Love,Sweet Little Battle ―Part.1―
やきもちやいた。あなたが言う。
『ミナミくんに焼きもち妬いてる………』
『…え……?』
金曜日。夜。
ごはんのあと、いつものように、あなたは私をベッドの上で、
ぎゅっと抱きしめて、ため息混じりに言う。
『変な気持ち。』
『…………』
私なんてね。
いつも、焼きもち妬いてるんだよ。
本当に大嫌いになるくらい。
あんまり嫌いな人っていないけれど、その分だけ、
あなたのおうちのひとへの憎しみが強いのよ。
『そうよぉ………
私はその気持ち、ずっとなのよ?
たまには私の気持ち、味わって下さい………』
私の言葉に、あなたが苦笑した。
………嫌な奴になりきれたら、たぶんずっと楽なのに。
おうちのひとのところに電話して。
乗り込んで。
私の母がされたように、そうすることが出来たなら。
………私………
憎いのは。いなくていいと思うのは。
おうちのひとだけなのよ。
おうちのひとだけ、いなくなってほしいのよ。
だって、お子さん何も悪くない。
別に、結婚してる女の人、みんなを憎いわけじゃない。
本当に、たったひとり。
いてほしくない人間。
他に嫌なものなんて、それほどない。
それに、私が欲しいのは、あなただけだから、
オプションは、いらない。
嫌な女。
自分でそう思うよ。
実は、離婚考えるくらい喧嘩したと聞いて、喜んだ私がいた。
最悪だ。
今、
心から、仲直りして良かったなんて言えないよ。
仲直りしたから、会いに来たの………?
そしたら、私なんて、最初からいらないんじゃないの………?
あなたには、もしかしたら、最初から、
『私を選ぶ』なんて選択肢、存在しないんじゃないの………?
あぁ、そっか………
だから私…ミナミくんに揺れるんだ…………
なぜ生まれてきたの?
自分に思う。
なんでいるの?
おうちのひとに思う。
いなくなってよ。
自分に、おうちのひとに、思う。
4つの思惑が交差してね、
どうしようもない化学反応が起きる。
その中で、きっと、いちばん強い想いだけが、残る。
おそらく最後の試練でしょう。
この想いの。
そんな気がした。
いちばん、きつい。
今までで、いちばんきつい。
誰かに………弱点に、つけこまれた気がした。
ミナミくん、傷つけたくない。
好きな人の、側にいたい。
未来はあるのかな?
永遠って、見えてくるのかな?
刹那的なものは、もういらなくて、
ただ私………
ずっと側にいられる人が欲しい。
ただそれだけなのに。
おうちのひとが、果てしなく邪魔。
今ね、私の心の中ね、汚れているから、正しい判断出来ないよ。
いつか、それでも答えは見出だせるの?
いちばんきつい、分岐点。