逆さまの日本地図…(11/26)
日本列島は東アジアの架け橋 日本を中国大陸の方から見た地図のことは、今年10月20日の本ブログで書いている。 ↓ http://plaza.rakuten.co.jp/shigedoraku/diary/201210200000/ 上の記事で取り上げたのは今の中学生が使っている中学校社会科の地図帳に掲載されているもの(「中学校社会科地図」帝国書院H24)である。過去の歴史をたどれば、日本海岸が実は「表日本」だったという内容の文を書いていた。 実は富山県は、「富山が環日本海の拠点である」という趣旨で、すでに1994年に同じような地図(通称逆さ地図)を作成していた。地図作成のきっかけは国土地理院が日本列島の重心は富山県にあると発表したことだったという。今年8月その改訂版を出したら、視点のユニークさから人気が出て問い合わせが増えているという。「逆さ地図についての記事」(改訂後だけでも、すでに1,400部が売れたという~2012年11月26日 佐賀新聞) これと同じようなことが、先日買った網野善彦(歴史学者 1928-2004)の「歴史を考えるヒント」という本の中にも、下記のように触れられてあった。 左に掲載した地図は、富山県が作成した環日本海諸国図というものですが、これを見ると我々が当然のように日本は「孤立した島国」であるなどと言っているのが、いかに地形を無視した無茶な考え方であるかが、よくおわかり頂けると思います。「日本は孤立した島国ではない」(「日本列島はアジア大陸の南と北とを結ぶ架け橋...」~「歴史を考えるヒント」より) これは、日本列島を、通常とは異なり南北を逆転させて、大陸から見る形にしただけの地図ですが、これで見るとよくわかるように、日本海はほとんど湖同然の内海です。その周囲の列島は、実は全部狭い海で繋がっていると考えることができます。対馬と朝鮮半島の間は非常に狭く、対馬からは朝鮮半島がよく見えますし、サハリンと大陸の間も結氷したら歩いて渡れる狭さです。サハリンと北海道の間の海峡も、流氷に乗って動物が渡ってくることは容易であろうと思われます。 以上、引用は「歴史を考えるヒント」(網野善彦:新潮文庫 2012.9) 富山県が作成している「逆さ地図」改訂版は「環日本海・東アジア諸国図」という。B1版で縮尺は450万分の1。富山県民会館内の富山県刊行物センターで1部300円で販売中。<問い合わせ先> 〒930-0006 富山市新総曲輪4-18 富山県民会館内 富山県刊行物センター 〈TEL:076-432-3111〉