ピーターソン「ワイルドアトランティック」
今年に入ってからピーターソンのパウチ物パイプ煙草が4銘柄も一気に日本で発売になりました。内容はバニラ着香とチェリー着香、バージニア&バーレーブレンド、それにラタキア物も一つあり、とても多彩なラインアップになっています。ただ、価格的には40gで1,300円となっており、これは50g換算では1,625円と、同社の缶物50g1,750円にかなり近い金額です。缶のコストを考えると、ほとんど同じグラム単価と言えそうです。パウチ物にしては高額な銘柄です。 今回は、その四つの新銘柄の内、ラタキア物の「ワイルドアトランティック」をレポートします。 開封時の香りは、軽めのラタキア臭ですが、どちらかと言うと普通のオリエント葉の熟成臭≒鰹出汁臭が強いように感じられます。また少し着香してあるのか、微妙に果物系の香りも感じられます。カットはかなり細かいリボンカットとラフカットの混合で、湿気は普通でしょうか。 これを火皿内径20mmのパイプに詰めて着火しますと、非常にマイルドな味と香りが来ました。ラタキアらしい出汁系のコクとちょっとした塩味、それに甘味のないアボガドのような円やかな果物味がブレンドされて薄まったような味です。香りも大筋で同じような方向性で、こちらもかなりマイルドな感じです。塩味を割りと明確に感じるので、「アトランティック」という名前に相応しいとは思いますが、だいぶマイルドなタッチなので「ワイルド」ではないような気がします。もっとも、味の構成は割りと大雑把で、緻密な感じはありませんから、その意味では「ワイルド」かも知れません。 火付きと火持ちはかなり良いです。これまで吸ってきたラタキア物の中では一番良く燃えるように感じます。ですから燃やし過ぎには注意したい所です。 喫煙中盤も同じ喫味が続きます。微妙に円やかな果物系の味があるので、少し着香してあるように思うのですが、この段階でも変わらずその味があるので、もしかしたらナチュラルにそういう味が出ているのかもしれません。 喫煙終盤でも喫味は変わらなかったので、微妙な果物味は着香ではなかったようです。という事で喫煙終了。後味はラタキア系の出汁味に甘味の少ない果物を混ぜたような感じで、残り香は軽いラタキア臭でした。 全体的に見て、マイルドで取っ付きやすいラタキア物だったと思います。ただ、あの果物味や塩味がもう少し前に出てきていれば、それが個性となって面白いラタキア物になっていただろうと思うのですが、やはりラタキアの味の方が支配的で、そういう意味では世間一般のラタキア物の範疇に納まっている煙草でした。 重量単価が少し高いですが、数少ないパウチ物のラタキア銘柄なので、そういう部分での存在意義はあろうかと思います。ラタキア物の入門用としても良いかも知れません。[存在意義のある煙草ブログは此方 Click!]