金色の巫女に捧ぐ
【中古】afb 金色の巫女に捧ぐ ランダムハウス講談社文庫/メアリー・ジョーパトニー【著】,村山美雪【訳】復讐の物語が好きだ近所の本屋で見たことのないメアリー・ジョー・パトニーの本を見つけた。内容は、復讐もの。迷わず買うことにした。19世紀イングランド。カフィリスタンの王子カミールは、間もなく男爵となるウェルドンに復讐するためにはるばるやってきた。資金と人脈、準備は怠りない。25年もの間その目的のためだけに生きてきたといってもいい。ウェルドンは、公爵令嬢サラとの結婚を控えており、カミールはそれもひとつの手段として利用することを思いつく。とても骨太な物語だ。細部にまで神経が行き届いていて、読んでいて夢中になれるほど。カミールの計画は非情だが、冷酷な感じはしなかった。後半まで復讐の動機が明らかにされないが、その理由は痛々しかった。復讐は救いにはならない。計画の行き着く先が、誤算であっても、読後感はよかった。