渡辺明名人。現役最強が購入した高級パソコンの件。
名人・棋王・王将の三冠を保持する序列一位の棋士です。その彼が研究のためにパソコンを購入したという記事を読みました。総額130万円するそうです。あの藤井聡太の自作パソコンはCPUだけで50万円、総額80万円だそうですが、それと比べても相当高額のパソコンです。 で、彼にそれだけ高額のパソコンを勧めたのが現役弁護士の人でした。杉村達也弁護士です。杉村は趣味でコンピュータ 将棋「水匠」(すいしょう)を開発し、2020年のコンピュータ将棋選手権オンライン大会で優勝するというすごい実績を持っています。 弁護士がプログラミングというと文系と理系の両極端な感じがしますが、多少プログラミングの経験がある私から言わせると弁護士は強いかもしれません。法律そのものがプログラミング的構造を持っているからです。if( ){ }などという文はそのまま法律の条文の構成です。ある状況下で効力を発生する文章が複雑に絡んでいるのが法律です。ときに矛盾する文章が生じたら発生させる条件を分けて実行させます。 ディープラーニング系のソフトを搭載し1秒間に8000万手読むコンピュータを使って研究する渡辺明名人。彼は強くなるのでしょうか? 負けにくくはなるかもしれませんが、強くなるかどうかはわかりません。実はディープラーニングでは決定的な詰みの読みが甘いらしい。実際の対戦では多くの将棋ソフトはわざわざ詰将棋エンジンを並列して走らせているそうです。しかし詰将棋は王手の連続がルールです。必勝手が必ずしも王手の連続である必要はありません。有利な手が必ずしも必勝手ではないというのが面白いです。 上杉謙信が川中島合戦で武田信玄と対峙したとき「うまい手は誰でもわかる、だから私はあえて悪い手を用いて相手を死地に誘い込む」というような意味のことを言っています。それが挟み撃ちするはずだった武田軍山本勘助の献策であるキツツキ戦法を見破るのです。上杉軍は夜間のうちに山を降り武田軍を一時窮地に追い込み山本勘助は戦死します。 一見悪い手が実は敵を欺くための妙手だったというのは実戦ではよく見かける風景です。背水の陣という言葉もあります。有利な手の積み上げが勝利に必ずしも結びつかないということは歴史上当たり前のように起きています。 ディープラーニングの先にある将棋の風景が果たして魅力あるものかどうかはわかりません。やはり最後は人の独創性というものが試されることになるでしょう。研究の結果、ひょっとしたら将棋のルールそのものが変わるかもしれませんね。 Destiny 体験版を遊びつくしてみた。 貴婦人の乗馬他 オーケストレーションにほんブログ村↑ストーリーをつくるのは本当に面白いです。これでオリジナルな漫画かイラストが書けるといいのですが・・・がんばります! もう一つのアリとキリギリスby 倖和(サチナゴム)