湿地の重要性(2)
今回は、ラムサール条約と湿地の定義について書き込んでみた。ラムサール条約: 1971年2月2日にイランの都市、ラムサール(Ramsar)で制定され、1975年12月21日に発効された。この条約の目的は、水鳥(渡り鳥)にとって貴重な生息、繁殖地である湿地における生態系保護である。正式名称は、“特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約”(The Convention on Wetlands of International Importance, especially as Waterfowl Habitat )であり、本部はスイスに置かれている。現在、締結国は153、登録湿地数は1,616以上である。登録湿地最大数はUK(The United Kingdom)の164であり、最大面積数はカナダの130,000平方キロメートルである。気候的に両国は湿地が多い環境にある為、この様な結果になっている。ちなみに、日本の登録湿地数は33である。そして、毎年2月2日は“World Wetlands Day”となり、世界各国で様々なイベントが開催されている。湿地: ラムサール条約による湿地(Wetlands)の定義では、("areas of marsh, fen, peatland or water, whether natural or artificial, permanent or temporary, with water that is static or flowing, resh, brackish or salt, including areas of marine water the depth of which at low tide does not exceed six metres".)“湿地とは、天然のものであるか人工のものであるか、永続的なものであるか一時的なものであるかを問わず、更には水が滞っているか流れているか、淡水であるか汽水であるか鹹水(かんすい、注:塩水のこと)であるかを問わず、沼沢地、湿原、泥炭地又は水域をいい、低潮時における水深が6メートルを超えない海域を含む。”(第1条1)(外務省ウェブサイト「ラムサール条約」より抜粋)となっている。さらに、第2条1では、("may incorporate riparian and coastal zones adjacent to the wetlands, and islands or bodies of marine water deeper than six metres at low tide lying within the wetlands".) “湿地近辺の岸辺や海岸、さらに、島または低潮時における水深が6メートルを超えない海域を湿地とする事ができる”としている。つまり、ラムサール条約では広い範囲の生息地が含まれる事となる。川や湖さらにサンゴ礁までもがこの条約の範囲内に入ると言う事である。The World Conservation Monitoring Centre によれば、地球上で5,700,000,000km2、地表の約6%が湿地で覆われていると言う。湿地は最も大きな生産力を生み出す環境であり、数え切れないほどの植物や動物が暮らしており、生物多様性に関して重要なエリアである。また、固有の貴重な生物も多数生息している。さらに、湿地には我々の食料生産にも欠かせない。例えば、米などがそうである。このように価値のある湿地は、保全、保護、再生を行っていかなければならない場所であり、今後その価値は上昇して行く事だろう。