北京:外から入ってきた人の自宅隔離情報や便名を公開
春めいてきたここ数日、アパートの小区内で子供を遊ばせるご家庭も増えてきました。人との接触をなるべく避けるというのは変わりないのですが、中国の状況が改善しているのに加え、そもそも胡同全体が封鎖されているので、中にいる人はみんな北京の自宅に数か月こもっていた人、閉鎖されたかごの中の人ということで、中の人は安全という気持ちが働いているのは否めません。ところが昨日、顔見知りの近所のおばあちゃんがアパートから降りてくるなり、しかめっつらで自分が下りてきたアパート内の階段に続くドアを指しています。近づいてみると、こんな張り紙が。貼り紙 posted by (C)つばめ「このアパート小区内の住所〇〇の☆☆さん一家は、 3月14~28日まで自宅医学観察期間中となっています。 住民の皆さん、もし自宅観察期間中の法律違反を発見したら すぐに社区に連絡してください。」とあり、下に社区の担当者と連絡先電話番号が書いてあります。自宅観察の一家の住所は部屋番号まではっきり書かれています。しばらくして、同じアパート小区内に住む1歳半の双子の男の子がこちらに向かって歩いてきました。そしてヨチヨチとその貼り紙が貼られた入り口のドアに近づいたとたん、「触っちゃダメ!」と、先ほどのおばあちゃんが素早く制止し、双子ちゃんをドアから遠ざけました。自宅観察となっているのは同じアパート、同じ単元に住む顔見知りの住民のはずなのに、北京外から戻ってきた人に対する近所の目はここまで厳しいものがあるのかと心中驚きました。かくいうつばめも、同じアパート小区内の別のママ友に、「うちの旦那、明日の晩、西安から汽車で北京に戻ってきて 自宅観察になる予定なんだけど、 私と子供は外に出てきて遊んでも気にしないかな? もし気にするなら、2,3日家にいようと思うけど・・・」と言われ、どう返事したらいいものやら、言葉に詰まりました。そして今日は、スマホにこんなニュースが入ってきました。20200321ネットニュース1 posted by (C)つばめ「3月20日0~24時、北京市では国外から入国した14名が 新たにコロナウイルス感染と診断された。 うちイギリス7名、スペイン2名、フランス1名、 オランダ1名、アメリカ1名、イタリア1名で、 いずれも北京市内の小区には関係しない。 1名はアメリカから来た人で、関係する小区は、 “昌平区竜澤園街道首開智慧社”である。」国外から北京に入国して、コロナウイルス感染が判明した場合、その人が住む小区の情報がニュースで流され、一般市民に注意を促すようです。そういえば一時、コロナウイルス感染症と診断された人の居場所が地図上に全て表示されるアプリが流行っていたようだけど、あれは今も使われているのかな。表示がたくさんあれば、ひとつひとつは目立ちませんが、最近は北京市内での新たな発症例ゼロが続いているだけに、外からのウイルス流入には政府も市民もことさらに敏感になっているようです。さらに、『北京日報』の3月21日のニュースでは、↓20200321ネットニュース2 posted by (C)つばめと、3月20日に国外から北京入りした感染者14名が搭乗していた11の便名が公開されています。東京発北京行きのCA926も含まれていますね。おそらく、これらの便の乗客は、濃厚接触者として厳重に隔離されているのではないかと思われます。飛行機での移動も、本当にリスクを伴いますね。中国国内の他地方から北京に戻った人も、国外から北京に入国した人も、しばらく大変な状況が続きそうです。