ロバート・マッコーネル「メリルボーン」
パイプ煙草から撤退したダンヒルに代わって、人気のあったダンヒル銘柄(製造はSTG)のレプリカをロバート・マッコーネル(製造はコールハス)が昨年発売しましたが、余りにも似た名前と缶デザインの煙草を無許可で発売したため問題となり、結局それらのレプリカは短期間で販売終了となりました。私もこの段階のレプリカ煙草は幾つかしか入手できませんでした。 ところが、ロバート・マッコーネル社としても一度始めた商売を直ぐには止められないようで、今度は新たな缶デザインとかなり違った名前で同じ煙草を発売しました。缶デザインも名前も随分と違うので、事前の知識がなければダンヒル・レプリカとは気付かないようになっています。このダンヒル・レプリカのシリーズは全18銘柄あり、この秋にそれら全てが日本に入って来ました。 ただ、どうなんでしょう。STG製旧ダンヒル銘柄については、同じくSTGが製造しているピーターソンにそのまま引き継がれる事が決り、既にピーターソン銘での供給が海外では始まっています。つまり、そのままの本物がブランドだけ換えて再デリバリーされ始めた訳です。こうなると、レプリカを製造販売する意義は殆どなくなります。もしかしたら、ロバート・マッコーネルのダンヒル・レプリカのシリーズは、名前を変えてもやっぱり短命で終わるかも知れません。・・・いや、言われなければレプリカとは分からない名前なので、同社の普通のラインアップの新製品として、そのまま売られ続けるかも知れません。どっちに転ぶかは、売れ行き次第なんでしょう。 という事で、ロバート・マッコーネルのダンヒル・レプリカのリニューアルバージョンをこれから集中的にレポートしていきます(ただし、旧名称の時に既にレポートしている銘柄については、再喫煙草として軽いレポートに留めます。) 一回目の今日は「メリルボーン」です。 ロバート・マッコーネル「メリルボーン」の旧称は「マイミクスチャー999」です。この旧称はダンヒルの「マイミクスチャー965」にそっくりですよね。・・・つまり、そういう事です。(笑) ダンヒル「MM965」については、私も吸った事があるのですが、パイプを始めて直ぐの頃だったので、慣れないラタキアをまともには吸う事が出来ず、一缶を消費するのに随分と期間を要したのを憶えています。そして、喫味レポートも書いていません。ですから、今回吸ってみる「メリルボーン」との比較は殆ど出来ません。全く新規に吸うつもりでレポートします。 さて、「メリルボーン」の開封時の香りは、やや軽く硬質なイメージのラタキア臭です。どちらかと言えば、ラタキアよりも非ラタキアのオリエント葉の熟成臭の方が強い感じです。これに微妙に果物系のような甘い香りが混ざっています。カットは細かいリボンカットで、湿気は普通だと思います。 これを火皿内径20mmのパイプに詰めて着火しますと、随分とスモーキーな煙が最初に来ました。糖度が低く着香もしていないバーレー葉のような硬質な喫味です。何だか味気ないなぁと数十秒ほど吸っていますと、そこから唐突に軽いラタキアが顔を出しました。非ラタキアのオリエント葉の熟成臭がメインにあって、それに少しのラタキアが混ざっているような匂いです。味も、熟成オリエント葉の出汁系のコクが中心にあって、それにラタキアよる糸を引くような腐敗した味が少し混ざります。 ・・・う~ん、MM965の方はこんな味だったっけか。糸を引くような腐敗臭に苦労したのは憶えているので、その部分が似ていると言えば似ています。 火付きは問題ないと思いますが、火持ちはそれ程良くはありません。ただ、ラタキアというのは盛大に燃やすと臭みが強くなるイメージがありますから、ちょっと燃え難いこのくらいが丁度良いのではないでしょうか。燃え難いので、燃え進みは遅い方だと思います。 喫煙中盤でも軽いオリエント&ラタキアな喫味は続きます。この煙草の缶の裏には簡単なブレンド内容が書かれていて、そこには「ブラウンキャベンディッシュに、ライト・オリエントとスモール・バージニア葉が混ぜられている。イングリッシュ・ブレンド。」とあります。やはりラタキアよりもオリエントがメインであるようです。また、ブラウンキャベンディッシュのベースはバーレー葉である事が予想されますから、それが冒頭に書かれるような喫味であるのは吸ってみれば納得できます。 喫煙終盤になって、燃え進みが遅く、味もやや単調で奥行きに欠けるような所があり、何だか飽きて来ました。ニコチンもやや強めに効いて、ちょっと快適ではありません。それで、もう少し吸えそうではあったのですが、完全に吸い終わる前に喫煙を終了しました。う~む、パイプに詰める良を少し減らして、早めに終わってしまう方が良い煙草だったのかも知れません。 残り香は軽い出汁系+ラタキアの腐敗臭で、後味は硬質の出汁系でした。 全体的に見て、熟成オリエントの味にラタキアでアクセントを付けながら、トータル的にはバーレー葉のような硬質なコクで吸わせる煙草だったと思います。ダンヒルのMM965のレプリカという事なのですが・・・、あれってこんな味でしたっけ? 今回の喫煙では、燃え進みが遅く、途中で飽きてしまいましたが、基本的には軽く硬質な味の薄いラタキア物として、常喫でも行ける煙草だとは思います。まぁ、でも、どうなんだろう。ラタキア物は随分と久し振りに吸うので、その辺もあるのだろうとは思うのですが、こと今回の喫煙については、余り良い印象ではありませんでした。 MM965を常喫していた方がどういう評価をするのか気になる所です。[気になる煙草ブログは此方 Click!]