北京5環外マンション、-購入寸前で・・・編-
結局マンションを購入せずに部屋を出たつばめ夫婦。ロビーで手付金の返却を待っていると、購入を決めた人が次々と伝票を持って部屋を出てくる。どうやら、番号札を持っている人で購入しなかったのはつばめ夫婦だけだったよう。最後には番号札を取らずに、今日たまたまふらっと見学に来た人まで、購入を決めて部屋を出てきた。そんなみんなのちょっと興奮した姿を横目になんだか落胆する二人。「やっぱり東向きにこだわらずに購入したほうがよかったんじゃない?」とつばめが言うと、夫も心の葛藤を隠せない様子。最初はマンション購入に積極的でなかったつばめも、購入寸前まで来て買えなかったことに、やっぱり未練を感じてしまう。みんなの高揚した様子を見ていると、やっぱり私たちもどこか買うべきだったのではないかと後悔が押し寄せてくる。今からでもまだ遅くない、とつばめの心は揺れていたが、夫は、「終わったことはもう考えないでおこう」と心決めたように言って、マンションを出た。帰りの車中、自分の心を納得させようとして、夫相手にいろんなことを言ってみる。「でもさあ、北京の不動産はここ3,4年で2,3倍にはなったんじゃない?これから下がるかもしれないし、買えなくてよかったんだよ」「それにこのマンション、全額現金一括払いという条件で売り出したのに、途中で頭金50%になって、残りはローンが組めるようになったんでしょう?やっぱり北京の不動産市場は冷え込んできてて、厳しい条件つけてたんじゃ、売れないんだよ」「今回、番号札を取った人は30人ぐらいで、全員部屋を買えたでしょう?やっぱり不動産市場は冷え込んできているんじゃない?ほんとに活況の時は、番号札を取るのすら、すごい列だったというし」「ここだけが不動産じゃないし、私たちはもっといい不動産に縁があるんだよ」そんなことを言っているうちに、本当にそのような気になってきて、このマンションに対する執着がなくなっていった。ところが、この話、まだ続きがあったのである。つづく。