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「黄金井脩ライブ」～水満ちる緑に唄う～（魂唄の旅＃４５）

本来夜の拝観はできない玉川寺の門を密やかにくぐる楽しみ。ドキドキと短くもときめく道行き。夏の宵、ほの明るい中に灯る道しるべに、一日張り詰めた肩の力が抜ける。今日訪れたのは蛍の飛び交う庭を背景に、「黄金井脩ライブ」～水満ちる緑に唄う～（魂唄の旅＃４５）を堪能するため。日時／7月7日（土）　19：00開演会場／玉川寺（市内羽黒町玉川）玉川寺　TEL.0235-62-2746おお。お寺のおばあちゃんだろうか。このお年頃のおばあちゃんたちは、いかにも地に足をつけて生きてきた風情に腰が曲がっていらっしゃる。ご本人たちにはなんとも迷惑な言い分だと思うものの、なんだか感動的。毎年恒例になったこの時期のコンサート。蛍も合間に競演。そして想定外の共演者も。それは蚊遣りの豚！ではなくて！巨大な蛾！アジアをあまねく旅して自然派の黄金井さんはしかし、古の剣豪のように袋でおもむろに生け捕りにし、夜の空へ軽やかに放ったのでした。流石やなぁ。（なぜに関西弁？！）ハスキーな歌声同様魂を感じる。そう言えばコンサート当日は七夕。スタッフの皆さんの心尽くしで、短冊を下げる事もできました。「天（と我）に愛　地に平和を！」祈りがこめられたコンサートは夜の闇に溶け込むように終幕。涼やかで熱い夜でした。黄金井さん、来年もお待ちしています

黄金井脩コンサート　玉川寺の夜の庭編

今夜は大好きな玉川寺を会場に黄金井脩さんのコンサートが行われる。花の庭として知られるこの寺でも、ひときわ人気のクリンソウは例年より早く、まるで彼を迎えるかのように満開。前回初めてこの会場で行われたコンサートは真冬。白い静寂に包まれてそれはそれでドラマチックだったと思うが緑と花に囲まれた庭がこの寺本来の持ち味。今年はずいぶんとお寺の花と相性がいい。例年はずしてしまう枝垂れ桜とも満開の時期に無事ご対面。今は芝桜やこの木、花蘇芳（ハナズオウ）も鮮やかに花を咲かせていた。咲き誇っていた枝垂れ桜も今は葉桜。水面に映る影が揺れる。水辺にはクリンソウ。白から赤紫までの濃淡が闇にも映える。庭に点々と置かれた明かりが醸し出すしんとした空気、ゆらぎ。境内の庭に面した戸はすべて開け放たれ、夜の庭を背景に置かれた椅子。ここに彼、黄金井脩が座った。彼に会うのも、本人と意識して歌を聴くのも実は初めて。私にとってお気に入りのこの場所で行われるだけで特別なのだ。ここで行われるコンサートは、庭が人を呼ぶのか、やはりここで聴いてよかった、と必ず思える。これまで特によかったのはリュート奏者のつのだたかし。今日も疲れ気味の心身を癒されたい、という想いを抱いて足を運んだ。しかし。なんて嬉しい誤算。癒しで収まる感動ではなかった。始まりは津軽甚句。情熱的にギターを掻き、叩き鳴らす手の動きに目をひかれ、ハスキーで骨太な声に揺さぶられる。ご当地ソングの最上川舟唄も大好きだそうだが、歌詞の意味を消化しないうちは人前で歌ってはいけない、のだそうで今回は聞けなかった。残念。次回は是非彼の解釈で唄って欲しい。三味線風もいい。和風ジプシーみたい。（注：後でチラシを眺めたら『アジアン・ジプシー』という称号を与えられていた）でもフラメンコも似合いそう、と思っていたらスペインの歌を歌ってくれた。外国語の歌詞も自分のものにしないと歌えないのだろうか。だとしたらずいぶんその土地のことを調べているんだろうな。そのこだわりを尊敬。オールイタリアロケで撮影された、叶恭子主演映画「Il vent e le rose」イル・ベント・エ・レ・ローゼ愛するということにも音楽で参加されたそう。調べてみたら、ちょうど今日が新宿バルト９での上映初日。不思議な縁だが、田舎の映画館に来そうな映画ではないようだ。黄金井さんも特に姉妹に関心がある風でもなさそうだし。彼が好きだという「チェ・ゲバラの歌」（チェ・ゲバラ讃歌／Hasta Siempre Comandanteかな）もよかったなぁ。ＣＤには入っていないそうで惜しい。月にちなむ唄も。『月にあたって雲がくだける♪』で始まる唄。歌詞が印象的だった。月は好きなモチーフなんだろうか。折しも今夜は満月。効果満点の空模様。どうやらコンサート定番の「誕生日を祝う歌」（なんて曲名なんだろう）でのトーク。４月後半から６月前半までの誕生日の人は手を挙げて名前を告げると、歌の中で名前を呼んで祝ってもらえる趣向のようだ。「僕が“せぇ～のっ！”って言ったら、“いぇいっ！”って手を挙げてくださいね！」私の誕生日はもう少し先。う～ん、次回は是非夏にやってもらいたいなぁ。「なんかタクシーの運転手になった気分なんですよね」･･････なるほど、うん。でも寒いせいかちょっとしんとなっちゃいましたね。そう、凍えそうに寒くてホッカイロが売り切れだったのだ。昼は半袖でもＯＫの暑さだったのに。羽黒山のふもとのお寺さんだから、と夜の冷え込みの厳しさは知っていた私も信じられないほどの急激な温度差。一応立て衿になる長い丈のオーバーブラウスに12分丈レギンスを着用。完璧だと思ったのだが。甘かった！instrumentalの、鬼平犯科帳のような曲、と後でＣＤを買う時に説明した作品は『Nenuphar』（検索したらスイレンという意味だった）。いい曲。ちなみにＣＤには相合傘にして私と黄金井さんの名前を書いてもらった。「こういうリクエストは初めて」と驚かれたけどいい記念になりました。ありがとうございますコンサート終盤の言葉から。「感謝するってのが本当の感謝になるんですね、歳をとってくると。　本当に感謝感謝です。」実は彼が何歳なのか知らない私。でもそろそろ人生の折り返しかな、という頃合にさしかかった時からそんな風に感じるってことを、経験としてうなづける。会場になったお寺で教えるのもまず感謝の心。いいコンサートの結びになりました。　　　参考　私が買ったＣＤは『ＪＡＤＡＶＥＤＡ』１．Del Contessa ２．jadaveda　　パーリ語（巴利語････仏教用言語？）で「火」とか「炎」の意味？？３．habibi　　　アラビア語で『愛しい』４．海と空５．白い骨　６．Ryusei７．Nenuphar　　追記　　同じ日に同じ空間でコンサートを楽しんでいた方のブログを見つけました。ご了承を得て紹介します。ああ、画像がこんな風に紹介できたら。いいなぁ。

美輪明宏音楽会　<愛>　L'AMOUR

久々に穏やかな陽気の中のドライブは終点に到着。ホテルに荷物を置き、一転予報通りの大雪が降り出した道をコンサート会場へ向かう。この時のタクシーの運転手さんが、爽やかに気配りのできる方で、「帰り道寒かったら、ここのおでんを食べるといいですよ」と教えてくれた。へえーともおおーともつかない静かなどよめきで盛り上がる私たち美輪麗人会一行。一瞬今日の目的を忘れる。いかんいかん。コンサートが始まってから美輪さんがおっしゃったようにチケットは発売当日、売り切れになったらしい。雪が降りしきる中、立見席を取るために並ぶ列が長い。よかった。３列目の座席を確保してくれた友人に深い感謝の念を送る。（すぐ側にいるんだから言葉にすべきだったかもしれない）第一幕。花々が咲き乱れる楽園に、ピンクの衣装を身にまとい華麗に美輪さんが登場。昨年は社会風刺の色濃い選曲が中心だったが、今年は「愛」をテーマにシャンソンと日本の歌から選曲されたそう。ナウシカの腕から腕に動き回るテトさながら、ピンクのもこもこショールを生き物のように操る美輪さんはさすが舞台人。華麗な腕の動き、深みのある声、そしてこの万能の小道具で、すべての歌の背後にドラマを映し出してくれる。第二幕。黒の衣装に身を包み、背景はシックなパリのイメージ。シャンソンを中心に構成。途中背景が羽根を広げた孔雀に。一面に広がる孔雀の羽根が千手観音の腕のようにも思える美輪さんの迫力と包み込む温かさ。歌は順不同で「18才の彼」「ラ・ボエーム」「「不倫」「暗い日曜日」「恋のロシアンカフェ」「めぐり逢い」などなど。（記憶違いは許されたし）圧巻は「愛の讃歌」。エディット・ピアフが歌った原詩で熱唱してくれた。おなじみの「あなたの燃える手で、あたしを抱きしめて」という歌詞は原作とは随分違っている。より激しく切なく、望むなら命どころか祖国も友人さえも捨ててみせる、という覚悟の、無償の愛。愛に飢え、愛を求めながら満たされず波乱万丈の人生を送ったピアフは「私が情欲にもろいからだとお考えになるのは間違いです。私の場合には、愛されたいという願望が病的と思えるほど激しいのです。自分のことを美人でもなく、誰からも相手にされず、しかもひとに好かれる魅力のない女だときめこんでいただけに、その思いがひとしおだったのかもしれません。ある時、同時に三人の恋人をもったことがありました。」と語っていたと紹介されている。酒に溺れ麻薬に溺れぼろぼろの廃人のようになった彼女の前に現れ、無償の愛で彼女を救った最後の恋人は２０歳も年下だったとか。しかも彼は彼女の死後も多額の借金を払い続け、返し終えると間もなく交通事故で世を去ったという。なんという愛なんだろうなあ。アンコールにこたえて歌ってくれた最後の歌は「花(すべての人の心に花を) 」。今回は舞台設定も含めて「花」がキーワードだったかと思える。最後に純白のドレスで登場した美輪さんは金粉の嵐が舞い散る中、今にも天上界に昇りそうな神々しさで幕を閉じた。美輪さんによれば誰しも最後は悟りを開いた者・弥勒（如来）になれる、この世は修行の場で誰しも菩薩なのだという。困難が多い人はそれでも耐えられるように修行を多く積んできた人で、最終段階に近くなってきた、と喜べばいい。うん、そうだそうだ！と納得してきたものの、私の修行はかなり未熟な段階のようで、日々心を乱しつつ、菩薩道を行ったり来たりの日々なのであった。

ヘイリー／ Pure

友人が届けてくれたニュージーランドの歌姫ヘイリー（Hayley Dee Westenra）の『Pure』。まさにピュアな歌声に感動。まったくノ－マ－クだったが、ドラマ『白い巨塔』や映画『ローレライ』の主題歌も歌っていたんだなあ。1. ポカレカレ・アナ（マオリ族の伝承歌／arr. Sarah Class） 2. ネヴァー・セイ・グッバイ（ラヴェル：亡き王女のためのパヴァヌからの編曲） 3. フー・ペインティッド・ザ・ムーン・ブラック(Sonia Aletta Nel/arr.Sarah Class) 4. リヴァー・オブ・ドリームス　　　　　(ヴィヴァルディ：四季～冬からの編曲/arr.Sarah Class） 5. ベネディクトゥス (Karl Jenkins)(TVCM「レクサスハイブリッドGS450ｈ」使用曲) 6. ヒネ・エ・ヒネ（マオリ族の子守歌／arr. Sarah Class）　 7. ダーク・ワルツ（Author Frank Musker/ arr. Sarah Class） 8. マイ・ハート・アンド・アイ（ＴＶドラマ「ラ・ピオーヴラ」主題歌） 9. イン・トゥルティナ（オルフ：カルミナ・ブラーナからの編曲） 10. ビート・オブ・ユア・ハート(サー・ジョージ・マーティン/ Giles Martin) 11. アクロス・ザ・ユニバース・オブ・タイム (Sarah Class) 12. ヘヴン (Frank Musker/ Ronan Hardiman) 13. 嵐が丘 (Kate Bush/ arr. Sarah Class) 　　　　　　　　　　　　　ボーナス・トラック 14. メアリー・ディド・ユー・ノウ？ 15. アメイジング・グレイス（arr.サー・ジョージ・マーティン）「白い巨塔」主題歌１曲目は彼女の故郷ニュ－ジ－ランドの先住民マオリ族の歌。木々を渡る風のように、ころころほろほろとメロディがこぼれ、溢れ出る。なんて澄んだ声だろう。日本でもお馴染みの曲がラインナップに入っているので親しみやすくもある。当分このＣＤがドライブの友だ。