蘭
ラン科の植物はCosmopolitan(世界中に分布/普遍種)である。これは生物学でよく使われる英語の和訳であって、普通は、”国際的/世界主義的”等と訳されるであろう。そして、多数の種が存在するのも”ラン科”の特徴である。被子植物の中では、最大級の”科”の一つとなる。”The Royal Botanic Gardens, Kew”によれば、現在、25,000種が確認されており、さらに30,000種が存在するであろうと見込まれている。これは、顕花植物(生殖器官として花を形成し、種子を生ずる)の8%を占める事になる。そしてこれまで、ラン科の植物は新しいグループ(2000万年前)であると言われていたが、最近のDNA-Molecular clock(分子時計)の研究(蜂の化石から見つかった花粉)によれば、太古のグループである事が理解されたそうである。この結果から、ラン科の先祖は約8000万年前から生存していたと言う事であり、白亜紀の時代を恐竜と共に生きていた事になる。(The British journal Nature)Cowslip Orchid (Caladenia flava)非常に特徴的で多くの人々の興味を掻き立てる植物”蘭”の魅力は計り知れない物である。これまでの長い進化の過程で環境に順応し、世界中に生息域を広げている”蘭”。人々の興味が尽きる事は無いであろう。Carousel Spider Orchid (Caladenia arenicola)Pink Fairy Orchid (Caladenia latifolia)我々人間も”Cosmopolitan”コスモポリタン(国際人)として環境問題を考える時である。そして、動植物の様々な視点に問題解決の糸口があるのかもしれない。彼らは環境に順応して子孫を繁栄させて来た。しかし、現代の人間は彼らが生きている環境を変え、その環境から離れる事で繁栄している。今、考えていかねばならない事は、環境を共有する事ではなかろうか。宇宙船地球号の仲間として。