ロバート・マッコーネル「ハイゲート」
ロバート・マッコーネルのダンヒル・レプリカもいよいよ最後の銘柄となりました。「ハイゲート」です。この銘柄を最後に持って来たのには理由があって、それはこのシリーズの中で「ハイゲート」の価格が最も高いからです。同シリーズの殆どの銘柄の価格は2,090円で、同じくフレイク物は2,300円となっているのですが、この「ハイゲート」だけは2,600円となっています。同じシリーズなのに、これだけ飛び抜けて価格が高いという事は、この銘柄にかなり力を入れている事の証です。いったいどんな煙草なのでしょう。 この煙草が一昨年に発売になった時は「イクリプス」という名前でした。旧ダンヒルの「デラックスネイビーロールス」のレプリカだそうです。旧称と本家の名前とは全く似てないと思うのですが、どうして名称変更したのでしょう? それと旧ダンヒルの「デラックスネイビーロールス」という煙草は、日本には輸入されていなかったと思います。勿論、私も吸った事はありません。 ・・・分からない事が多いですが、とにかく開けてみましょう。 開封時の香りは、発酵の進んだ干草系です。この煙草はバージニア&ペリク(Va&Pe)のブレンドなのですが、成程、そういう煙草の香りです。・・・う~ん、ペリクがちょっと多めかな? カットは、直径40mmくらい、厚みが1mmちょっとくらいのコインカットです。コインカットのレギュラー品の新製品なんて、嬉しいじゃありませんか。もしかしたら、シリーズで一番高い値付けの理由は、このコインカットにあるのかも知れません。煙草の湿気は、この手の煙草としては普通だと思います。 このコインカット2枚を適当に丸めて、火皿内径20mmのパイプに詰めます。コインカットの直径が40mm程度とかなり大きいので、内径20mmの火皿だと2枚で十分です。これで着火します。そうしますと、如何にもそれらしいVa&Peな味が来ました。漬物系の酸味と旨味、それと砂糖の甘味を加えた紅茶系の味です。開封時の香りから、ペリクがちょっと多めかなと思ったのですが、実際に吸ってみると、これならこれで良いバランスです。 ・・・う~む、私は基本的に煙草の好みは着香派なのですが、非着香で選ぶとしたら、やっぱりVa&Peが一番好きです。その事を改めて思い出させる美味しさが、この煙草にはあります。旨味と甘味と酸味のバランス、味の濃さ、奥深さ・・・。かなり完成度の高い煙草だと感じます。 火付きと火持ちは、こういうカットの煙草としては標準的だと思います。ラフカットやリボンカットの煙草と比べると悪いですが、テクニック的に普通に吸える範疇だと思います。 喫煙中盤以降も喫味の変化はありません。豊かな旨味があるので、いつもより唾液が多めに出ます。美味しい煙草です。ただ、いい気になってスパスパやって温度を高めにしてしまうと、味が薄くなって旨味が後退するようなので、大事にゆっくり吸いたい所です。 喫煙終盤で残りの葉が少なくなってくると、流石に味が薄くなって来ました。まぁ、この辺はしょうがないかな。そろそろ喫煙も終了です。 という事で喫煙終了。後味は甘味と旨味、残り香は少し甘い感じがする焚火系でした。 全体的に見て、非常に良く出来た美味しいVa&Pe系コインカット銘柄だったと思います。旨味と甘味と酸味のバランスが良く、熟成の度合いも適度に深めで、喫味に奥行きがあります。勿論、タンバイトの類は全くなく、非常に快適な喫煙が出来ます。 本家である旧ダンヒルの「デラックスネイビーロールス」を吸った事がないので、それをこの煙草がどれ程再現できているのかは分かりませんが、そんな事どうでもいいと思わせる程の完成度の高さがあります。こういう煙草が作れるのであれば、ダンヒルの撤退云々に関係なく、普通に出しても良かっただろうにと思います。 貴重なコインカットのレギュラー銘柄という事もありますし、今回の「ハイゲート」は案外人気銘柄になりそうな予感がします。今日本に輸入されているコインカットのレギュラー品は、今回の「ハイゲート」の他には2銘柄しかありません。一つは法外な価格の上に、滅多に店頭に出てこないダビドフ「フレイクメダリオンズ」で、もう一つは、単価は「ハイゲート」より安いものの、100g缶での販売なので手を出し難いコモイ「カスク No.7」です。この二つに比べると、「ハイゲート」はスペック的に如何にも普通です。ですから、コインカットの煙草を試すなら、「ハイゲート」が一番手を出しやすい煙草だと思うのです。しかも、この美味しさ。 「ハイゲート」はレプリカ云々を忘れて、純粋にお薦め出来る銘柄です。[人気の煙草ブログは此方 Click!]