、いいことをそっと耳打ちしたい方は私書箱をどうぞ。【知らなければ、一瞬で負ける】　人気blogランキング　ブログポポタル知財活動　どのレベルですか？　　　本ページの先頭に戻る

  2005.08.05

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• 11D 発明と物

  こんちくは。「知財活動　どのレベルですか？」の「特許はあるが、価格に変化する特許がない。（レベル５　その８）」についてです。特許戦略の参考にしてください。　　　前回　　次回（あなた）「前回は、「利潤を生む特許」という実務家からみたら眉唾のようなタイトルだったけれども、今回はその視点だったよね？」（私）「発明は技術的思想という頭の中で考えられたものです。実現していない発明というのは、想像上の動物であるユニコーンと同じようなものです。もちろん現実化する可能性という点では異なりますが。」（あなた）「新規性があるということは現実化しているものが公知ではないということだから、発明者が実験的に作っていない限り、そのようになるだろうね。」（私）「そして、侵害物といわれているものは、実際に実現・実施されているものであり、現実世界にある物です。」（あなた）「そうだろうね。特許権者以外の人が同じことを考えたとしても、それだけでは特許権の侵害にはならないからね。」（私）「とすると、特許発明と現実化した物という２つが重なり合うことが特許権侵害になるわけです。正確には、現実化した物が特許発明という思想に含まれているということになります。」（あなた）「発明という思想の世界と現実世界という２つの世界が交わったところに利潤が生じるということになるわけだ。とすると、２つの別々のものが近づくということが必要なんじゃないのかな。」（私）「そうなんですよね。どちらかがもう一方の方へ近づいていく。そんなイメージができます。たとえば、未来を予想するということでは、発明が現実世界へ近寄ろうとしている。逆に、既に、将来このようにするという場面では、現実世界が発明世界に沿うように動くという感じです。いかがでしょうか。こんなイメージで発明、侵害ということを考えると、発明を捉えるときの視点が定まってくるのではないでしょうか。」今回は、私の頭の中のこと、概念的なことを書いてみました。だから、唯我、独我のことです。次回は実務に戻って、判断で難しいことは、についてです。キーワード　特許権感想・質問・意見交換は下のコメント欄、いいことをそっと耳打ちしたい方は私書箱をどうぞ。【知らないということだけで損】　人気blogランキング　ブログポポタル知財活動　どのレベルですか？　　　本ページの先頭に戻る

  2005.08.04

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• 11C 利潤を生む特許

  こんちくは。「知財活動　どのレベルですか？」の「特許はあるが、価格に変化する特許がない。（レベル５　その７）」についてです。特許戦略の参考にしてください。　　　前回　　次回（あなた）「前回は、「特許出願明細書は予言書か」の話だったけれども、今回は？」（私）「利潤を生む特許とはどんな特許、と問われたら、どう答えますか？」（あなた）「例えば、広くて強い特許？」（私）「「強い」はいいとしても、単に広いというだけでは価値はありません。土地をアナロジーとして考えると、山の中の単に広い土地を購入したとしても価値はありません。多くの人が住む、人通りが多い等でなければ価値を生みません。同じように特許も実施されなければ価値を生みません。誰も使うことのない技術（思想）を独占したとしても、誰も困りもしないし、欲しがりもしません。むしろ、そのような特許は、特許庁に特許料を支払っている分だけ無駄です。」（あなた）「なるほど。そうだろうね。」（私）「実施される特許は価値を生む。でも、特許出願時に既に実施されている発明は特許になることがない（新規性が必要ですから）。とすると、未来において実施される発明を特許出願しなければならないのです。つまり、未来を予測することが必要になるわけです。」（あなた）「う～ん、いままでは技術者・研究者の成果である生まれた発明を特許にする、製品に使われる技術（発明）を特許する、という考えだったけれども、違う視点が必要そうだね。」（私）「そこで、次回は視点について」キーワード　特許権感想・質問・意見交換は下のコメント欄、いいことをそっと耳打ちしたい方は私書箱をどうぞ。【知らないということだけで損】　人気blogランキング　ブログポポタル知財活動　どのレベルですか？　　　本ページの先頭に戻る

  2005.08.03

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• 11B 占い・予言か（補充）

  本日の記事の補充です。「日本企業の発明は収益に結びついていない--日本ＩＢＭが研究開発の重要性を強調」というニュース記事を読みました。ＩＢＭといえば、知財権を活用して実際に収益をあげている会社として１番にでてきます。記事は、以下のＵＲＬから、どうぞ。http://japan.zdnet.com/news/devsys/story/0,2000052522,20085998,00.htmhttp://biz.ascii24.com/biz/news/article/2005/07/30/print/657285.htmlhttp://enterprise.watch.impress.co.jp/cda/topic/2005/08/01/5849.htmlこの記事の中で日本ＩＢＭ社長は、「イノベーションは、インベンション（発明あるいは技術動向）とインサイト（洞察あるいは市場動向）が交差するところに生まれる。」と言っています。発明をするだけ、そして特許を取得するだけでは、イノベーションは生じないということで、つまり特許権取得だけでは利益は生じないということです。実務家内では経験的によく知られていることです。では、イノベーションはどうしたら発生するかというと、インベンションにインサイトという視点を加えることなんだろうと思います。インサイトとは、未来の市場を先見することで、そして、イノベーションは利潤に通じることになるのだろうと思います。キーワード　特許権、イノベーション、インベンション、インサイト感想・質問・意見交換は下のコメント欄、いいことをそっと耳打ちしたい方は私書箱をどうぞ。【知らないということだけで損】　人気blogランキング　ブログポポタル知財活動　どのレベルですか？　　　本ページの先頭に戻る

  2005.08.02

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• 11A 占い・予言か

  こんちくは。「知財活動　どのレベルですか？」の「特許はあるが、価格に変化する特許がない。（レベル５　その６）」についてです。特許戦略の参考にしてください。　　　前回　　次回（あなた）「前回は、「もしも未来がわかるなら」だったけれども、今回もその関連？」（私）「そうですが、ところで、利潤って、いったいなんで生じるのか、と問われたら、どう答えますか？」（あなた）「単純に考えれば、安く買って高く売るということ、その差額だろう。」（私）「そもそも、売る人、買う人は互いに価値が等しいと思うことによって取引が成立するのに、なぜそこに利潤が生じるのか、ということについてはどうですか？本来、価値が等しいのに差が生じるというのはおかしいと思いませんか？」（あなた）「それぞれの人にとって、価値が違っていると思っているからかな。」（私）「その通りですよね。たとえば、国によって価値が異なるわけですから、貿易によって利潤が生じます。そして、現在の企業の多くは、未来を先取りすることによって利潤を得ることを行っています。イノベーションが重要だというのは、このことですよね。」（あなた）「未来に行けるということは価値があるわけだね。でも、行けるわけはないので予想・予測する。」（私）「特許出願も同じですね。技術的な予想・予測を特許出願する。これによって未来の利潤を確保することができるわけですよ。特許によって、他社の模倣や同様な製品による市場参入というリスクを回避できるわけですね。」（あなた）「なるほどね。とすると、特許出願というのは、予想・予測なのか、もっと過激に言えば占い・予言か。」補充ありキーワード　特許権感想・質問・意見交換は下のコメント欄、いいことをそっと耳打ちしたい方は私書箱をどうぞ。【知らないということだけで損】　人気blogランキング　ブログポポタル知財活動　どのレベルですか？　　　本ページの先頭に戻る

  2005.08.02

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• 119 ショートショ－ト

  こんちくは。「知財活動　どのレベルですか？」の「特許はあるが、価格に変化する特許がない。（レベル５　その５）」についてです。特許戦略の参考にしてください。　　　前回　　次回（あなた）「前回は、「広くて強い特許」の話だったけれども、今回は「もしも未来がわかるなら」だったよね？」（私）「もしもですよ、２年後の未来の世界へ行けたとしたら、どうしますか？」（あなた）「新聞を買って、現在の世界に戻ってくる。そして、株式欄を参考にして株を買うかな。」（私）「う～ん、同じようなことかもしれないけど、知財関係者としてはどうですか？」（あなた）「そうか。そうだよね。その話をしているのだからね。よく売れている新製品を見つける。そして、その製品の構造をよく調べる。現在の世界に戻ってきて、その製品内で実施されている発明を特許出願する。」（私）「そうでしょうね。まさしく、「成功が保証されていたもの」であって、自分で事業化することもないのでリスクがないということになりますね。」（あなた）「まぁ、仮の話であるからね。話の落ちはないの？」（私）「落ちは、その特許出願が出願後１年半で公開され、本来その製品を販売する会社がその公開公報を見て、設計変更して特許を回避した。それによって、特許権者は特許権を行使することができなかった。というのはどうですか？」（あなた）「ところで、未来は変えられるということを言いたい？」（私）「そこまで人生訓的なことを言いたいのではないのです。この話と同じようなことができたらどうします？」キーワード　特許権感想・質問・意見交換は下のコメント欄、いいことをそっと耳打ちしたい方は私書箱をどうぞ。【知らないということだけで損】　人気blogランキング　ブログポポタル知財活動　どのレベルですか？　　　本ページの先頭に戻る

  2005.08.01

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• 105 「広くて強い」じゃない「強くて広い」だ

  こんちくは。「知財活動　どのレベルですか？」の「特許はあるが、価格に変化する特許がない。（レベル５　その４）」についてです。特許戦略の参考にしてください。　　　前回　　次回（あなた）「前回は、２大戦略の話だったけれども、「広くて強い特許」を取りなさい。というスローガン、お題目があるじゃないですか。そうするためにはどうすればいい？」（私）「よく聞きますね。私は「「広くて強い特許」じゃない「強くて広い特許」だ」というのも聞いたことがありますよ。」（あなた）「ほほぉ。なんかいいね。」（私）「２つのニュアンスは確かに違いますけれどもね＊１。ただ、論理的に考えると同じことを言っているわけで、知財関係者が、このようなニュアンスに頼るようなことを言うのはあまり・・・と思いますね。」（あなた）「ところで、「強い」というのは？」（私）「一口で言うと、「相手が反論できにくい特許」ということでしょう。具体的には、他社が使わざるを得ない。設計変更できない（回避困難性）。無効理由がない。侵害を発見容易である。」（あなた）「「広い」というのは？」（私）「抽象的な記載や上位概念化と言われていますね。これは、具体的ではなくてわかりにくいものにしてしまうということになりかねません。そして、特許になりにくい（新規性、進歩性、記載不備等）ことになります。「強い」と「広い」という方向は逆方向に働きます。それで、なんで「広い」のがいいのかというと、将来は分からないからです。」（あなた）「強いというのはわかったけれども、広いというのはいろいろ問題がありそうだね。」（私）「次回は、もしも未来がわかったならばです。」＊１順接で、言葉が並んでいる場合は、重要性に沿った順番になっているのが普通です。「うまい、やすい、はやい」と同じですね。ちなみに逆接の場合は、後の方が重要ですね。例として有名なのが、「安いけど、うまい」と「うまいけど、安い」ですね。キーワード　特許権、広くて強い特許感想・質問・意見交換は下のコメント欄、いいことをそっと耳打ちしたい方は私書箱をどうぞ。【知らないということだけで損】　人気blogランキング　ブログポポタル知財活動　どのレベルですか？　　　本ページの先頭に戻る

  2005.07.22

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• 104 ２大戦略（その２）

  こんちくは。「知財活動　どのレベルですか？」の「特許はあるが、価格に変化する特許がない。（レベル５　その３）」についてです。特許戦略の参考にしてください。　　　前回　　次回（あなた）「前回は、２大戦略とその使い分けの話だったけれども、組み合わせとは？」（私）「例えば、ある業界の企業には使わせないが、その他の業界の企業であればライセンスするというようなものです。特許になっている発明は、自社が生産している製品のみで使うだけでなく、他の分野の製品にも用いることができるというような基本的な発明であるということであれば、自社と同じ業界にいるライバル会社に対してはライセンスしないが、自社と競合しない業界の会社であれば、積極的にライセンスしてライセンス料を得るということも考えられます。そのほかに、地域で分けるということもあります。自社の販売地域では、ランセンスはしないが、その地域以外ではライセンスするというように組み合わせることも可能です。」（あなた）「なるほど、わりといろいろな使い方ができそうだね。」（私）「知財戦略を企業戦略と密接に関連させなければならない所以です。」（あなた）「オープンといえば、標準化技術の特許だね。」（私）「標準化委員会等に参加して提案していたものの場合は、その会の規約上、多くはオープン戦略をとらざるを得ません。標準化という性質である以上、自分以外の他社も使わざる得ないものだからです。標準化に必要な特許発明を使用する際のライセンス料等の条件は、その会の規約に従うが、その標準化技術を製品にするにあたって、あったら使い勝手がよいというような技術については、規約に従う必要がなくなります。これらの技術についての特許を取得することは、ライセンス料の高額化を狙えます。」キーワード　特許権、オープン戦略、クローズド戦略感想・質問・意見交換は下のコメント欄、いいことをそっと耳打ちしたい方は私書箱をどうぞ。【知らないということだけで損】　人気blogランキング　ブログポポタル知財活動　どのレベルですか？　　　本ページの先頭に戻る

  2005.07.21

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• 103 ２大戦略

  こんちくは。「知財活動　どのレベルですか？」の「特許はあるが、価格に変化する特許がない。（レベル５　その２）」についてです。特許戦略の参考にしてください。　　　前回　　次回（あなた）「前回は、特許活用は難しいという話だったけれども、特許戦略とは？」（私）「特許権は独占排他権です。この本質を考えると、大きく２つの戦略に分かれます。」（あなた）「すなおに考えると、一つは、自分だけが実施して市場を独占するということだね。もうひとつは何？」（私）「もう一つは、他社にも実施させることを許す戦略です。前者をクローズド戦略といい、後者をオープン戦略といいます。」（あなた）「わりと単純だね？」（私）「権利としての活用を考えるとすれば、このような戦略にならざるを得ません。実際は、これらを使い分ける又は組み合わせるものになります。」（あなた）「使い分ける基準は何かある？」（私）「技術分野で使い分けることがよく行なわれています。ひとつ、または少数の発明で製品が作れてしまう分野では、クローズド戦略になります。わりと棲み分けが進んでいる業界です。例えば、化学、薬品関係の分野です。多数の発明がないと製品が作れない分野では、オープン戦略になります。製品を作ろうとすると必ず他社の特許発明を使わざるを得ないような業界です。例えば、電気、機械関係の分野です。また、他社製品との競合の状態によって使い分ける場合もあります。デファクトスタンダードになるような製品の場合、ライバルの技術を用いさせないで、自社技術による陣営を拡大したい場合は、オープン戦略になります。自社のみで製品を開発でき、販売も十分に対応できる場合は、クローズド戦略になります。」キーワード　特許権、オープン戦略、クローズド戦略感想・質問・意見交換は下のコメント欄、いいことをそっと耳打ちしたい方は私書箱をどうぞ。【知らないということだけで損】　人気blogランキング　ブログポポタル知財活動　どのレベルですか？　　　本ページの先頭に戻る

  2005.07.20

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• 102 他人のふところ

  こんちくは。「知財活動　どのレベルですか？」の「特許はあるが、価格に変化する特許がない。（レベル５　その１）」についてです。特許戦略の参考にしてください。　　　次回（あなた）「前回までは、特許を取るというか、特許狩りをすることだったけれども、その後の特許の活用は？」（私）「特許権を活用して、ライセンス料をいただくというのは「他人のふところに手を入れるようなものだ」と言われています。」（あなた）「それはまた、なぜ？」（私）「特許権は絶対権ですから、自分自身で考えたものを製品化した場合でも特許権を侵害することになり得ます。特にそのような場合は、相手側は何ら悪いことをしているつもりはないので、「ライセンス料を頂戴したい」と言われれば、猛烈に反発します。」（あなた）「反発するところが多いだろうけれども、そうでもないところもあるのでは？」（私）「反発しないとなれば、お金持ちか、特許制度を知らない事業者とあなどられカモにされます。逆に、反発はするが、特許制度を知らないなと思われるところに対しては、特許についての話し合いが成立しないので、訴訟をおこされ、戦いの場が裁判所に移ることになります。」（あなた）「なるほど、権利があるということだけでは全然お金になりそうもないね。」（私）「特許法自体では、特許権は独占排他権だということだけを言っているにすぎません。その独占排他権を用いて市場からお金を得なさい、という構図になっているのです。とすると、特許という武器を持っているということだけではお金になりませんし、かといってやたらと振り回すだけでは、有効に機能しませんし、もしかしたら諸刃の剣かもしれません。」（あなた）「なるほど、そうなると戦略というものが必要だね。」キーワード　特許権、特許権の活用感想・質問・意見交換は下のコメント欄、いいことをそっと耳打ちしたい方は私書箱をどうぞ。【知らないということだけで損】　人気blogランキング　ブログポポタル知財活動　どのレベルですか？　　　本ページの先頭に戻る

  2005.07.19

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• 0FC 知財活動　レベル４　まとめ

  こんちくは。「知財活動　どのレベルですか？」の「特許出願はしたが、特許を取得することが難しい。（レベル４）」のまとめです。■ ■ ■　■　■　 ■　 ■　　■　　■　 ■　 ■　■　■ ■ ■知財活動　どのレベルですか？■ ■ ■　■　■　 ■　 ■　　■　　■　 ■　 ■　■　■ ■ ■１特許の重要性がわからない。経営層が理解していない。２発明することは難しい。そもそも発明がない。３発明はあるが、特許出願のスキルがない。４特許出願はしたが、特許を取得することが難しい。　　差異化を図りながら、共感させることです。　↓　身につけるべき習慣とコツ・視点があります。５特許はあるが、価格に変化する特許がない。　レベル４　　　１　審査請求率、登録率　　　２　拒絶理由通知　　　３　拒絶理由通知の種類　　　４　一体、どうしたら特許になる 　　　５　拒絶理由は何が多い？　　　６　拒絶理由：進歩性への対応（その１）　　　７　拒絶理由：進歩性への対応（その２）　　　８　拒絶理由：記載不備への対応（その１）　　　９　拒絶理由：記載不備への対応（その２）　　１０　審査官　　１１　当業者　　１２　発明の同一性（その１）　　１３　発明の同一性（その２）　　１４　発明の同一性（その３）　　１５　ビジネスモデル発明に対する拒絶理由（その１）　　１６　ビジネスモデル発明に対する拒絶理由（その２）　　１７　ビジネスモデル発明に対する拒絶理由（その３）　　１８　ビジネスモデル発明に対する拒絶理由（その４）　　１９　拒絶理由通知対応の留意点（その１）　　２０　拒絶理由通知対応の留意点（その２）　　２１　発明の単一性　　２２　拒絶理由通知からサイテーション　　２３　周知技術　　２４　あまりお勧めしないのですがキーワード　発明、特許、知財活動感想・質問・意見交換は下のコメント欄か私書箱をどうぞ。【リピート】　人気blogランキング　ブログポポタル　【リピート】特許制度の基本　　　本ページの先頭に戻る

  2005.07.15

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• 0FB あまりお勧めしない

  こんちくは。「知財活動　どのレベルですか？」の「特許出願はしたが、特許を取得することが難しい。（レベル４　その２４）」についてです。差異化へ、身につけるべき視点の参考にしてください。　　　前回　　次回（あなた）「前回までは、拒絶理由への対応だったけれども、どうしても、なにがなんでも特許をとりたい。という相談を受けたらどうする？」（私）「あまりお勧めしないのですが、ある方法があります。」（あなた）「なになに？ワイロとか？」（私）「ワイロのような不正なものではありません。法律上は、何ら問題のないことです。」（あなた）「ならいいね。でっ？」（私）「本当に知りたいですか？　　　　本当ですね？　　　　後悔しないですよね。」（あなた）「何、影を売るわけじゃないよね。」（私）「冗談ですよ。新規性は絶対にクリアしていないといけません。そのためには、最低限特許公報を調べる必要があります。記載不備にならないように、特許出願明細書は十分に書く必要があります。」（あなた）「それじゃ、特許要件をクリアしていることと何もかわらないじゃない。」（私）「特許法が「拒絶理由を発見しないときは特許査定しなければならない」と書いてあるのですから、特許要件をクリアしなければならないのは当然のことです。拒絶理由があるのに発見させないようにしようとするのは不可能です。特に、さきほどの２つは必ずクリアしていなければなりません。これらは工夫のしようがありませんから。」（あなた）「まぁ、そりゃそうだ。いま言った２つ、新規性は、人まねでない限り、まったく同一ということはあまり考えられないね。記載不備かどうかについても、まるっきり空想でもない限り、なんとかなりそうだね。」（私）「特許要件以外にもうひとつ目に見えない壁が実はあります。」（あなた）「なに？」（私）「＊＊＊なので、＊＊＊という壁があります。」（あなた）「なるほど、その壁を乗り越えさせるには、どうすればいい？」（私）「＊＊＊を特許出願時からしておくのです。」（あなた）「う～ん、確かに当初の目的は達成しそうだね。いわゆるウィンウィン関係にあるから一概にお勧めではないというわけじゃないと思うな。それに、効果はあるね。特許公報を見ていて疑問だったことが、それでわかったよ。」キーワード　拒絶理由、特許査定感想・質問・意見交換は下のコメント欄、いいことをそっと耳打ちしたい方は私書箱をどうぞ。【不向きな仕事に挑戦することによって、進歩する】　人気blogランキング　ブログポポタル知財活動　どのレベルですか？　　　本ページの先頭に戻る

  2005.07.14

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• 0FA 周知技術

  こんちくは。「知財活動　どのレベルですか？」の「特許出願はしたが、特許を取得することが難しい。（レベル４　その２３）」についてです。差異化へ、身につけるべき視点の参考にしてください。　　　前回　　次回（あなた）「前回は、拒絶理由通知から引例をもとにしてサイテーションを作成という話だったけれども、拒絶査定の際に周知であるという引例があるのだけれども？」（私）「拒絶査定で、拒絶理由通知では記載されていない引例を挙げて周知だとするのがけっこうあるように思います。新たな引例に対して、反論の機会が与えられていないのではないかと思われるかもしれません。」（あなた）「そうなんだよね。十分な反論の機会が与えられていないという感じを受けるんだよね」（私）「参考になる判決があります。H11.12.28 東京高裁 平成10(行ケ)218 実用新案権 行政訴訟事件----------周知技術は、当業者が知らない間に審判官の手もとに集められるというような性質のものではなく、審判官も当業者も、当然の前提として熟知しているべき事柄であって、逐一示されなければその存在が分からないというものではないから、同項の趣旨からみても、周知技術が同項の「理由」に当たらないことは当然である。　なお、審決が周知技術として認定して判断の根拠とするものが真実は周知技術でないときは、それにより判断の誤りがもたらされることになり得るから、当事者が周知技術についての審決の認定を問題としてその誤りを主張することができるのは、いうまでもないことである。----------ということで、周知技術を査定時に挙げられても、そのことに対する反論は難しいようです。ただし、周知技術なのか否かを争うという手はありますね。」キーワード　拒絶理由、拒絶査定感想・質問・意見交換は下のコメント欄、いいことをそっと耳打ちしたい方は私書箱をどうぞ。【不向きな仕事に挑戦することによって、進歩する】　人気blogランキング　ブログポポタル知財活動　どのレベルですか？　　　本ページの先頭に戻る

  2005.07.13

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• 0F9 拒絶理由通知からサイテーション

  こんちくは。「知財活動　どのレベルですか？」の「特許出願はしたが、特許を取得することが難しい。（レベル４　その２２）」についてです。差異化へ、身につけるべき視点の参考にしてください。　　　前回　　次回（あなた）「前回は、特許法第３７条違反という拒絶理由への対応だったけれども、拒絶理由通知書の利用方法として何かいい使い方はないかな？」（私）「価値ある特許を見つけるというのは非常に困難です。それの指標の一つとして、サイテーション（Citation）というものがあります。つまり、特許庁の審査において、他の出願の拒絶理由の引例として挙げられている回数を測るというものがあります。これは、他の出願の引例として挙げられていれば、基本発明という可能性が高いだろうということです。特に、特許庁審査という信頼性が高い調査を経た結果ですからね。」（あなた）「なるほど、それによって有象無象の特許のなかから価値のありそうな特許を抽出しようということだね。でも、あまり日本では聞かないと思うのだけれども。」（私）「そうなんですよね。これは、米国で主に行われています。日本でも、拒絶理由が公開されて、拒絶理由通知書がタグ付きの電子文書になっていれば、容易に作れるはずなのですが。特許出願明細書はタグ付き文書になっているわけですから、拒絶理由通知書もタグ付き文書になればいいのですが。特許公報には、「参考文献」という欄がありますが、あれは拒絶理由通知書の引例とは多少異なっているようです。」（あなた）「特許出願明細書には「特許文献」という欄を設けて、先行技術文献を記載しなければならないから、あれも使えるかもしれないね。」キーワード　拒絶理由、拒絶理由通知書感想・質問・意見交換は下のコメント欄、いいことをそっと耳打ちしたい方は私書箱をどうぞ。【不向きな仕事に挑戦することによって、進歩する】　人気blogランキング　ブログポポタル知財活動　どのレベルですか？　　　本ページの先頭に戻る

  2005.07.12

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• 0F8 発明の単一性

  こんちくは。「知財活動　どのレベルですか？」の「特許出願はしたが、特許を取得することが難しい。（レベル４　その２１）」についてです。差異化へ、身につけるべき視点の参考にしてください。　　　前回　　次回（あなた）「前回は、限定解釈されないようにする中間対応の工夫だったけど、最近特許法第３７条違反という拒絶理由が多くなっているよね？」（私）「現在の特許法第３７条および関連条文は以下のようになっています。特許協力条約にならった規定にすることにより、国際調和を図ったものです。この改正は、平成１６年１月１日施行です。」特許法第37条　二以上の発明については、経済産業省令で定める技術的関係を有することにより発明の単一性の要件を満たす一群の発明に該当するときは、一の願書で特許出願をすることができる。特許法施行規則第25条の８　特許法第三十七条の経済産業省令で定める技術的関係とは、二以上の発明が同一の又は対応する特別な技術的特徴を有していることにより、これらの発明が単一の一般的発明概念を形成するように連関している技術的関係をいう。２　前項に規定する特別な技術的特徴とは、発明の先行技術に対する貢献を明示する技術的特徴をいう。３　第一項に規定する技術的関係については、二以上の発明が別個の請求項に記載されているか単一の請求項に択一的な形式によって記載されているかどうかにかかわらず、その有無を判断するものとする。（あなた）「以前の条文は？」（私）「以前は、次のような条文でした。平成１５年１２月３１日までの出願は以下の条文が適用されます。」第37条　二以上の発明については、これらの発明が一の請求項に記載される発明(以下「特定発明」という。)とその特定発明に対し次に掲げる関係を有する発明であるときは、一の願書で特許出願をすることができる。　一　その特定発明と産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一である発明　二　その特定発明と産業上の利用分野及び請求項に記載する事項の主要部が同一である発明　三　その特定発明が物の発明である場合において、その物を生産する方法の発明、その物を使用する方法の発明、その物を取り扱う方法の発明、その物を生産する機械、器具、装置その他の物の発明、その物の特定の性質を専ら利用する物の発明又はその物を取り扱う物の発明　四　その特定発明が方法の発明である場合において、その方法の発明の実施に直接使用する機械、器具、装置その他の物の発明　五　その他政令で定める関係を有する発明（私）「それぞれの審査基準は、以下のＵＲＬにあります。」平成１５年１２月３１日以前の出願に適用http://www.jpo.go.jp/shiryou/kijun/kijun2/pdf/tjkijun_i-2-old.pdf平成１６年１月１日以後の出願に適用http://www.jpo.go.jp/shiryou/kijun/kijun2/pdf/tjkijun_i-2.pdf（あなた）「対応はどうすればいいのかな？」（私）「実務的には、以下の通りです。（１）補正によって、単一性違反となっている請求項を削除する。（２）削除した請求項の価値判断を行い、特許を取得したい場合は、分割出願を行う。理論的には、補正せずに意見書で反論するということも考えられます。しかし、意見書のみの対応というのは、ほとんど行いません。上記の補正で確実に拒絶理由は解消するからです。実務的には、もう一つ理由があります。」（あなた）「でも、審査請求料が高いので、反論したい場合が増えるかもね。または、審査対象にならなかった請求項分の審査請求料を返還してほしいね。」キーワード　拒絶理由、発明の単一性、出願の単一性、単一性感想・質問・意見交換は下のコメント欄、いいことをそっと耳打ちしたい方は私書箱をどうぞ。【不向きな仕事に挑戦することによって、進歩する】　人気blogランキング　ブログポポタル知財活動　どのレベルですか？　　　本ページの先頭に戻る

  2005.07.11

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• 0F3 拒絶理由通知対応の留意点（その２）

  こんちくは。「知財活動　どのレベルですか？」の「特許出願はしたが、特許を取得することが難しい。（レベル４　その２０）」についてです。差異化へ、身につけるべき視点の参考にしてください。　　　前回　　次回（あなた）「前回は、意見書は必要最小限にしろ、だったけど、やはりどうしても書きたくなる場合が多いよね？」（私）「審査官と面接という手があるんですよ。」（あなた）「なるほど、審査官と面接して、事前にどこまで書けば認めてもらえそうかということを探るということだね。」（私）「それと決定的にいいことがあるんですよ。」（あなた）「何？」　耳元でコソコソ　「ふ～ん　なるほどね。確かに限定解釈できないだろうけれども、面接って労力かかるからね。」（私）「それ以外に意見書の書き方を工夫するという手もあります。」（あなた）「何？」　耳元でヒソヒソ　「なるほどね」キーワード　拒絶理由、出願経過参酌の原則感想・質問・意見交換は下のコメント欄、いいことをそっと耳打ちしたい方は私書箱をどうぞ。【不向きな仕事に挑戦することによって、進歩する】　人気blogランキング　ブログポポタル知財活動　どのレベルですか？　　　本ページの先頭に戻る

  2005.07.08

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• 0F2 拒絶理由通知対応の留意点（その１）

  こんちくは。「知財活動　どのレベルですか？」の「特許出願はしたが、特許を取得することが難しい。（レベル４　その１９）」についてです。差異化へ、身につけるべき視点の参考にしてください。　　　前回　　次回（あなた）「前回までは、ビジネスモデル発明に対する拒絶理由についてだったけど、中間対応一般についての注意は？」（私）「特許権を欲しいがために意見書等でいいすぎないことが大切です。」（あなた）「それは何で？いろいろ主張しておいた方が、権利を取得するためには必要なんじゃないの？何が審査官の気持ちを動かすかわからないからね。」（私）「拒絶理由に対応するために提出した意見書・補正書、それに対する審査官の判断等が、技術的範囲（権利範囲とほぼ同義）を解釈する際に参酌される場合があります。常に適用されるというわけでもないですし、議論あるところではあるのですが。ただ少なくとも均等論の要件の５番目に挙げられており、均等論を主張する場合は、検討される事項です。権利を取る前から均等論に頼るようなことをしてはいけませんけれどもね。この出願経過が参酌されると、権利が及ぶ範囲を狭くする方向に働きます。特許請求の範囲には、○○と書いてあるのに、意見書でこのように書いてあるから、この○○は、△△と解釈すべきだなどとなります。」（あなた）「とすると、意見書の内容は、必要最小限にする必要があるということだね。」次回は、その必要最小限とはどこかについてです。キーワード　拒絶理由、出願経過参酌の原則感想・質問・意見交換は下のコメント欄、いいことをそっと耳打ちしたい方は私書箱をどうぞ。【不向きな仕事に挑戦することによって、進歩する】　人気blogランキング　ブログポポタル知財活動　どのレベルですか？　　　本ページの先頭に戻る

  2005.07.07

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• 0F1 ビジネスモデル発明に対する拒絶理由（その４）

  こんちくは。「知財活動　どのレベルですか？」の「特許出願はしたが、特許を取得することが難しい。（レベル４　その１８）」についてです。差異化へ、身につけるべき視点の参考にしてください。　　　前回　　次回（あなた）「前回は、ビジネスモデル発明に対する進歩性の引例についてだったけど、発明の成立性については？」（私）「ビジネスモデル、ソフトウェア（プログラム）関係の発明を出願しようとする場合には、まず発明として成立させることを考える必要があります。そのために、私は、次のような工夫をしています。（０）扱うデータが自然物を抽象化したものであるならば、そのまま把握しても発明として認められます。（１）そのような対象でない場合、まず、アルゴリズムとデータ構造に分けて考えます。（２）そして、これらがコンピュータの制約にしばられているのかをみます。（３）コンピュータの制約があるのであれば、そのアングルから発明を把握します。（４）アルゴリズムが既存業務のモデル化になるような場合は、データ構造、データの取扱いに重点を移します。なぜなら、データ構造は、現実の状況つまり自然物を表現することになっているはずですので、「自然法則を利用して」いる可能性が高いからです。」キーワード　拒絶理由、ビジネスモデル感想・質問・意見交換は下のコメント欄、いいことをそっと耳打ちしたい方は私書箱をどうぞ。【不向きな仕事に挑戦することによって、進歩する】　人気blogランキング　ブログポポタル知財活動　どのレベルですか？　　　本ページの先頭に戻る

  2005.07.06

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• 0F0 ビジネスモデル発明に対する拒絶理由（その３）

  こんちくは。「知財活動　どのレベルですか？」の「特許出願はしたが、特許を取得することが難しい。（レベル４　その１７）」についてです。差異化へ、身につけるべき視点の参考にしてください。　　　前回　　次回（あなた）「前回は、ビジネスモデル発明に対する拒絶理由通知だったけど、進歩性の引例って特許公報以外のものもあるの？」（私）「もちろん、あります。特許法では、「刊行物」とだけあるので、別に特許公報に限る必要はないのです。」（あなた）「でも、圧倒的に特許公報（公開公報含む）が多いよね？」（私）「審査の内容としては、発明と発明とを比較するという作業になりますので、技術が発明として記載されている特許公報が引例として挙げられやすいのです。ですので、引例としては、特許公報が多いです。しかし、ビジネスモデル分野は、最近注目をあびたということもあり、あまり引例として挙げることができる特許公報の蓄積が多くないのです。そこで、審査の質が落ち、ビジネスモデルであれば、なんでも特許になるというような感じで受け取られた面もあります。」（あなた）「実際は、そういうことにもならなかった。何か、特別なデータベースでもあるの？」（私）「それについては、ＣＳＤＢ（コンピュータソフトウェアデータベース）があります。このデータベースには、マニュアル：約３万件、国内技術雑誌：約１３万件、非技術雑誌：約２万９千件等が蓄積されています。我々も検索できるようにはなっているのですが、著作権の関係で、内容を見ることができないのが使いづらいです。」キーワード　拒絶理由、ビジネスモデル感想・質問・意見交換は下のコメント欄、いいことをそっと耳打ちしたい方は私書箱をどうぞ。【不向きな仕事に挑戦することによって、進歩する】　人気blogランキング　ブログポポタル知財活動　どのレベルですか？　　　本ページの先頭に戻る

  2005.07.05

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• 0EF ビジネスモデル発明に対する拒絶理由（その２）

  こんちくは。「知財活動　どのレベルですか？」の「特許出願はしたが、特許を取得することが難しい。（レベル４　その１６）」についてです。差異化へ、身につけるべき視点の参考にしてください。　　　前回　　次回（あなた）「前回は、ビジネスモデル発明に対する拒絶理由のうち第３６条第６項第２号だったけど、３つの拒絶理由って、そもそもどのような拒絶理由通知なの？」（私）「以下のような拒絶理由通知です。」-----　この出願は、次の理由によって拒絶をすべきものである。これについて意見があれば、この通知書の発送の日から60日以内に意見書を提出して下さい。　　　　　理由理由1.　この出願の下記の請求項に記載されたものは、下記の点で特許法第29条第1項柱書に規定する要件を満たしていないから、特許を受けることができない。理由2.　この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。理由3.　この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前日本国内又は外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。　　　　　記(引用文献等については引用文献等一覧参照)　～-----（あなた）「なんで、３つの拒絶理由があるのかな？」（私）「前回、検討したように発明であるか否かは、特許請求の範囲の記載の方法にかかっている場合が多いのです。ですので、発明の成立性（特許法第２９条第１項柱書）と記載不備（特許法第３６条）とは拒絶理由になりやすいのです。そして、進歩性は一般の発明と同様に拒絶理由として多いものです。」（あなた）「進歩性における当業者が違うらしいけれども？」（私）「そうですね。審査基準には、「当業者」について、以下のように記載しています。-----当業者　特定分野に関するソフトウエア関連発明における当業者は、その特定分野に関する技術常識や一般常識（顕著な事実を含む）と、コンピュータ技術分野の技術常識（例えばシステム化技術）を有し、研究、開発のための通常の技術的手段を用いることができ、設計変更などの通常の創作能力を発揮でき、かつ、その発明の属する技術分野（特定分野とコンピュータ技術分野）の出願時の技術水準にあるもののすべてを自らの知識とすることができる者を想定したものである。　なお、当業者は、発明が解決しようとする課題に関連した技術分野の技術を自らの知識とすることができる。　また、個人よりも、複数の技術分野からの「専門家からなるチーム」として考えた方が適切な場合もある。-----つまり、進歩性を判断する当業者は、単にビジネスモデル分野あるいは計算機技術分野の片方の専門家というわけではなく、両方の知識を兼ね備えているという人を想定しています。その分、ビジネスモデル分野のみの専門家にとっては、高いレベルが設定されているといってもいいですね。」キーワード　拒絶理由、ビジネスモデル感想・質問・意見交換は下のコメント欄、いいことをそっと耳打ちしたい方は私書箱をどうぞ。【不向きな仕事に挑戦することによって、進歩する】　人気blogランキング　ブログポポタル知財活動　どのレベルですか？　　　本ページの先頭に戻る

  2005.07.04

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• 0EC ビジネスモデル発明に対する拒絶理由（その１）

  こんちくは。「知財活動　どのレベルですか？」の「特許出願はしたが、特許を取得することが難しい。（レベル４　その１５）」についてです。差異化へ、身につけるべき視点の参考にしてください。　　　前回　　次回（あなた）「前回までは、一般的な拒絶理由だったけれども、ビジネスモデル発明に対する拒絶理由は？」（私）「ビジネスモデル発明が特許法第３６条第６項第２号（特許を受けようとする発明が明確であること）違反になる場合について、審査基準では、以下のような例を挙げています。-----コンピュータを用いて、顧客からの商品の注文を受け付けるステップと、注文された商品の在庫を調べるステップと、該商品の在庫がある場合には該商品が発送可能であることを前記顧客に返答し、該商品の在庫がない場合には該商品が発送不能であることを前記顧客に返答するステップを実行する受注方法。-----このような発明が特許請求の範囲に記載されている場合は、第３６条第６項第２号違反になります。」（あなた）「この受注方法という発明は、人間でもできるから？」（私）「いいえ、違います。人間が操作する発明ということでは、ビジネスモデル発明以外の発明、例えば、～計測方法等は、発明として認められています。つまり、単に人間が主体であるということでは拒絶理由になりません。人間が主体であっても、「自然法則を利用した」思想である場合はあります。」（あなた）「とすると？」（私）「このような発明の記載のしかたでは（発明の把握では）、コンピュータが主体であるとも読めるし、人間が主体であるとも読めるので、発明が不明確であるということになります。つまり、１つの請求項の中に、２つの発明が含まれているように読めるからなのです。１つの請求項の中には、１つの発明のみが記載されていることが必要なのです。ですので、単に人間が主体だから拒絶されたわけではないのです。」キーワード　拒絶理由、ビジネスモデル感想・質問・意見交換は下のコメント欄、いいことをそっと耳打ちしたい方は私書箱をどうぞ。【不向きな仕事に挑戦することによって、進歩する】　人気blogランキング　ブログポポタル知財活動　どのレベルですか？　　　本ページの先頭に戻る

  2005.07.01

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• 0EB 発明の同一性（その３）

  こんちくは。「知財活動　どのレベルですか？」の「特許出願はしたが、特許を取得することが難しい。（レベル４　その１４）」についてです。差異化へ、身につけるべき視点の参考にしてください。　　　前回　　次回（あなた）「前回までは、新規性（特許法第２９条第１項各号）、拡大された範囲の先願（特許法第２９条の２）の判断手法だったけれども、先願主義（特許法第３９条）は？」（私）「拡大された範囲の先願（特許法第２９条の２）と先願主義（特許法第３９条）ですが、同一の判断について、審査基準には、以下のように記載されています。----------・２９条の２「請求項に係る発明が他の出願の当初明細書等に記載された発明又は考案と同一」とは、請求項に係る発明の発明特定事項と他の出願の当初明細書等に記載された発明又は考案（以下、「引用発明」という。）の発明を特定するための事項とに相違点がない場合、又は相違点はあるがそれが課題解決のための具体化手段における微差である場合（実質同一）をいう。-----・３９条出願日が異なる場合における請求項に係る発明どうしが同一か否かの判断手法（１）後願の請求項に係る発明（以下「後願発明」という。）の発明特定事項と先願の請求項に係る発明（以下「先願発明」という。）の発明特定事項に相違点がない場合は、両者は同一である。（２）両者の発明特定事項に相違点がある場合であっても、以下の（Ａ）～（Ｃ）に該当する場合（実質同一）は同一とする。（Ａ） 後願発明の発明特定事項が、先願発明の発明特定事項に対して周知技術、慣用技術（注１）の付加、削除、転換等を施したものに相当し、かつ、新たな効果を奏するものではない場合（Ｂ） 後願発明において下位概念である先願発明の発明特定事項を上位概念（注２）として表現したことによる差異である場合（Ｃ） 後願発明と先願発明とが単なるカテゴリー表現上の差異である場合（注１）「周知技術」とは、その技術分野において一般的に知られている技術であって、例えば、これに関し相当多数の公知文献が存在し、又は業界に知れわたり、あるいは例示する必要がない程よく知られている技術をいい、また、「慣用技術」とは、周知技術であって、かつ、よく用いられている技術をいう。（注２）「上位概念」とは、同族的若しくは同類的事項を集めて総括した概念、又は、ある共通する性質に基づいて複数の事項を総括した概念をいう。----------つまり、両方とも、「実質同一」という概念を用います。」（あなた）「でも、その判断の手法が違う？」（私）「そうなんですね。拡大された範囲の先願（２９条の２）では、「相違点がそれが課題解決のための具体化手段における微差である場合」。先願主義（特許法第３９条）では、３つの場合（周知・慣用技術の付加等で、新たな効果がない等）。」（あなた）「なんで、こんな違いがでてくるの？」（私）「趣旨が違うからなんです。拡大された範囲の先願（２９条の２）は、後願は「新しい技術を何ら公開するものではない」から特許すべきではない、ということです。先願主義（特許法第３９条）は、「重複特許を排除する」ということから同じ発明に複数の特許を発生させない、ということです。これらの違いから、判断手法も異なってきます。」キーワード　拒絶理由、新規性、拡大された範囲の先願、先願主義感想・質問・意見交換は下のコメント欄、いいことをそっと耳打ちしたい方は私書箱をどうぞ。【不向きな仕事に挑戦することによって、進歩する】　人気blogランキング　ブログポポタル知財活動　どのレベルですか？　　　本ページの先頭に戻る

  2005.06.30

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• 0EA 発明の同一性（その２）

  こんちくは。「知財活動　どのレベルですか？」の「特許出願はしたが、特許を取得することが難しい。（レベル４　その１３）」についてです。差異化へ、身につけるべき視点の参考にしてください。　　　前回　　次回（あなた）「前回までは、新規性（特許法第２９条第１項各号）、拡大された範囲の先願（特許法第２９条の２）、先願主義（特許法第３９条）の判断対象だったけれども、その判断手法は？」（私）「新規性（特許法第２９条第１項各号）と拡大された範囲の先願（特許法第２９条の２）ですが、引例に記載された発明について、審査基準には、以下のように記載されています。----------・２９条１項３号「刊行物に記載された発明」とは、刊行物に記載されている事項及び記載されているに等しい事項から把握される発明をいう。「記載されているに等しい事項」とは、記載されている事項から本願出願時における技術常識（注）を参酌することにより導き出せるものをいう。（注）技術常識とは、当業者に一般的に知られている技術（周知技術、慣用技術を含む）又は経験則から明らかな事項をいう。　なお、「周知技術」とは、その技術分野において一般的に知られている技術であって、例えば、これに関し、相当多数の公知文献が存在し、又は業界に知れわたり、あるいは、例示する必要がない程よく知られている技術をいい、また、「慣用技術」とは、周知技術であって、かつ、よく用いられている技術をいう。-----・２９条の２他の出願の当初明細書等に記載された発明又は考案とは、他の出願の当初明細書等に記載されている事項（注１）及び記載されているに等しい事項から把握される発明又は考案をいう。「記載されているに等しい事項」とは、記載されている事項から他の出願の出願時における技術常識（注２）を参酌することにより導き出せるものをいう。（注１）他の出願の当初明細書等に記載されている事項は、その後の補正により削除されても第29条の2の規定の適用には影響がない。（注２）技術常識とは、当業者に一般的に知られている技術（周知技術、慣用技術も含む）、又は経験則から明らかな事項をいう。　なお、「周知技術」とは、その技術分野において一般的に知られている技術であって、例えば、これに関し、相当多数の公知文献が存在し、又は業界に知れわたり、あるいは、例示する必要がない程よく知られている技術をいい、また、「慣用技術」とは、周知技術であって、かつ、よく用いられている技術をいう。----------つまり、引例となる対象は前回の説明のように異なりますが、記載された発明というのは、　記載されている事項から把握される発明　及び記載されているに等しい事項から把握される発明をいいます。」（あなた）「記載されているに等しい事項まで含めるのは、なぜ？」（私）「そもそも発明は言葉で表します。同じ発明（思想）でありながら、違う言葉で表されるということは多いです。むしろ、それが普通です。そして、技術知識というのは、いままでの基盤の上に成り立つものですので、技術常識を備えているという前提で発明の同一性ということを判断します。」（あなた）「確かに、その点は同じだけれども、もっとよく読むと違うことが書いてあるようにみえるけど？」（私）「そうなんです。ちょっと見落としやすいのですが、「記載されているに等しい事項」は、新規性（２９条１項３号）の判断では、本願出願時における技術常識を参酌拡大された範囲の先願（２９条の２）の判断では、他の出願の出願時における技術常識を参酌するなのです。つまり、技術常識の判断時期が異なります。新規性（２９条１項３号）は、審査対象である出願の時拡大された範囲の先願（２９条の２）は、引例の出願の時なんです。（あなた）「先願主義（特許法第３９条）の判断の手法は？　次回へ。」キーワード　拒絶理由、新規性、拡大された範囲の先願、先願主義感想・質問・意見交換は下のコメント欄、いいことをそっと耳打ちしたい方は私書箱をどうぞ。【不向きな仕事に挑戦することによって、進歩する】　人気blogランキング　ブログポポタル知財活動　どのレベルですか？　　　本ページの先頭に戻る

  2005.06.29

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• 0E9 発明の同一（その１）

  こんちくは。「知財活動　どのレベルですか？」の「特許出願はしたが、特許を取得することが難しい。（レベル４　その１２）」についてです。差異化へ、身につけるべき視点の参考にしてください。　　　前回　　次回（あなた）「前回までは、拒絶理由の主なもの（進歩性、記載不備）だったけれども、その他のものは？」（私）「拡大された範囲の先願（特許法第２９条の２）、これと判断が似ているのに、新規性（特許法第２９条第１項各号）、先願主義（特許法第３９条）があります。何が似ているかというと、発明の同一性ということを判断するからです。」（あなた）「何が違ってくる？」（私）「比べる対象が異なっています。もちろんの審査対象は、審査している特許出願の特許請求の範囲に記載されている発明です。そして、それと比べるのが、（１）新規性（特許法第２９条第１項各号）　出願時に既に、行われている講演会等の内容、販売されている製品等、公開されている刊行物等が対象になります。　拒絶理由通知にあげられる引例は、ほとんどが審査対象の出願時に公開されている特許出願等の公開公報です。（２）拡大された範囲の先願（特許法第２９条の２）　審査対象の出願よりも先に出願はされているが、未だ公開公報が発行されていない特許出願等の出願明細書等に記載された発明が対象になります。　公開公報は、一般的には、出願から１年６月後に発行されますので、審査対象の出願よりも１年６月以内に先に出願されたものが引例の対象になります。（３）先願主義（特許法第３９条）　先に出願され、または同日に出願され、特許された発明と同一か否かを判断します。　その対象は、互いに特許請求の範囲に記載された発明です。　判断の手法も少しですが、異なります。次回へ。」キーワード　拒絶理由、新規性、拡大された範囲の先願、先願主義感想・質問・意見交換は下のコメント欄、いいことをそっと耳打ちしたい方は私書箱をどうぞ。【不向きな仕事に挑戦することによって、進歩する】　人気blogランキング　ブログポポタル知財活動　どのレベルですか？　　　本ページの先頭に戻る

  2005.06.28

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• 0E8 当業者

  こんちくは。「知財活動　どのレベルですか？」の「特許出願はしたが、特許を取得することが難しい。（レベル４　その１１）」についてです。差異化へ、身につけるべき視点の参考にしてください。　　　前回　　次回（あなた）「前回は、他の特許出願を参考にするとその最大公約数のような形で、当業者というレベルがわかるということだったけど、どういうこと？」（私）「私が当業者です。なんて人はいません。審査官がどのようにして当業者というレベルを形成しているかを考えると、教育、先輩からの指導等ありますが、実際の審査の経験が主になるでしょう。そして、その審査は特許出願明細書を読むことになります。特許出願明細書は、特許出願人（代理人である弁理士）により書かれます。出願人は、これくらいが当業者のレベルだろうと考えて出願するわけですから、出願人の考えている当業者のレベルが審査官が形成する当業者のレベルに影響を与えます。とすると、出願人の総意と考えてもいいことになります。」（あなた）「なるほど、当業者とは我々出願人が作っているともいえるのか。まぁ、世論みたいなものかもね。」（私）「もちろんのことながら、世論を形成するリーダーであるオピニオン・リーダー的な人もいます。後の判断の基礎になるような判例を作っていく、審査官の判断に異を唱える出願人ですね。単に、審査官の判断が気に入らないというだけではありませんが。そして、その判例を審査基準に採用するか否かを考えている特許庁の審査基準室。」（あなた）「審査基準にはやたら判決が引用されているからね」キーワード　拒絶理由、当業者感想・質問・意見交換は下のコメント欄、いいことをそっと耳打ちしたい方は私書箱をどうぞ。【不向きな仕事に挑戦することによって、進歩する】　人気blogランキング　ブログポポタル知財活動　どのレベルですか？　　　本ページの先頭に戻る

  2005.06.27

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