ラットレー「ブラックバージニア」
いやぁ、如何にもベテランスモーカー向けな雰囲気の缶デザインです。ラットレー100g缶初挑戦の今回は「ブラックバージニア」です。真っ黒にまるまで熟成させたバージニア葉だけのストレートのようなのですが、いったいどんな煙草なのでしょう。 開封時の香りは、カラメルのような甘味の中に苦味を感じる、ある意味コーヒー牛乳のような独特のもので、こういう香りは私としては初めてです。カットは、リボンカットを細かく切り刻んだようなラフカットで、色はほぼ真っ黒。湿気は少なめ、やや乾燥気味の手触りです。 これを火皿内径22mmのパイプに詰めて着火しますと、やや苦味の強い上品なコーヒー牛乳のようなミルキーな甘味と苦味が来ました。ある種のコーヒーにもある微妙な酸味も感じます。ただし、この味と香りはガツンと来るような類ではなく、飽くまでマイルド且つ控えめな感じで来ます。 ほほぅ、これはなかなか・・・。 この甘味と苦味と酸味の上品で微妙なバランスが、非常に素晴らしい。流石に100g4,500円とそこそこの値段の煙草だけの事はあります。この煙草は非着香だろうと思うのですが、人為的な香り付け無しのバージニア・ストレートでここまで絶妙で独特な味と香りを良くも出せたものだと感心してしまいます。 火付きと火持ちは、乾燥した手触りの割りには普通で、特に燃え過ぎて困るという事はありません。むしろ、しっかりした火持ちであるにも関わらず、燃え進みは遅い方かも知れません。そういう意味では、ラフに吸っても乱れにくい、吸いやすい煙草だと思います。 喫煙中盤から少し調子に乗って強めに吸って行くと、煙がややスモーキーになって、これはこれでなかなか美味しく楽しめます。煙草感が強くなる感じです。ただし、それで酸味がやや強まるものの基本的な味わいは変化せず、そういう意味では常喫的に淡々と吸うのが似合いそうな雰囲気です。 そして喫煙終盤でも同じ感じで続き、喫煙終了。後味は薄い苦めのコーヒー牛乳で、残り香はコーヒー入りの焚き火という感じでした。 全体的に見て、バージニア・ストレートでこういう味を出せるのかという驚きに満ちた喫煙だったと思います。また、マイルドで控えめなコーヒー牛乳味は、日常的に淡々と吸う常喫用には非常に適しているでしょうから、そういう意味で100g缶という設定は適切かと思います。ただし、常喫にするには価格がやや高いので、その部分でちょっと踏み切れない部分はあろうかと思います。 バージニア葉のストレートで独特な味わいを出していると言えば、マクレーランド社のケチャップ味が思い出されますが、今回の「ブラックバージニア」のコーヒー牛乳味もそれに勝るとも劣らない独自の世界があるように思います。バージニア・ストレートの振り幅の大きさを実感できる美味しい煙草でした。[絶妙で独特な煙草ブログは此方 Click!]