琥珀色の瞳の家庭教師 [ ビクトリア・ホルト ]
【送料無料】琥珀色の瞳の家庭教師 [ ビクトリア・ホルト ]3ヶ月くらい積んだままにしておいた本書。ジェーン・エアみたいな話だと聞いていたので、あまり読む気が起こらなかった。ヴィクトリア・ホルトは、「ゴシックロマンスの女王」なのだとか。そのわりには翻訳本は少なくて、私は1冊しか読んだことがない。それはさておき・・・・・ヴィクトリア・ホルトの小説は、なんともいえない独特の雰囲気に包まれている。ヒストリカルにはピッタリの空気感ではあるのだが、そのなかで、一癖も二癖ももある登場人物に翻弄されるのだ。主人公も読者も。主人公は結婚をあきらめ、家庭教師として生きる選択をしたマーサ。彼女一人称で物語は進む。マーサは本人が思っているほど魅力がないわけではなく、そのかたくなさから敬遠されるタイプのようだ。教え子のアルヴィーンは手に負えない少女で、その父親コナンは娘に関心がない。母親は亡くなって間もないのだが、その死は謎に包まれている。当初、その母親は生きているのではと思わずにはいられなかった。(「ジェーン・エア」は忘れて読むことをおススメする)考えていたよりもサスペンス要素が強く、一人称であるがゆえに、情報があまり多く得られないのは確か。途中から面白くなってきたので、最後まで読んでよかったと思う。まあ、犯人はすぐにわかってしまうのが、ロマンス小説の欠点ではあるのだが。