天外消失:早川書房編集部
伝説の名アンソロジーが、ここに復活!そんなはずはない。汚職判事を尾行中の刑事たちは、片時も目を離さなかったのだ。だが、何の変哲もない電話ボックスに入った判事は、そこから煙のように消え失せてしまった!駆けつけた刑事たちの前には、ぶら下がったままの受話器だけが…世界ミステリ全集の最終巻として刊行された『37の短篇』は、古典風のパズラー作品から、ハードボイルド、クライムストーリーにいたるまで、傑作中の傑作を結集した画期的アンソロジーだった。三十五年の時を経て、その精髄がここに復活。密室不可能犯罪の極致ともいわれる、上記クレイトン・ロースンの「天外消失」をはじめ、ブレット・ハリデイの名作「死刑前夜」、メグレ警部登場のジョルジュ・シムノン「殺し屋」、スパイ小説の巨匠アンブラーの本格ミステリ「エメラルド色の空」など多士済々の十四篇を収録。(「BOOK」データベースより)ジャングル探偵ターザン(エドガー・ライス・バロウズ)/死刑前夜(ブレット・ハリデイ)/殺し屋(ジョルジュ・シムノン)/エメラルド色の空(エリック・アンブラー)/後ろを見るな(フレドリック・ブラウン)/天外消失(クレイトン・ロースン)/この手で人を殺してから(アーサー・ウイリアムズ)/懐郷病のビュイック(ジョン・D.マクドナルド)/ラヴデイ氏の短い休暇(イーヴリン・ウォー)/探偵作家は天国へ行ける(C.B.ギルフォード) 30数年前に出された 『世界ミステリ全集』全18巻の最終巻を飾った名アンソロジー 『37の短篇』の復刻版です。なぜ14篇しかないかというと、他の短篇集や傑作集に未収録の作品を 選びだしたとのこと。今ではなかなか手に入らない作品ばかり というだけでも、価値があります。内容もバラエティに富んでいて、飽きさせませんでした。最初の作品から、ターザンが主人公というところで驚かされますし……(笑)私はクレイトン・ロースンの 『天外消失』が目当てで読みましたが、偉大な奇術師・グレート・マーリニーならではの謎解きに、満足しました。そのほかでは、ブレッド・ハリディの『死刑前夜』が、キレがよくて好きでした。騙されて喜んでいれば、世話はないですね。残りの23篇も読んでみたくなりました。 天外消失