ダビドフ「リミテッドエディション2017」
100gで12,000円、50g換算で6,000円というこの煙草の定価設定は、一般的な50g丸缶のパイプ煙草が2,000円前後ですから、その3倍の価格という事になります。高額なダビドフのレギュラーラインの50g丸缶でさえ、今は4,100円ですから、それの1.5倍です。こんな高額な価格設定は、いくら限定品とは言え、法外なのではないかと思うのですが、購入したお店の店員さん曰く、 「ダビドフの葉巻は、1回1本の喫煙で3,000円とか4,000円になりますから、葉巻メインで吸ってらっしゃる方からすれば、12,000円で20回以上も吸えるのでお得に感じられるのだそうです。」 との事。・・・何だかなぁ。 という事で、今回はダビドフの「リミテッドエディション2017」をレポートします。果たして、普通の煙草の3倍も美味しいのでしょうか。(笑) 開封時の香りは、かなり強い柑橘系です。ミカンとレモンの中間辺りの酸味が感じられ、一部に何かの花のような香りも感じます。カットは基本的にラフカットですが、一部にキューブカットらしき欠片や、ブロークンフレイクらしき欠片も見られます。湿気は渇き気味です。 これを火皿内径20mmのパイプに詰めて着火しますと、ミカンに砂糖を塗したような柑橘の味と、やはり強めの柑橘の香りが来ました。香りにはちょっとバニラも混ざっていて、甘めの香りになっています。ここまで味も香りも、糖度の高い種類の柑橘類になっている煙草は、今まであまり記憶がありません。マックリントックの「オレンジドリーム」が近いと思いますが、それよりももっと柑橘が強い感じがします。 火付きと火持ちは良いです。少し燃えやすいのか、漫然と吸っていると少し嫌な腐敗臭が混ざるような気がします。控え目に吸った方が良いです。 喫煙中盤でも強い柑橘系の喫味が続きます。ただ、やはり時々嫌な腐敗臭が出るのが気になります。それは何かの薬品的な匂いでもあります。また、味にはブラックキャベンディッシュのベースとなっていると思われるバーレー葉から来ているらしき渋味が少しあって、甘さや酸味を少し遠ざけているような感触があります。 喫煙終盤も基本的には柑橘の喫味が続きますが、微妙にバニラが強まったような気がします。また、あの嫌な腐敗臭に鼻が慣れたのか、或いは腐敗臭を出さないようにする吸い方が出来るようになったのか、この段階ではあの匂いが余り気にならなくなりました。まぁ、それにしても柑橘が強い喫味です。それに何かの花のような香りも混ざっているので、何だか柑橘系の香水とか芳香剤とかを嗅いでいるような感覚があります。ダビドフは香水も作っているブランドなので、こういう香り作りは通じる所があるのかも知れません。 という事で喫煙終了。後味も残り香も柑橘系でした。 全体的に見て、あの腐敗臭には注意する必要があるかも知れませんが、一貫した柑橘の喫味が美味しい煙草でした。ここまではっきりとした強い柑橘系の煙草は珍しいと思います。 で、一般的なパイプ煙草の3倍の価値があるかどうかですが・・・。う~ん、どうでしょう、これ程強い柑橘系の煙草は珍しい事は珍しいので、それは一つの理由にはなるかも知れません。また、着香煙草としては上手く作られていますし、前述のように比較対象をダビドフの葉巻とするのも一つの見方だと思います。でも、やっぱり私としては3倍の価格に見合っているとは、ちょっと言い難い気がします。 ダビドフの50g丸缶レギュラー品は、米国の某ネットショップさんでの売価で見ると、実は同店で売られているダン・タバコ社のレギュラー品より安かったりします。即ち、ダビドフのパイプ煙草の異常な高価格設定は、日本の輸入元の販売戦略によるものなのです。決して元から高い訳ではないのです。それを考えると、日本におけるダビドフのパイプ煙草の高い価格は、適正な価格とは言えないような気がします。煙草の内容は良いけれども、その異常な高価格設定があるために、トータルでの評価は下げざるを得ないといった所でしょうか。 ちょっと考えさせられる煙草です。[一貫した煙草ブログは此方 Click!]