祖母のリハビリでしていること
私は毎日祖母と母の施設に通っています。認知症の祖母には心のリハビリ、糖尿病で寝たきりの母には体のリハビリをするためです。「体のリハビリは想像がつくけど、心のリハビリって、どんなことをしているの?」と思われるかもしれませんが、私は精神科医ではありませんから、特別なことをしているわけではないのです。ただ一緒に日常の普通のことをしているだけです。昼食の時に一緒に居て見守り、食べようとしなかったら「美味しそうなね」とか「ちょっと味見だけしてみて、どんな味がするのか教えて?」とか言って食べることを促したり、食べ終わったら洗面所に連れて行き、歯ブラシを持たせて入れ歯を洗うのを手伝って、トイレに連れて行って用をたすのを手伝う。そして散歩に連れて行く。毎日なにげない動作の繰り返しですが、同じ事を繰り返していることが認知症の祖母には「次は何をしたら良いんだろう」・・・と分からなくなってパニックにならないので、良いのだと思うのです。一緒に居て特に良いな・・・と感じるのは、洗面所で水に触れたり、散歩で外の空気や日差しを浴びたり、好きな花を見ている時です。「気持ち良い」と感じるのか祖母の表情がとても柔らかくなります。物の数が気になる祖母は散歩に連れて行くと、建物の階数や、駐車場に止まっている車の数や、植木の花のプランターの数を数えだします。そんな時には私も一緒に声を出して数えて、答え合わせをします。合っていたら「婆ちゃんすごいね~よく分かったね~」と褒めます。歌を唄いだしたら、一緒に唄います。祖母が心地よいと感じたことや興味を示したことを一緒にやる・・・・これが私が祖母にしている心のリハビリです。