美味しくて簡単に介護食を作るために・・・
いつも祖母の施設に昼食の時に行っているのですが、出されている食事を見ると、栄養士さんの熱意がすごく感じられます。噛む力が弱くなっているお年寄りのために、食材一つ一つを一旦ペースト状にしてから型に入れて形を整えて出されています。煮しめなら全部の食材をミキサーにかけてドロドロになって何が入っているか分からないような料理を出しているところもありますが、ここは人参・牛蒡・・・形や色などから見た目で何か分かるようにしてあります。でも、これってすごく大変だな・・・自宅ではとてもできないな・・・って思います。 凍結含浸法・・・ってご存知でしょうか?広島県立食品工業技術センターが開発し特許を持っている技術です。まず食材を凍結して食材内の水分が膨張する力を利用して、細胞間の隙間を広げます。その後解凍して細胞同士をつないでいるペクチンを分解する酵素のペクチナーゼを食材に浸透するために酵素液を入れた袋に食材を入れて、中の空気を抜いてギューと5分くらい減圧するのです。この方法をすることで、食材の形はそのままですごく軟らかくなって、噛む力の弱っているお年寄りの介護食に使え、酵素液に調味料を混ぜておけば、一緒に食材の中に浸透させることができ、加熱時間も少なくて済むので、栄養も失われないそうです。この方法は広島県が特許を取っているので、この方法をやってみたいと思われたら、管理栄養士さんがセンターで技術指導を受けてからでないといけないようです。また、広島県のベンチャー企業が、野菜の凍結含浸専用介護食製造補助剤の「VgTORONベジトロン」を開発しました。今後は肉用・魚用と開発されていくんだろうな・・・と思います。食材を真空パックする機械はすでに一般でも購入することができるから、いつか家庭でも簡単にできるようになって、在宅介護がちょっとでも快適になれば良いな・・・と思いました。