PROCEED2800修理(その2)
時間があれば回路図とにらめっこ。症状は1,AMラジオ放送、短波放送は聞こえない。ボリュームを上げても雑音さえ聞こえない。 2,FM放送は聞こえる。ボリュームも大丈夫。3,周波数のデジタル表示は大丈夫だが、ダイヤルとデジタル数字が500kHzくらいずれている。4,シグナルメータは音が出ないAM放送でも振れている。1,2,から低周波増幅回路は正常に作動していることがわかる。回路図で追うとFM系とAM・短波系を途中で切り替えているので、AM・短波系の不具合だ。ラジオは、大まかにいうと、A.高周波増幅-C.中間周波増幅(IF増幅)-D.検波-E.低周波増幅と回路が分かれスピーカを鳴らす。また、B.発振回路 がありA.とC.の間にその発振信号を混ぜ、A.マイナスB.の中間周波数C.を作る。E.は正常なので、AM・短波系のA.からD.を順番に調べていく。雑音も聞こえないのでどこかのトランジスタが死んでいるかもしれない。このラジオはいくつかICが使われていて、その中でμPC1018というICは便利なICだ。これ一つでFMのIF増幅2段とAMの発振、混合、IF増幅を行っている。昭和50年代はこのICを使ったラジオが数多く生産されていたことだろう。今の安いラジオにも使われているかもしれない、と調べてみたらすでに生産中止。廃番、おまけに保守もしてくれない。でもICが壊れることは滅多にないのだが、と調べてゆく。ICの16本ある足にどのような信号が出入りするのか、データシートも手に入れた。今回用いる機械は周波数カウンタとオシロスコープ。はじめ周波数カウンタだけで調べていたのだが、音声のように周波数がコロコロ変わるものは計測できない。で、昔使っていたオシロスコープの出番。目に見えないデンキを見せてくれる機械だ。(写真1)は発振回路の状態。カウンタは発振周波数を、オシロスコープはその波形を示している。きれいな正弦波を発振している。次に音声を観測するとこんな感じ。(写真2)周波数は計れないけど、音声は色々な成分が混ざっていることが分かる。テスターで各トランジスタの足の電圧をはかり、トランジスタが死んでいないかも見ていく。どうもトランジスタやICは正常に作動しているようだ。オシロスコープで信号を追ってゆくと、あるところから信号がなくなっている場所を見つけた。(藤)写真1写真2