続、そよ風を感じながら
(その3)♪横のメッシュ柄女の子ちゃんは、というとわたくしが横に座ったとき、ちらっと目をあけわたしの美脚を見て女性だと思ったのでしょう、またすぐに寝てしまいました。前の座席には5,6人の人が座っていましたが、目の前のおじいさんを除きみんな寝ています。おじいさんは私を見て最初は気づかなかったようだけど、3,4回ほどこちらを見て、私の格好が少し違うなって思っているようすです。しかし、そこは、おじいさん自分も最近年をとったからのーと首を傾げています。この時、パソコンで言えば、おじいさんの頭は88シリーズだったでしょう。つまり、8ビット、いや、私を見て、女-女,女-男,男-女,男-男で1か?1ということは男???「げげ、げ!」という2進数の世界を堪能していたに違いありません。その後、おじいさんは、電車の天井に下がっている広告を読んでいるのです。その広告のなかで、わりあい大きな文字「女性自身」に眼がいき、そこでじっと考えてから私を見て、「男性自身!!」そして、長袖ニットシャツ、レモンイエローのキュロット、つまさきヌードでオールスルーのゾッキ、ピンクベージュのミュールの私の姿を見て、おじいさんは、するどい情報処理技術者のように頭を働かせて長袖ニットシャツ イコール 長袖ニットシャツレモンイエローのキュロット イコール ただの黄色い半ズボンつまさきヌードでオールスルーのゾッキ イコール ただの足・ただの足ピンクベージュのミュール イコール 間違って妹のサンダル履いてきた・間違って妹のサンダル履いてきたに違いないんじゃ!という中国人が困ったときは「靖国参拝をやめろ!」というに、にた、何であろうが男じゃ、男じゃ、靖国参拝じゃ、というごりおし的な判断をしたようだった。私は、一度でいいからこのようなおじいさんの、みこしかつぎを見てみたいと思った。つづく